故事成語「漁夫の利」とは?意味と使い方を例文付きでわかりやすく解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、故事成語の「漁夫の利(ぎょふのり)」です。

言葉の意味・使い方・由来・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

「漁夫の利」の意味をスッキリ理解!

漁夫の利(ぎょふのり):当事者同士が争っているすきに、第三者が利益を横取りすること

「漁夫の利」の意味を詳しく

「漁夫の利」は、「当事者同士が争っている間に、第三者が何の苦労もなく利益を得ること」です。

無益な争いをすることを皮肉った言葉でもあり、ビジネスや日常会話など、あらゆるシーンで使われます。「の」を漢字にして、「漁夫之利」とも書きます。また、稀に「漁父の利」と書くこともあります。

「漁夫の利」の使い方

  1. A社とB社の競争が落ち着いたころ、C社が漁夫の利を得るだろう。
  2. 漁夫の利になることを避けるために、こちらから折れることにした。
  3. 彼は、双方が疲労したころに出てきて漁夫の利を得るつもりだ。

「漁夫の利を得る」という風に使います。

「漁夫の利」の由来

「漁夫の利」は、中国戦国時代の言説や国策、逸話などをまとめた『戦国策』という書物に書かれた故事が由来となっています。

 

戦国時代、趙(ちょう)という国は燕(えん)という国を攻撃しようとしていました。そこで、燕の味方をしてた蘇代(そだい)という遊説家(外交の策士)は、趙の恵文王(けいぶんおう)のところに向かいます。そして、シギとハマグリの争いの話をしました。シギとは、鳥の一種のことです。

「来る途中に通った川で、ハマグリの身をシギがついばんでいました。ハマグリはシギのくちばしを挟みこみます。シギは、『今日も明日も雨が降らなければ、お前は死んでしまうだろう』と言いました。ハマグリはそれを受けて『そっちこそ、このままなら死んでしまうだろう』と言い返しました。

シギとハマグリは一歩も譲らず、こう着状態になりました。そこへ1人の漁師がやって来ます。漁師はにらみ合っているシギとハマグリを見ると、その両方を捕まえてしまいました。

今、趙は燕を攻撃しようとしています。しかし、燕と趙が争って国民が疲れてしまえば、強国の秦(しん)が趙と燕の両方の国を滅ぼしてしまうかもしれません。燕を攻め込むことに関して、もう一度考えて下さい」

 

蘇代の話を聞いた趙の王は、燕を攻めることをやめました。蘇代は、シギを趙に、ハマグリを燕にたとえて趙の王を説得したのでした。この話が元になって「漁夫の利」という言葉が生まれました。

「漁夫の利」の類義語

「漁夫の利」には以下のような類義語があります。

  • 鷸蚌之争(いつぼうのあらそい):両者が争っている間に、全く関係のないものが苦労せずに利益を奪っていくこと
  • 一挙両得(いっきょりょうとく):1つの行動で2つの利益を得ること
  • 漁人之利(ぎょじんのり):当事者が争っているすきに、第三者が利益を横取りすること
  • 犬兎之争(けんとのあらそい):不要の争いをして第三者に利益を与えること
  • 一石二鳥(いっせきにちょう):1つの行為で同時に2つの利益を得ること
  • 田父之功(でんぷのこう):弱い者同士が争って共倒れしたことに乗じて、第三者が利益を得ること

「漁夫の利」の対義語

「漁夫の利」には以下のような対義語があります。

「漁夫の利」の英語訳

「漁夫の利」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • profiting while others fight
    (他が争っている間に利益を得ること)

まとめ

以上、この記事では「漁夫の利」について解説しました。

読み方漁夫の利(ぎょふのり)
意味当事者同士が争っているすきに、第三者が利益を横取りすること
由来シギとハマグリが争っていることを利用して、漁夫が両方ともつかまえたという故事
類義語鷸蚌之争、一挙両得、漁人之利など
対義語二兎追うものは一兎をも得ず、虻蜂とらず
英語訳profiting while others fight(他が争っている間に利益を得る)

「漁夫の利」はさまざまなシーンで使われる言葉なので、使い方をしっかりマスターしましょう。