「瓢箪から駒が出る」の意味とは?英語や対義語や類義語まで例文付きで

言葉

今回ご紹介する言葉は、ことわざの「瓢箪(ひょうたん)から駒(こま)が出る」です。

言葉の意味・使い方・由来・類義語・対義語・英語訳・中国語についてわかりやすく解説します。

☆「瓢箪から駒が出る」をざっくり言うと……

読み方瓢箪(ひょうたん)から駒(こま)が出る
意味予期せぬことや、あり得ないことが起こること
由来一説では、舌切り雀の物語の米が出てくる瓢箪から
類義語嘘から出たまこと、虚は実を引く、灰吹きから蛇が出る、など
対義語瓢箪から駒が出でず、雨の降る日は天気が悪い、犬が西向きゃ尾は東、など
英語訳Mows may come to earnest.(冗談が本当になることがある。)など

「瓢箪から駒が出る」の意味をスッキリ理解!

瓢箪(ひょうたん)から駒(こま)が出る:予期せぬことや、あり得ないことが起こること

「瓢箪から駒が出る」の意味を詳しく

「瓢箪(ひょうたん)から駒(こま)が出(で)る」には以下のような3つの意味があります。

「瓢箪から駒が出る」の意味
  1. 予期せぬことが起こること
  2. ありえないことが起こること
  3. 冗談や間違いで言っていたことが現実になること

略して「瓢箪から駒」と表記されることもあります。

瓢箪とは、果実の真ん中が細くなっていて、容器のような形をした、ツル科の植物です。

▲瓢箪

果実の苦みが強く、食用には適しません。

しかし、果実が熟すと皮が固くなるので、水や酒を入れる容器として使われていました。

一方、とは馬のことを指します。

 

一般的な常識では、瓢箪の小さな口から馬が出てくるとは考えられません。

このことから、「瓢箪から駒が出る」は確率の低いことや予想だにしないことが起こるという意味になりました。

「瓢箪から駒が出る」の使い方

  1. たまたま拾った宝くじが当選するなんて、まさに瓢箪から駒が出るようなできことだ。
  2. 絵を描くのが趣味なので、ハロウィン衣装のデザイン画コンテストに応募した。数か月後、瓢箪から駒が出て、自分がデザインした衣装が商品化することが決まった。
  3. 飛行機が嫌いな叔父が海外に行くなんて、瓢箪から駒が出るような話だ。
  4. 最初は冗談でスタンフォード大学に行くと言っていたが、まさか本当に通うことになるなんて、瓢箪から駒が出る話だ。

