四字熟語「一石二鳥(いっせきにちょう)」の意味と使い方:例文付き

言葉

一石二鳥とは「ひとつのことをして、2つの利益を得ること」という意味です。

一石二鳥の意味を子供に説明したくても、簡単そうで難しいですよね。

実は、イギリスのことわざを日本語に訳した四字熟語なのです。

この記事では、一石二鳥の意味や使い方を詳しく解説します。

「一石二鳥」の意味

一石二鳥いっせきにちょう

ひとつのことをして、2つの利益を得ること

一石二鳥は、「ひとつの行為によって、2つの利益を得ること」という意味です。

一石二鳥は、以下の2語から成り立っています。

  • 一石
    一つの石を投げること
  • 二鳥
    2羽の鳥を撃ち落とすこと

つまり、「一つの石を投げることで、2羽の鳥を撃ち落とすこと」を表します。

3つ以上の利益が得られる場合は、利益の数に応じて、以下のような造語が使われることもあります。

  • 一石三鳥(いっせきさんちょう)
    ひとつのことをして、3つの利益を得ること
  • 一石四鳥(いっせきよんちょう)
    ひとつのことをして、4つの利益を得ること
一石を「いっこく」と読むのは誤り

石という字は、「こく」とも読みます。

石(こく)は、質量の単位として使われていました。

しかし、一石二鳥の一石は「いっこく」と読みませんので注意しましょう。

「一石二鳥」の使い方

一石二鳥は、名詞として使います。

例文を見てみましょう。

例文
  1. 健康のために早寝早起きを始めた結果、余裕を持って登校できて、昼間眠くなることもなくなり一石二鳥だ。
  2. 気分転換に髪の毛を切ったら、涼しいうえに髪の毛を乾かす時間も減り一石二鳥だ。
  3. 自動車よりも自転車で移動した方が、ガソリン代が浮き、環境にも優しいため一石二鳥だ。
  4. 一石一鳥がよろしい、それで十分だ。たとへ一石二鳥三鳥があつたとしても。
    [出典:種田山頭火『其中日記 (十三の続)』]
  5. (前略)あの地方にはなお、黄巾(こうきん)の残党どもが多くいますが、その草賊(そうぞく)を討って、賊の糧食(りょうしょく)を奪い、味方の兵を肥やしてゆけば、朝廷に聞えもよく、百姓も歓迎しましょう。これが一石二鳥というものです
    [出典:吉川英治『三国志 群星の巻』]
  6. 留守番をおいて田畑をつくらせ、鶏を飼い、戦争中の栄養補給基地に用いるという一石二鳥の作戦でもあった。
    [出典:坂口安吾『水鳥亭』]
正確には「偶然得た2つの利益」のみに使う

一石二鳥は、ひとつのことをした結果、偶然2つの利益を得ることを表します。

そのため、2つの利益を得ることを目的としてひとつのことをした結果、2つの利益を得る場合は、正確には一石二鳥ではありません。

ただし、日常会話で使う時には「2つの利益を得ること」という結果が重視される傾向があるため、最初から2つの利益を目的としている場合にもよく使われます。

「一石二鳥」の由来

一石二鳥の由来は、17世紀から使われているイギリスのことわざ “kill two birds with one stone” です

以下の英語は、表現が異なるだけで全て同じ意味のことわざです。

  • kill two birds with one stone.
  • To kill two birds with one stone.
  • Killing two birds with one stone.

上記の英語は、全て「ひとつの石で2羽の鳥を殺す」という意味です。

明治時代、日本で英語教育が本格化した頃から一石二鳥と訳されて使われるようになりました。

「一石二鳥」の類義語

一石二鳥には以下のような類義語があります。

  • 一挙両得(いっきょりょうとく)
    ひとつのことをして、2つの利益を得ること
  • 一挙両全(いっきょりょうぜん)
    ひとつのことをして、2つの利益を得ること
  • 一箭双雕(いっせんそうちょう)
    ひとつのことをして、2つの利益を得ること
  • 一挙双擒(いっきょそうきん)
    ひとつのことをして、2つの利益を得ること
  • 一発双貫(いっぱつそうかん)
    ひとつのことをして、2つの利益を得ること
  • 1粒で2度おいしい
    ひとつのことをして、2つの利益を得ること
    ※江崎グリコのキャラメル「アーモンドグリコ」のキャッチコピー

