「公平無私」の意味とは?使い方から類語や英語や対義語まで例文付きで

言葉

今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「公平無私(こうへいむし)」です。

言葉の意味・使い方・由来・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「公平無私」をざっくり言うと……

読み方公平無私(こうへいむし)
意味自分の利益などにとらわれて判断することなく、公平にすること。そのような態度・生き方。
由来「韓詩外伝」七
類義語厳正中立、是是非非、無私無偏など
対義語依怙贔屓
英語訳fair and disinterested(公平で自分の利益だけを求めない)など

「公平無私」の意味をスッキリ理解!

公平無私(こうへいむし):自分の利益にとらわれて判断することなく、公平にすること。そのような態度・生き方。

「公平無私」の意味を詳しく

公平無私は、「自分の利益や主観・感情にとらわれて判断することなく、物事を公平に進めようとすること」および「そのような態度・生き方」という意味を持つ四字熟語です。

公平無私は、「公平」と「無私」という 2つの熟語から成り立っています。「公平」は、「判断や処理などがかたよらずに平等に扱うこと」という意味です。「無私」は、「自分の利益や欲がないこと」や「個人的な感情に左右されることがないこと」を指します。

「公平無私」の使い方

  1. 情が湧くのは当たり前であり、公平無私な判断をするのはとても難しいことだ。

「公平無私」の由来

出典は『韓詩外伝(かんしがいでん) 七』からです。『韓詩外伝』は中国、漢の時代(紀元前208年から紀元8年、年から220年)の韓嬰(かんえい)が『詩経(しきょう)』解説書のことで、全10巻で構成されています。

『詩経』は、中国周の時代(紀元前1064年から紀元前256年)に作られた最古の詩篇です。『韓詩外伝 七』は、雑多な故事や説話をあげ、それらを『詩経』の詩句で説明したものです。詩句の解釈を主とした注釈書とは異なります。

 

公平無私は、「中国の古代の高官である祁黄羊(ぎおうよう)が、重要な職にはその人が適任と思われれば、自分の仇(かたき)や身内であっても任命し、周囲の者の批判をも恐れなかった」という説話の部分で登場します。

正直者順道而行、
(正直なる者は、道に順(したが)ひて行ひ)

順理而言、
(理に順ひて言ひ)

公平無私
(公平にして私無し)

現代語訳は、「正直な者は、道理に従って行動し、理論に逆らわずものを言い、公平で私心がない」です。

ここから、公平無私は「自分の利益や主観・感情にとらわれて判断することなく、物事を公平に進めようとすること」および「そのような態度・生き方」という意味で用いられるようになりました。

「公平無私」の類義語

公平無私には以下のような類義語があります。

  • 厳正中立(げんせいちゅうりつ):厳格に構成な立場を守り、誰にもかたよらないこと
  • 是是非非(ぜぜひひ):良いことは良い、悪いことは悪いと認め、公平な立場で判断すること
  • 無私無偏(むしむへん):自分の利益だけを求めるのではなく、公平であること
  • 公明正大(こうめいせいだい):公平でやましいところがなく、正しく立派であること
  • 不偏不党(ふへんふとう):どちらにも味方せず、偏らないこと
  • 機会均等(きかいきんとう):差別なく、皆に同じ機会を与えること
  • 一視同仁(いっしどうじん):すべての人を平等に愛し、差別しないこと

「公平無私」の対義語

公平無私には以下のような対義語があります。

「公平無私」の英語訳

公平無私を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • fair and disinterested
    (公平で自分の利益だけを求めない)
  • without bias and without favor
    (偏見も依怙贔屓もない)
  • fair and square
    (公平である)

まとめ

以上、この記事では「公平無私」について解説しました。

読み方公平無私(こうへいむし)
意味自分の利益などにとらわれて判断することなく、公平にすること。そのような態度・生き方。
由来「韓詩外伝」七
類義語厳正中立、是是非非、無私無偏など
対義語依怙贔屓
英語訳fair and disinterested(公平で自分の利益だけを求めない)など

公平無私に物事を判断することはとても難しいことです。感情論だけでなく、論理的に考えられるとよいですね。