「研鑽」の意味とは?読み方は?使い方から類語まで例文付きで解説

Side view of young businessman with binoculars standing on pile of books. Vision and education concept
言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「研鑽(けんさん)」です。

言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「研鑽」をざっくり言うと……

読み方研鑽(けんさん)
意味学問や物事を深く追求すること
類義語探究、修練、切磋琢磨など
対義語怠慢、無為徒食、怠惰など
英語訳devote oneself to one’s study (一心に勉強する、研究に打ち込む)
make a profound study of 〜 (〜を徹底的に研究する)
self-improvement (自己研鑽)

「研鑽」の意味をスッキリ理解!

研鑽(けんさん):学問や物事を深く追求すること

「研鑽」の意味を詳しく

「研鑽」とは、学問や物事を深く追求することです。「研鑽」は「研」と「鑽」の2つの漢字からなる熟語です。

「研」の「物事の道理をきわめる」と「鑽」の「物事を深くきわめる」という似た意味を持つ漢字が合わさり、「物事の道理を深くきわめる」という意味になりました。

そこから「技術や能力を磨き上げる」「物事に懸命に取り組む」といった意味合いでも使われるようになりました。

「研」の意味

「研」は、「みがく」「とぐ」「物事の道理をきわめる」といった意味があります。

「みがく」「とぐ」の意味では「研磨」などの熟語で使われており、「きわめる」の意味では「研究」などの熟語で使われています。

「鑽」の意味

「鑽」は「穴をあける、うがつ」「物事を深くきわめる」といった意味があります。

つくりが「賛成」の「賛」に似ていますが、「鑚」は「鑽」の異体字です。

「研鑽」の「鑽」では、「先」を2つ並べた「兟(しん)」の下に「貝」と書くので注意しましょう。

「研鑽」の使い方

  1. 医療の発展に貢献するため、日夜研鑽を積む。
  2. 英会話を毎日聞いて、英語の語学力の研鑽に励んでいる。
  3. 週末はキャリアアップのための自己研鑽に努める。

上記の例文のように、「研鑽」は能動的に何かに向けて、熱心に取り組む姿勢や行動を表現するときに使われます。

「積む」「重ねる」「努める」などコツコツと着実に続ける意味を持つ言葉と一緒に用いられます。

「研鑽」を使うときの注意点

「研鑽」は、熱心に努力をして、高みを目指すことを表します。ただし、その努力を始めたばかりの初心者は、あまり使わない方が良い言葉です。

「研鑽」は、高いレベルに到達するべく、努力を重ねることを表します。

このため、何かを始めたばかりの初心者が「研鑽する」「研鑽した」などと言うと、「まだ基礎的なことも身についていないのにも関わらず、すでに物事を深く追求していて、頂点を目指している」ということになり、少しおこがましい印象になってしまうのです。

それほどまでに「研鑽」は、非常に熱心な努力を表す言葉といえます。自分に対して「研鑽」を使うときには、謙虚な気持ちを忘れないようにしましょう。

「自己研鑽」の意味を詳しく

「自己研鑽」とは学問を深く追求するために自分を磨くこと・究めるために自分で努めることです。

特定の専門分野を高めることだけでなく、いろいろな経験を積むことも自己研鑽に含まれます。

「自己研鑽」と「自己啓発」の違い

「自己研鑽」と似ている言葉に「自己啓発」があります。

「自己啓発」とは、自己を人間としてより高い知性や理解を身につけられるよう、精神的な成長を目指すことです。

「研鑽」はその行動に重きを置いていますが、「啓発」は自分では気づかないような点を教え、意識を変えることを重視しているところが異なります。

「研鑽」の類義語

研鑽には以下のような類義語があります。

  • 探求:物事の真の姿を明らかにし、見極めようとすること。
  • 修練:精神や技能を磨き鍛えること。修錬とも書く。
  • 切磋琢磨:仲間と励まし合い、学問や技能、人格の向上に努めること。
  • 練磨(れんま):技術や学問の力を磨くこと。
  • 研磨:技術や学問の力を磨くこと。
  • 鍛錬:厳しい訓練をして、心身の能力を鍛え上げること。
  • 習熟:あることに十分に慣れ、習得すること。
  • 篤学(とくがく):学問に熱心に取り組むこと。
  • 修行:心身を鍛え上げること。
  • 精進:懸命に努力をすること。
  • 邁進:目標に向かって突き進むこと。
  • 精励:勉強や仕事に懸命に取り組むこと。
  • 努力:目標のために力を尽くすこと。

「研鑽」と「練磨」の違い

「研鑽」と「錬磨」はどちらも、能力を高めることを表す言葉です。

ただし、「能力を磨いた結果も表すことができるか」という点において、以下のような違いがあります。

  • 研鑽:能力を磨き上げた結果、努力を始める前よりも大きく成長できたことを表す
  • 練磨:単に鍛え上げることを指し、結果は含まれない

「研鑽」の対義語

研鑽には以下のような対義語があります。

  • 怠慢(たいまん):仕事などをおこたること。
  • 無為徒食(むいとしょく):何もせずに遊び暮らすこと
  • 怠惰(たいだ):だらしない様子
  • 不精(ぶしょう):行動を面倒くさがること。「無精」とも書く

「研鑽」の英語訳

「研鑽」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • devote oneself to one’s study
    (一心に勉強する、研究に打ち込む)
  • make a profound study of 〜
    (〜を徹底的に研究する)
  • self-improvement
    (自己研鑽)
  • diligent study
    (勤勉な研究)

“devote oneself to 〜” “make a profound study of 〜”の意味

“devote oneself to 〜” で「〜に身を捧げる」「〜に専念・没頭・熱中する」という意味です。また、“make a profound study of 〜” は、何かを徹底的に研究することを表します。

これら2つの英語表現に使われている “profound” と “study” には、以下のような意味があります。

  • profound:徹底的な。または、(学問などへの知見が)深い
  • study:勉強・学問・研究

“self-improvement” の意味

“self-improvement” は、直訳すると「自己の改善」です。

自己研鑽の意味だけでなく自己啓発など、自分自身を向上したり、意識の改善を目指したりすること全般を指します。

“diligent study” の意味

“diligent study” は、直訳すると「勤勉な研究」です。“diligent” は、「勤勉な、入念な」という意味をもつ形容詞です。

自然な和訳をすると「研鑽」そのものになります。つまり、学問や物事を深く追求することを表すのです。

まとめ

以上、この記事では「研鑽」について解説しました。

読み方研鑽(けんさん)
意味学問や物事を深く追求すること
類義語探究、修練、切磋琢磨など
対義語怠慢、無為徒食、怠惰など
英語訳devote oneself to one’s study (一心に勉強する、研究に打ち込む)
make a profound study of 〜 (〜を徹底的に研究する)
self-improvement (自己研鑽)

漢字で書くと難しい「研鑽」という熟語ですが、ビジネス用語としてよく使われる言葉です。

言葉の正しい意味を理解して日常で活用できるよう、研鑽を怠らないようにしていきたいですね。