「一石二鳥」と「一挙両得」の違い

一石二鳥と一挙両得はどちらも「ひとつのことをして、2つの利益を得ること」という意味ですが、以下のように由来が異なります

  • 一石二鳥
    イギリスのことわざに由来
  • 一挙両得
    中国の故事『戦国策』に由来
    ※初出:中国の歴史書『晋書(しんじょ)』

一石二鳥は、イギリスのことわざが由来であるとされています。

一方、一挙両得は、中国の故事『戦国策』に出てくる一挙両附という言葉が由来であるとされています。

一挙両附が一挙両得に変化して、中国の歴史書『晋書』の中の話に使われています。

「一石二鳥」と「一箭双雕」の違い

一石二鳥と一箭双雕はどちらも「ひとつのことをして、2つの利益を得ること」という意味をもちますが、以下のような違いがあります。

一石二鳥一箭双雕
利益石で鳥を落とす矢で鷹を落とす
由来イギリスのことわざ中国の歴史書『北史』「長孫晟伝(ちょうそんせいでん)」

一石二鳥と一箭双雕は、由来と、何で何を落としたのかが異なります

一石二鳥はイギリスのことわざが由来ですが、一箭双雕は中国の歴史書が由来です。

一石二鳥は、一個の石で2羽の鳥を落とすことを表します。

一方、一箭双雕は、一本の矢で2羽の鷹を落とすことを表します。

「1粒で2度おいしい」を詳しく

「1粒で2度おいしい」は、江崎グリコのキャラメル「アーモンドグリコ」のキャッチコピーです

アーモンドグリコは、グリコというキャラメルの中にアーモンドが入っているお菓子です。

↑アーモンドグリコ
[出典:Amazon]

1粒でキャラメルとアーモンドの2つの味が楽しめるため、このキャッチコピーが生まれました。

ことわざや慣用句ではありませんが、一石二鳥と同じ意味で使われることも多いです。

「一石二鳥」の対義語

一石二鳥には以下のような対義語があります。

  • 一挙両失(いっきょりょうしつ)
    ひとつの行動によって、2つの損をすること
  • 虻蜂取らず(あぶはちとらず)
    2つのものを同時に得ようとして、結局どちらも得られないこと
  • 二兎(にと)を追う者は一兎(いっと)をも得ず
    2つのものを同時に得ようとして、結局どちらも得られないこと
  • 一も取らず二も取らず
    2つのものを同時に得ようとして、結局どちらも得られないこと
  • 花も折らず実も取らず
    2つのものを同時に得ようとして、結局どちらも得られないこと
  • 欲の熊鷹股裂くる(よくのくまたかまたさくる)
    欲深いと良くないことが身に起こる
  • 欲す鷹は爪落とす(ほすたかはつめおとす)
    欲深いと良くないことが身に起こる

「一石二鳥」の英語訳

一石二鳥を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • That is two birds with one stone.
    (それは一石二鳥だ)
  • serve a dual purpose
    (2つの目的を果たす)

すでに解説したとおり、一石二鳥はイギリスのことわざ “kill two birds with one stone” に由来します。

しかし、日常会話では、ことわざをそのまま使うことはほとんどありません。

自然な言い回しにするために、由来から “kill” の部分を省略することが多いです。

「一石二鳥」の中国語訳・韓国語訳

英語に限らず、一石二鳥を表す言葉は世界中にあります。

それぞれの言語での一石二鳥には、以下のようなものがあります。

言語
表現
意味
中国語一石二鸟
※一石二鳥でも通じる
一石二鳥
韓国語배 먹고 이 닦기梨を食べて歯を磨く

韓国語の “배 먹고 이 닦기” は、梨を食べることで満腹にもなり、歯も綺麗になることから、「ひとつのことをして、2つの利益を得ること」という意味になりました。

「一石二鳥」のまとめ

以上、この記事では一石二鳥について解説しました。

読み方一石二鳥(いっせきにちょう)
意味ひとつのことをして、2つの利益を得ること
由来イギリスのことわざ
類義語一挙両得
一挙両全
一箭双雕 など
対義語一挙両失
虻蜂取らず
二兎を追う者は一兎をも得ず など
英語訳That is two birds with one stone.(それは一石二鳥だ)
serve a dual purpose(2つの目的を果たす)
中国語訳一石二鸟(一石二鳥)
韓国語訳배 먹고 이 닦기(梨を食べて歯を磨く)

四字熟語は、中国の歴史書などが由来となっている語が多いです。

しかし、一石二鳥は英語のことわざが由来であるため、珍しい四字熟語だといえるでしょう。