何かを正しく直すときに使われる「訂正」と「修正」。どちらでもよいと思う方もいるかもしれませんが、それぞれにニュアンスが異なるのです。
今回は「訂正」と「修正」の違いについて解説します。
結論:「修正」には改善のニュアンスがある
「訂正」をもっと詳しく
「訂正」は、間違っている箇所を正すことを指します。直す対象には必ず明確な間違いがあるという点が、のちに説明する「修正」との大きな違いです。
「訂」いには、文字や言葉の間違いを正すという意味があります。そのため、文章や字句など、客観的に見て間違いがあることが明らかな物に対して使われます。
また、「訂正」を自分に対して用いるか、それとも相手に対して用いるかで意味合いが変わってきます。
自分が何か間違いをした場合に「訂正します」と言うと、素直に自分の間違いを認めている謙虚さが相手に伝わります。ただ、相手が間違いをした場合に「訂正してください」と言うと、間違いを厳しくつつくようなニュアンスになるため、高圧的な印象を与える可能性があります。
「訂正」の使い方の例
- 発言を訂正する。
- 誤字脱字を訂正する。
- 書類に誤りがあったため訂正した。
②では、「誤字脱字」が、その時に間違いだとわかるはずのものであるため、「訂正」を用いています。
「訂正」の英語訳
「訂正」を英語で言うと、以下のようになります。
- correction
(訂正) - correct
(誤りを正す)
- I have to make a correction to his name written on the list.
(リスト中の彼の名前を訂正しないといけない。) - I correct the sentences as soon as possible because there seems to be some factual errors.
(事実誤認が数か所あるとのことだったので、その文章をすぐに訂正します。)
「修正」をもっと詳しく
「修正」とは、間違っていたり不適当とされる部分を正しくすることを指します。「訂正」と違い、直す対象に明確な間違いが存在するとは限らず、また現状のものをより良くするというニュアンスが含まれます。「訂正」よりも広い意味を持った言葉と言えるでしょう。
そのため、文章や字句に限らず、考え方や方向性など、一定の時間が経ってから間違いだとわかるものを直す際に「修正」が使われます。
また、「修正」も、自分と相手のどちらに対して用いるかで意味合いが変わってきます。
相手の間違いを指摘する際に「修正」を用いると、ミスをつきつけるのではなく、より良くなるように助言をしている感じが相手に伝わります。一方、自分のミスに「修正」を用いると、「ミスではあるが故意ではなかった」という言い訳がましいニュアンスになることもあります。注意しましょう。
「修正」の使い方の例
- 軌道を修正する。
- 以前に立てた予定を修正する。
- 書類に間違いがありました。該当箇所の修正をお願いします。
②の「予定」も、立てた当初はそれが妥当だと考えられているものですが、状況が変わると手直しが必要になることもあり得ます。その手直しとはつまり「修正」です。
③は相手の方に間違いを指摘しているので「修正」を用いています。
「修正」の英語訳
「修正」を英語で言うと、以下のようになります。
- revision
(修正) - revise
(修正する)
それぞれを用いた例文は以下の通りです。
- i want to ask you the revision of that schedule.
(スケジュールの訂正をあなたにお願いしたいです。) - We required our teacher to revise the explanation about English grammar because it was difficult for us.
(英文法についての説明が難しかったため、先生に修正を求めた。)
まとめ
以上、この記事では、「訂正」と「修正」の違いについて解説しました。
- 訂正:確実に間違っている点を正すこと。
- 修正:間違いや不十分な点をより良くすること。