今回ご紹介する言葉は、熟語の「不毛(ふもう)」です。
言葉の意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「不毛」をざっくり言うと……
読み方 | 不毛(ふもう) |
---|---|
意味 | なにも得られないこと、土地がやせついて作物が育たない様子 |
語源 | 打消しを表す「不」と作物を表す「毛」の組み合わせ |
類義語 | 徒労、無意義、荒蕪など |
対義語 | 肥沃、豊潤、富饒など |
英語訳 | barren(不毛)・sterile(不毛)など |
「不毛」の意味をスッキリ理解!
「不毛」の意味を詳しく
「不毛」の意味は以下の二つです。
- なんの進歩も成果も得られないこと
- 土地がやせついて作物が育たないさま
そこから派生して、現在よく使われる「なんの進歩・成果も得られないこと」という意味が生まれました。
どちらも、基本的にマイナスな意味で使われます。
「不毛」の使い方
「不毛」の二つの意味それぞれで例文を見ていきます。
①の「なんの進歩も成果も得られないこと」という意味で使われる例文は以下の通りです。
- 切羽詰まっている状況でこのような不毛な戦いをすべきではない。
- 朝からずっとゴロゴロしている。なんて不毛な時間を過ごしてしまったんだ。
上記の例以外にも、「不毛な議論」や「不毛な努力」といった表現をすることもあります。
②の「土地がやせていて作物が育たない様子」の意味で使われる例文は以下の通りです。
- 山田さんの畑と比べると、こちらの畑は不毛だ。
- 肥料をまかないと、土地がどんどん不毛になってしまう。
「不毛」の語源
「不毛」を構成する漢字には、それぞれ以下のような意味があります。
- 不:打消しを意味する言葉
- 毛:作物・草木
そしてそこから派生し、「作物が育たない土地=何も得ることができないもの」と考えることから、今では不毛を「なんの進歩も成果も得られないこと」という意味で使うことが多いです。
「不毛」の類義語
不毛には以下のような類義語があります。
- 不作:作物の出来が悪いこと
- 荒蕪(こうぶ):土地が荒れており、作物が育たないこと
- 荒れ地:荒れたままになっている土地
- 荒野:荒れ果てた野原
- 荒漠(こうばく):荒れ果てて寂しいさま
「不毛」と「不作」の違い
「不作」とは、「人・作品・作物の出来が悪いこと」を意味します。「不作の年」「不作の結果」などと使います。
「不毛」と「不作」には以下のような違いがあります。
- 不毛:物事のプロセスに対して使われることが多い
- 不作:物事の結果に対して使われることが多い
また、「無駄」という意味で「不作」を用いることはできません。他にも、「不作」は「不作だった」と過去の文脈を振り返る際によく使用されます。
どちらも否定的な言葉ですが、ニュアンスが異なるので、混同しないように注意しましょう。
「不毛」の対義語
不毛には以下のような対義語があります。
- 充実:必要な物が十分に備わっている様子
- 有益:利益があること
- 豊富:豊かであること、ふんだんにあること
- 肥沃(ひよく):土地が肥えていること
- 豊沃(ほうよく):土地が肥えていて作物がよく実ること
- 豊潤(ほうじゅん):豊かで潤いがあること
- 富饒(ふじょう):豊かであること
- 豊饒(ほうじょう):土地が肥えていて作物がよく育つこと
「不毛」の英語訳
不毛を英語に訳すと、次のような表現になります。
- barren (不毛)
- sterile (不毛)
- waste (不毛、むだにする、衰えさせる)
- stark (不毛、貧弱な、平凡な)
- bare (不毛、やせた、想像力のない)
- wasteland (不毛の地)
荒野は「荒れ果てた土地」という意味のため、不毛の言い換えとして使うことができます。
まとめ
以上、この記事では「不毛」について解説しました。
読み方 | 不毛(ふもう) |
---|---|
意味 | なにも得られないこと、土地がやせついて作物が育たない様子 |
語源 | 打消しを表す「不」と作物を表す「毛」の組み合わせ |
類義語 | 徒労、無意義、荒蕪など |
対義語 | 肥沃、豊潤、富饒など |
英語訳 | barren(不毛)・sterile(不毛)など |
このように不毛には大きく分けて二つの意味があります。
実際に文章に出てきた際には、どちらの意味で使われているかを適切に判断して読むようにしましょう。