「協力同心」の意味とは?読み方は?由来から英文までわかりやすく

言葉

今回ご紹介する言葉は、「故事成語」の「協力同心(きょうりょくどうしん) 」です。

言葉の意味、使い方、由来、類義語、対義語、英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「協力同心」をざっくり言うと……

読み方協力同心(きょうりょくどうしん)
意味力と心を一つにし、みんなで共通の目標に取り組むこと。
由来『三国志演義』
類義語一致団結、二人三脚など
対義語孤軍奮闘(こぐんふんとう)
英語訳cooperation concentric

「協力同心」の意味をスッキリ理解!

協力同心(きょうりょくどうしん) :力と心を一つにし、みんなで共通の目標に取り組むこと。

「協力同心」の意味を詳しく

「協力同心」とは、「組織やグループのメンバーが力と心を一つにまとめて、同じ目標に取り組んでいくこと」という意味を表す「故事成語」です。

前半の「協力」が力を合わせることを表し、後半の「同心」が心を合わせることを表しています。

 

サッカーなどのチーム競技の部活動をしている人の場合、普段から「協力同心」して取り組んでいることになります。

仮に学生時代に部活動に入っていなかったとしても、文化祭・体育祭などでクラスの人と「協力同心」した経験があるのではないでしょうか。

「協力同心」の使い方

「協力同心」は、具体的には以下のように使います。

  1. 全国大会で勝つためには、チームメンバー全員が協力同心する必要がある。
  2. 今度の文化祭を成功させるには、クラスの人全員と協力同心して準備しないといけない。
  3. このプロジェクトは難易度が高いので、同期全員と協力同心して取り組もうと考えている。

「協力同心」の由来

「協力同心」の故事成語の由来は、中国の明王朝時代に書かれた後漢末・三国時代(魏、蜀、呉)を舞台とする歴史小説『三国志演義(さんごくしえんぎ)』です。

三国志には、陳寿(ちんじゅ)が記した『三国志』と羅貫中(らかんちゅう)が記した『三国志演義』の2種類があります。

前者が史実を忠実にまとめているのに対し、後者は作者自身の創作などが入っており、「協力同心」は後者の『三国志演義』に由来があります。

 

「協力同心」は、『三国志演義』の序盤に登場する劉備(りゅうび)・関羽(かんう)・張飛(ちょうひ)の3人が、宴会にて義兄弟(長兄・劉備、次兄・関羽、弟・張飛)となる誓いを結び、生死を共にする宣言をしたことに語源があると考えられています。

これは俗にいう「桃園の誓い」のことであり、『三国志』を題材にした日本のアニメやゲームでは必ず登場するので、知っている方も多いのではないでしょうか。

 

なお、『三国志演義』での桃園の誓いの原文は以下の通りです。

「我ら三人、姓は違えども兄弟の契りを結びしからは、心を同じくして助け合い、困窮する者たちを救わん。上は国家に報い、下は民を安んずることを誓う。同年、同月、同日に生まれることを得ずとも、願わくば同年、同月、同日に死せん事を」

「協力同心」の類義語

協力同心には以下のような類義語があります。

「協力同心」という言葉はあまり使われませんが、類義語である「一致団結」や「二人三脚」は今でもよく使われますね。

「協力同心」の対義語

協力同心には以下のような対義語があります。

孤軍奮闘とは、「周りの助けを一切借りずに一人で行うこと」を意味する言葉です。

あくまでも一人で物事に取り組む「孤軍奮闘」と、みんなで力を合わせて取り組む「協力同心」とでは、全く正反対のことを意味しているといえるでしょう。

「協力同心」の英語訳

協力同心を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • cooperation concentric
    (協力同心)

協力同心は類義語が豊富なので、広く解釈すると英語訳も非常に多くなります。

 

しかし、「協力」という意味の名詞である “cooperation” に、「同心」という意味の形容詞が “concentric” 後ろからかかった “cooperation concentric” が最も自然な訳でしょう。

実際、Googleで「協力同心 英語」と調べると、真っ先に上がってくるのは “cooperation concentric” です。

まとめ

以上、この記事では「協力同心(きょうりょくどうしん) 」について解説しました。

読み方協力同心(きょうりょくどうしん)
意味力と心を一つにし、みんなで共通の目標に取り組むこと。
由来『三国志演義』
類義語一致団結、二人三脚など
対義語孤軍奮闘(こぐんふんとう)
英語訳cooperation concentric

物事に取り組むときには、なるべく一人で行わずに、周りの人の力も借りて「協力同心」の心意気で臨んでいきたいですね。