①・②・③の例文は、「起こる確率が非常に低いことが、現実になる」という意味で使用しています。

一方、④の例文は、「最初は冗談で言っていたことが、結果的に現実になる」という意味で使用しています。

予想の範囲内の出来事に使うのは誤り

「瓢箪から駒が出る」を予想できる事柄に使うのは誤りなので注意しましょう。

誰も予想できないような事態が起こった時にだけ用いるようにしましょう。

たとえば、「いつも以上に勉強をして試験に臨んだらいつもより高得点が取れた。瓢箪から駒だ」とは言えません。

「瓢箪から駒が出る」の由来

「瓢箪から駒が出る」は『上方(京都)いろはかるた』に掲載されている句のひとつです。

「瓢箪から駒が出る」の由来には以下の2つの有力な説があります。

  • 「米がとめどなく出てくる瓢箪」が由来説
  • 張果老の伝説が由来説

それぞれの説について詳しく見ていきましょう。

「米がとめどなく出てくる瓢箪」が由来説

「瓢箪から駒が出る」の説の1つ目は「米がとめどなく出てくる瓢箪」が由来という説です。

『宇治拾遺物語(うじしゅういものがたり)』には舌切り雀の話が出てきます。

舌切り雀の話では、「米がとめどなく出てくる瓢箪」が出てきます。

「米」がいつしか「駒」に変わり、「瓢箪から駒が出る」という表現になったと考えられています。

張果老の伝説が由来説

「瓢箪から駒が出る」の説の2つ目は張果老(ちょうかろう)の伝説が由来という説です。

2つ目は、中国の仙人の張果老(ちょうかろう)の伝説を由来とする説です。

張果老は旅の途中で休憩する時には、乗っていたロバを瓢箪に収納するとされていました。

日本に伝説が伝わると、室町時代には、瓢箪から馬が出てくる絵が描かれるようになり、「瓢箪から駒が出る」という言葉が使われるようになりました。

「瓢箪から駒が出る」の類義語

「瓢箪から駒が出る」には以下のような類義語があります。

  • 嘘から出たまこと:嘘だったことが本当に起こること
  • 虚は実(じつ)を引く:最初は嘘だったが、結果的に現実になること
  • 灰吹(はいふ)きから蛇(じゃ)が出る:考えられないようなことが起こること
  • 灰吹(はいふ)きから竜が上る:考えられないようなことが起こること
  • 冗談から駒(じょうだんからこま):冗談で言ったことが本当に起こること
  • 根もない嘘から芽が生える:嘘だったものがだんだん本当になってしまうこと
  • 棚から牡丹餅(ぼたもち):思いがけない幸運が舞い込んでくること
  • 藪(やぶ)から棒(ぼう):唐突に予想してなかったことが起こること
  • 青天の霹靂(せいてんのへきれき):予想できないことが突然起こる様子
  • 寝耳に水(ねみみにみず):思いがけない出来事に驚くこと

「棚から牡丹餅」と「瓢箪から駒が出る」の違い

「棚から牡丹餅」は「思いがけない幸運が舞い込む」という意味のことわざです。

「瓢箪から駒が出る」と「棚から牡丹餅」には以下のような違いがあります。

  • 瓢箪から駒が出る:思いがけないこと全般を指す
  • 棚から牡丹餅:思いがけない幸運を指す

「棚から牡丹餅」は「瓢箪から駒が出る」と比べて指す範囲が狭いのです。

「藪から棒」と「瓢箪から駒が出る」の違い

「藪から棒」は「唐突に予想してなかったことが起こる」という意味です。

「瓢箪から駒が出る」と「藪から棒」には以下のような違いがあります。

  • 瓢箪から駒が出る:予想してなかったことが起こる
  • 藪から棒:唐突に予想してなかったことが起こる

「藪から棒」には「瓢箪から駒が出る」と違って「唐突」というニュアンスが含まれます

そのため、唐突でない場合は「瓢箪から駒が出る」しか使えません。

「嘘から出たまこと」と「瓢箪から駒が出る」の違い

「嘘から出たまこと」は「嘘として言ったことが結果として真実になること」という意味です。

「瓢箪から駒」と「嘘から出たまこと」には以下のような違いがあります。

  • 瓢箪から駒が出る:冗談で言ったこと現実になる
  • 嘘から出たまこと:嘘として言ったことが現実になる

「瓢箪から駒が出る」と「嘘から出たまこと」では、「冗談」か「嘘」かが異なるのです。

つまり、言ったことに相手を騙す意図があれば「嘘から出たまこと」が適切です。

一方、真実とは異なる発言でも、相手を騙す意図がない場合は「瓢箪から駒が出る」になります。

「瓢箪から駒が出る」の対義語

「瓢箪から駒が出る」には以下のような対義語があります。

  • 瓢箪(ひょうたん)から駒(こま)も出(い)でず:予想通りであること
  • 雨の降る日は天気が悪い:ごく当たり前であること
  • 犬が西向きゃ尾は東:当たり前すぎるほど当たり前であること
  • 北に近ければ南に遠い:当たり前であること
  • 柳は緑 花は紅(やなぎはみどり はなはくれない):自然のままであること
  • 雉子(ぎし)のめんどりゃ女鳥(おんなどり):疑う余地もないほど当たり前のこと
  • 親父(おやじ)は俺より年が上:どうにでもならないほど当たり前であること

「瓢箪から駒が出る」の英語訳

「瓢箪から駒が出る」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • Mows may come to earnest.
    (冗談が本当になることがある。)
  • Unexpect things often happen.
    (予期せぬことは、しばしば起こる。)
  • something unexpected thing has happened
    (予想してなかったことが起こる)
  • It meant be a joke, but it turned out to be true
    (冗談のつもりで言ったことが真実になる)

「瓢箪から駒が出る」の中国語

「瓢箪から駒が出る」を中国語にすると以下のような表現になります。

弄假成真(ピンイン:nòng jiǎ chéng zhēn)

「弄假成真」は「嘘が本当になる」という意味です。

まとめ

以上、この記事では「瓢箪から駒が出る」について解説しました。

読み方瓢箪(ひょうたん)から駒(こま)が出る
意味予期せぬことや、あり得ないことが起こること
由来一説では、舌切り雀の物語の米が出てくる瓢箪から
類義語嘘から出たまこと、虚は実を引く、灰吹きから蛇が出る、など
対義語瓢箪から駒が出でず、雨の降る日は天気が悪い、犬が西向きゃ尾は東、など
英語訳Mows may come to earnest.(冗談が本当になることがある。)など

「瓢箪から駒が出る」ような結果に結びつくこともあるので、何事も簡単に諦めずに継続したいですね。