「触らぬ神に祟りなし」の意味とは?英語や類語や対義語まで例文付きで

言葉

今回ご紹介する言葉はことわざの「触らぬ神に祟りなし(さわらぬかみにたたりなし)」です。

言葉の意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「触らぬ神に祟りなし」をざっくり言うと……

読み方触らぬ神に祟りなし(さわらぬかみにたたりなし)
意味余計なことをしなければ、ひどいことに遭うこともないということ
類義語触り三百、当たらぬ蜂には刺されぬなど
対義語藪蛇・藪をつついて蛇を出すなど
英語訳Let sleeping dogs lie.(眠っている犬は寝かせておけ)など

「触らぬ神に祟りなし」の意味をスッキリ理解!

触らぬ神に祟りなし(さわらぬかみにたたりなし):余計なことをしなければ、ひどいことに遭うこともないということ

「触らぬ神に祟りなし」の意味を詳しく

「触らぬ神に祟りなし」とは、余計なことをしたり、そもそも関わり合いを持たなければ、災いに遭うこともないという意味です。

たとえば、誰かと関わりを持ったとします。そうすれば、その縁によって仲良くなったり、仲違いをしたり、良いことも悪いことも両方起こるといえます。

その人に関わりを持たなければ、自分の身にその人がもたらす「悪いこと」は起こらないのです。

「触らぬ神に祟りなし」の表記

「触らぬ神に祟りなし」には以下のような表記があります。

正しい表記触らぬ神に祟りなし
別の表記触らぬ神に罰当たらぬ
知らぬ神に祟りなし
間違った表記障らぬ神に祟りなし
当たらぬ神に祟りなし

「神」と関わりを持ってはいけない理由

一般的に、「神」とはありがたい存在であると認識されています。

しかし、どうして関わり合いを持ってはいけないのでしょうか。

それは、神さまと関わり合いを持てば、恩恵を受けることもあれば、祟りを受けることもあるとされているからです。

たとえば、観光客がたくさんのゴミを捨てている山で土砂崩れが起こったら、「山の神様がお怒りになった」と言われることがあります。

 

そもそもその神様に関わり合いを持ってなければ祟りを受けることもないので、「触らぬ神に祟りなし」と言われるようになったのです。

「触らぬ神に祟りなし」の使い方

  1. 父の機嫌が悪いと聞いたので、触らぬ神に祟りなしというから、宿題の質問は後で聞くことにしよう。
  2. あの上司は後輩を叱るばかりでアドバイスをしないので、触らぬ神に祟りなしと後輩たちから避けられている。

①では、怒っている、あるいは不機嫌な人とは関わり合いを持たない方が賢明だという意味で使われています。

②では、余計な事柄には首を突っ込まない方が賢明だという意味で使われています。

このように、「触らぬ神は祟りなし」という言葉は「面倒ごとや厄介ごと」と関わり合いを持つと災いが起きるから関わらない方が良いという意味を含みます。

「触らぬ神に祟りなし」の語源

「触らぬ神に祟りなし」の語源は「尾張(大阪)いろはかるた」です。

「尾張(大阪)いろはかるた」の読み札のひとつに「触らぬ神に祟りなし」があるのです。

「触らぬ神に祟りなし」を構成する言葉の意味は以下のとおりです。

「触らぬ神に祟りなし」を構成する言葉の意味
  • 触らぬ:その対象人物や事柄と関わり合いを持たないということ
  • :その対象人物や事柄
  • 祟り:災いや悪いこと

「触らぬ神に祟りなし」の類義語

「触らぬ神に祟りなし」には以下の類義語があります。

  • 触り三百:ちょっと関わりを持っただけで、損をすること
  • 当たらぬ蜂には刺されぬ:蜂に近づかなければ刺されぬように、自ら災いを招くようなことをしなければ、害はないこと
  • 七日通る漆(うるし)も手に取らねばかぶれぬ:触らなければ漆にかぶれることもないように、物事に関わらなければ被害を受けることもないこと
  • 参らぬ仏に罰は当たらぬ:お参りに行かない仏から罰は当たらないように、信仰や関わりを持たなければ、利益も不利益も得ることもないこと
  • 君子(くんし)危(あや)うきに近寄らず:徳があるものは初めから危険な所には近づこうとしないということ
  • 近づく神に罰当たる:関わりさえ持たなければ災いにあうこともないということ
  • 無用の神たたき:関わりを持たなければ災いにあうことはないということ
  • 瘡(そう)も触らねば移らぬ:関わりを持たなければ災いにあうことはないということ

「触らぬ神に祟りなし」の対義語

「触らぬ神に祟りなし」には以下の対義語があります。

  • 藪蛇(やぶへび)・藪をつついて蛇を出す:余計なことをして、面倒ごとを引き起こすこと
  • 寝た子を起こす:解決したにも関わらず、騒ぎ立てることでまた揉め事を起こすこと
  • 義(ぎ)を見てせざる勇(ゆう)無きなり:人としてなすべきことを知りながら実行しないのは勇気がないからだ
  • 火に油を注ぐ:勢いが盛んなものにさらに勢いを加えること
  • 首を突っ込む:興味や関心をもってそのことに関係を持つこと
  • 虎の尾を踏む:非常に危険なことをすること
  • 神経を逆撫でする:他人の気持ちや状況を考えず、相手を不快にさせる言動をすること
  • キジも鳴かずば撃たれまい:余計なことを言ったばかりに自ら争いを招くことのたとえ

「触らぬ神に祟りなし」の英語訳

  • Let sleeping dogs lie.
    (眠っている犬は寝かせておけ)
  • Don’t ask for trouble
    (自ら災難を招く)
  • If it ain’t broke, don’t fix it.
    (壊れてないなら直すな)
  • Far from Jupiter, far from thunder.
    (ジュピターから離れていれば雷には打たれない)
  • Wise man never caught danger.
    (賢い人は危険に関わらない)

まとめ

以上、この記事では「触らぬ神に祟りなし」について解説しました。

読み方触らぬ神に祟りなし(さわらぬかみにたたりなし)
意味余計なことをしなければ、ひどいことに遭うこともないということ
類義語触り三百、当たらぬ蜂には刺されぬなど
対義語藪蛇・藪をつついて蛇を出すなど
英語訳Let sleeping dogs lie.(眠っている犬は寝かせておけ)など

誰しも、人との関わりを厄介だと感じる瞬間があると思います。

しかし人は社会に生きているので、人との関わり合いを完全に断つことは難しいことでしょう。

だからこそ、人と良い関係を築けるといいですね。