今回ご紹介する言葉は、ことわざの「鳶が鷹を生む(とびがたかをうむ)」です。
言葉の意味、使い方、由来、類義語、対義語、英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「鳶が鷹を生む」をざっくり言うと……
読み方 | 鳶が鷹を生む(とびがたかをうむ) |
---|---|
意味 | 平凡な、ごく普通の親が優れた子供を産むことのたとえ |
由来 | 貴族の遊びの狩りに鷹が使われた理由が転じて、「鳶が鷹を生む」になった |
類義語 | 烏の白糞、鳶が孔雀を生む、百舌が鷹を生むなど |
対義語 | 瓜の蔓に茄子はならぬ、燕雀鳳を生まず、この親にしてこの子ありなど |
英語訳 | A black hen lays a white egg.(黒い雌鳥が白い卵を産む) |
このページの目次
「鳶が鷹を生む」の意味をスッキリ理解!
「鳶が鷹を生む」の意味を詳しく
「鳶が鷹を生む」は、平凡な、ごく普通の親が優れた子供を産むことのたえです。
このことわざに登場する鳶と鷹は、同じタカ目タカ科の鳥です。一番わかりやすい違いは、体の大きさが、鳶より鷹が大きいことです。
その見た目のイメージから、鷹が鳶より優れているイメージがついたと言われています。
このことわざでは、平凡な人が鳶に、優れた人が鷹にたとえられています。
「鳶が鷹を生む」の使い方
- 親の最終学歴が高校卒業なのに、子供が東大に進学なんて想像もできなかった。鳶が鷹を生むとはまさにこのことだ。
- 私と主人の間に、こんな美形な子供が生まれると思わなかった。我ながら鳶が鷹を生んだと思う。
「鳶が鷹を生む」の由来
前述のように、「鳶が鷹を生む」は、鳶が平凡な人のたとえ、鷹が優れた人のたとえとして表現されていることわざです。
では、何故、孔雀やワシ、鳳凰(ほうおう)のような他の鳥ではなく、「鳶」と「鷹」なのでしょうか。
諸説ありますが、もっとも有力な説として、鷹狩りの風習が関係していると言われています。
鷹狩りは、生活のための狩猟ではなく、貴族の遊びの一つでした。
この時、様々な鳥を捕獲するために、選んだ鳥が鷹だったのです。鳶は同じタカ目タカ科ですが、体重が軽く、狩猟に向かなかったと言われています。
このような貴族の遊びの狩りに鷹が使われたことが由来の1つとなり、「鳶が鷹を生む」は、平凡な、ごく普通の親が優れた子供を産むことのたとえととして使用されるようになりました。
「鳶が鷹を生む」の類義語
鳶が鷹を生むには以下のような類義語があります。
- 烏の白糞(からすのしろふん):親に似ない優秀な子供は生まれないことの例え
- 鳶が孔雀(くじゃく)を生む:非凡なものから優れたものが生まれることの例え
- 百舌(もず)が鷹を生む:非凡なものから優れたものが生まれることの例え
- 出藍の誉れ(しゅつらんのほまれ):弟子が師匠の技術や能力を超えることの例え
「鳶が鷹を生む」の対義語
鳶が鷹を生むには以下のような対義語があります。
- 瓜の蔓に茄子はならぬ(うりのつるになすびはならぬ):平凡な親から非凡な子は生まれないという意味
- 燕雀鳳を生まず(えんじゃくほうをうまず):平凡な親から非凡な子供は生まれないという意味
- 蛙(かえる)の子は蛙:何事も親に似ることの例え
- 狐の子は面白(きつねのこはつらじろ):子供は親に似るという意味
- この親にしてこの子あり:親の性質を子供は受け継ぐものであるという意味
- 親も親なら子も子:親と子供は良いところも悪いこともよく似るということ
「鳶が鷹を生む」の英語訳
鳶が鷹を生むを英語に訳すと、次のような表現になります。
- A black hen lays a white egg.
(黒い雌鳥が白い卵を産む)
まとめ
以上、この記事では「鳶が鷹を生む」について解説しました。
読み方 | 鳶が鷹を生む(とびがたかをうむ) |
---|---|
意味 | 平凡な、ごく普通の親が優れた子供を産むことのたとえ |
由来 | 貴族の遊びの狩りに鷹が使われた理由が転じて、「鳶が鷹を生む」になった |
類義語 | 烏の白糞、鳶が孔雀を生む、百舌が鷹を生むなど |
対義語 | 瓜の蔓に茄子はならぬ、燕雀鳳を生まず、この親にしてこの子ありなど |
英語訳 | A black hen lays a white egg.(黒い雌鳥が白い卵を産む) |
鳶が鷹を生むのは、他人からの評価ですが、自己評価でそう思えるほど成長してみたいものですね。