「微睡み」とは「ちょっとの間眠ること」という意味です。
「微睡み」という言葉を小説やネット上で目にしたものの、読み方がわからないという方もいるのではないでしょうか。
「微睡み」は「まどろみ」と読みます。意外な読み方をする言葉ですよね。
この記事では「微睡み」の意味や使い方、由来、類義語、対義語、英語訳、夢の種類について解説します。
☆「まどろみ」をざっくり言うと……
読み方 | 微睡(まどろ)み |
---|---|
意味 | ①ちょっとの間眠ること ②熟睡すること |
由来 | 「目瀞む」の変化 |
類義語 | 仮眠 仮睡 午睡 など |
対義語 | 覚める 寝覚める 目覚める など |
英語訳 | drowse doze slumber など |
「微睡み」の意味
- ちょっとの間眠ること
例:太陽光が気持ちよく、微睡んでしまった。 - 熟睡すること
例:微睡んでいたら電車は終着駅に着いていた。
「微睡み」はちょっとの間眠ることという意味で使うことが一般的です。
熟睡すること、という意味でも使います。
少しの間眠ること、と長時間眠ることという二つの意味があります。
どちらの意味で使われているのかは、文脈を見て判断する必要があります。
また、ひらがなで表記することも多いという点も重要です。
「微睡み」の使い方
以下に「微睡み」の使い方を紹介します。
- 太陽光が気持ちよく、微睡んでしまった。
- 微睡んでいたら電車は終着駅に着いていた。
- 微睡みの中、親友の声が聞こえた。
- 先生の声により、微睡みから覚めた。
- 微睡みながら、ぼんやりと考え事をしていた。
①の例文は、太陽光の中で気持ちよく眠っていたことを表しています。
②の例文は電車内での長時間の眠りから覚めたことを表しています。
③の例文は夢か現実かわからない状態で友人の声を聞くという様子を表しています。
④の例文は眠りから覚める様子を表しています。
⑤の例文は眠りそうになりながら考え事をする様子を表しています。
「微睡み」の由来
「微睡み」の由来には「目瀞(めとろ)む」という言葉があります。
「目瀞む」の瀞は、川などの流れによって出来た深い淵(ふち)のことを表します。
一時の眠りを深く静かな淵にたとえて、「目瀞む」という言葉を眠りの意味として使うようになりました。
やがて「目瀞む」は「微睡む」に変化しました。
「微睡み」の類義語
微睡みには以下のような類義語があります。
- 仮眠
短時間の浅い眠り - 仮睡(かすい)
うたたね - 午睡(ごすい)
昼寝をすること - うたた寝
その場でなんとなく寝てしまうこと - 居眠り
座ったまま眠ること - うとうと
眠りが浅いさま - 浅い眠り
十分でない眠りのこと - 短い眠り
短時間の睡眠のこと - 一寝(ひとね)入り
しばらくのあいだ眠ること - 一睡(いっすい)
ちょっと眠ること - 半睡(はんすい)
なかば眠っていること - 白河夜船(しらかわよふね)
ぐっすり眠り込んで、何が起こったか知らないことのたとえ - 半醒半睡(はんせいはんすい)
半ば目覚め、半ば眠った状態 - 快眠
気持ちよくぐっすりと眠ること - 狸寝(たぬきね)入り
寝たふりをすること
仮眠の意味
仮眠は短時間の浅い眠りという意味です。以下に例文を紹介します。
- 仕事の合間に仮眠をとる
- 20分間の仮眠をする。
うたた寝の意味
うたた寝は、短時間の浅い眠りという意味です。
以下に例文を紹介します。
- テレビを見ながらうたた寝する。
- うたた寝していたら、電車を乗り過ごした。
白河夜船の意味
白河夜船はぐっすり眠り込んで、何が起こったか知らないこと、という意味です。
以下のようなエピソードが語源となっています。
京都に行ったと嘘をついた人が「白河(地名)はどうだったか」と聞かれました。
嘘をついた人は白河を川のことと勘違いして「夜、船で通ったので、眠っていて分からなかった」と答えたのでした。
ここから、何もわからないほど眠ることを白河夜船と言うようになりました。
以下に例文を紹介します。
- 夜中に両親が喧嘩したそうだが、白河夜船でまったく気づかなかった。
- インターホンを押したが、家族は白河夜船で誰も出なかった。
半醒半睡の意味
半醒半睡は半ば目覚め、半ば眠った状態という意味です。
以下に例文を紹介します。
- 寝不足で半醒半睡の状態である。
- 半醒半睡でぼんやり授業を聴いていた。
狸寝入りの意味
狸寝入りは寝たふりをすることという意味です。
以下に語源を解説します。
狸は臆病な動物で、驚いたときに一時的に気絶します。
この様子を人は「狸が人間を騙そうとしている」と捉えました。
ここから寝たふりをすることを狸寝入りと呼ぶようになりました。
以下に例文を紹介します。
- 彼は都合が悪くなるとすぐ狸寝入りする。
- 狸寝入りをしてごまかす。
「微睡み」の対義語
微睡みには以下のような対義語があります。
- 覚(さ)める
眠っている状態から意識のある状態に戻ること - 寝覚(ねざ)める
眠りから覚めること - 目覚める
眠りから覚めること - 覚醒
目を覚ますこと - 起床
寝床から起き出すこと - 起きる
目を覚ますこと
「微睡み」の英語訳
微睡みを英語に訳すと、次のような表現になります。
- drowse
(眠気がさす) - doze
(うたた寝する) - slumber
(眠る)
夢の種類
微睡みの中で人は夢を見ることがあります。そんな夢ですが、いくつか種類があります。
ここでは、さまざまな夢について紹介します。
- 正夢(まさゆめ)
夢で見たとおりのことが起こる夢 - 逆夢(さかゆめ)
事実とは逆の夢 - 悪夢
恐ろしい夢 - 霊夢(れいむ)
神仏やそのお告げが表れる不思議な夢
「微睡み」のまとめ
以上、この記事では「微睡み」について解説しました。
読み方 | 微睡(まどろ)み |
---|---|
意味 | ①ちょっとの間眠ること ②熟睡すること |
由来 | 「目瀞む」の変化 |
類義語 | 仮眠 仮睡 午睡 など |
対義語 | 覚める 寝覚める 目覚める など |
英語訳 | drowse doze slumber など |
微睡みが眠りを表す言葉ということは多くの方が知っていたことでしょう。
しかし、長い眠りも短い眠りも両方を表せるということは知らなかった方も多いのではないでしょうか。
この機会にぜひ覚えてしまいましょう。