オルタナティブの意味は?投資や音楽、アニメにおける意味を解説!

言葉

オルタナティブとは「現在あるもののかわりになる新しい選択肢や代替案」という意味です。

オルタナティブは、非常に多くの分野で使われます。

そのため、ぜひ知っておきたい言葉ですが、マスターするのが難しくもあります。

この記事では、分野ごとに異なる複数の意味をわかりやすく解説していきます。

☆「オルタナティブ」をざっくり言うと……

英語表記オルタナティブ(alternare)
意味現在あるもののかわりになる新しい選択肢や代替案
語源「交代で行う」という意味のラテン語 “alternare”
類義語代替
カウンターカルチャーなど
対義語メイン
メジャーなど

「オルタナティブ」の意味

オルタナティブ

現在あるもののかわりになる新しい選択肢や代替案
例:オルタナティブな考え方だね。

オルタナティブは「現在あるもののかわりになる新しい選択肢」「代替案」という意味を持つ言葉です。

オルタナティブは、上記の意味から派生して以下の3つの意味としても使われるようになりました。

  1. 既存のものにとって代わるもの
  2. 主流でないもの
  3. 二者択一

それぞれの意味について詳しく見ていきましょう。

意味①:「既存のものにとって代わるもの」

オルタナティブのひとつ目の意味は、「既存のものにとって代わるもの」です。

すでにあるものの代わりとして新しく登場したものを表す言葉です。

形のあるものから、概念や考え方などの形のないものまでを含みます。

オルタナティブの具体例

たとえば、カメラ業界ではもともと、フィルムカメラが通常のカメラとして使われていました。

しかしその後、フィルムを使わないデジタルカメラが登場たのです。

ここで、デジタルカメラはフィルムカメラのオルタナティブであったと言えます。

意味②:「主流でないもの」

オルタナティブの2つ目の意味は「主流でないもの」です。

文化や考え方、技術、方法などのあらゆる分野のなかで、その時代の主流ではないものやマジョリティではないものを表すために使われます。

より具体的に、以下のような2つの文化を指す意味で使われることもあります。

  • サブカルチャー
    ある文化の、支配的・中心的文化ではない一部の人々を担い手にする文化
  • カウンターカルチャー
    価値観や行動規範が主流の文化とは異なる文化

サブカルチャーやカウンターカルチャーは、日本におけるアニメや漫画などのヲタク文化が含まれます。

サブカルチャーはカウンターカルチャーの一種です。

意味③:「二者択一」

オルタナティブの3つ目の意味は「二者択一」です。

二者択一とは、「2つのうちからどちらか一方だけを選び取ること」という意味の言葉です。

オルタナティブの表記

オルタナティブは、英単語をカタカナ語表記した言葉です。

そのため、「オルタナティヴ」「オルターナティブ」「オルタネイティブ」などの形で表記されることがあります。

また、「オルタナ」「オルト」「アルト」など省略して使われることもあります。

「オルタナティブ」の分野ごとの意味


オルタナティブは、以下のような分野で専門的な意味で使われます。

  1. ビジネス
  2. 投資
  3. 医療
  4. 音楽
  5. 教育
  6. 漫画
  7. テクノロジー

分野➀:ビジネス

ビジネスの分野でオルタナティブは、以下のような形で使われます。

  • オルタナティブトレード
  • オルタナティブワーキング

それぞれの言葉の意味を詳しく解説します。

「オルタナティブトレード」の意味

オルタナティブトレードとは、「社会的・経済的に立場が弱い人にも公正な対価を支払う貿易方法」のことです。

発展途上国の労働者など立場が弱い人から搾取をせず、正当な対価を支払って取引が行われます。

そのため、オルタナティブトレードが行われた商品は、他の商品に比べて価格が高いことがあります。

 

従来の貿易は、巨大な企業などが発展途上国の労働者など、社会的・経済的に弱い人から搾取する形で行われることが多くありました。

そのような不平等な貿易取引に取って代わる貿易方法として新しく生まれたことから「オルタナティブ」という言葉が使われています。

オルタナティブトレードが行われている品目としては以下のようなものが挙げられます。

オルタナティブトレードが行われている品目
  • コーヒー
  • バナナ
  • カカオ
  • 手工芸品
  • 衣服
オルタナティブはトレードの別名

オルタナティブトレードはフェアトレードとも言われています。

「オルタナティブワーキング」の意味

オルタナティブワーキングとは、これまでの形式にとらわれない新しい就業方法のことです。

例えば、以下のような働く場所や勤務時間を自由に選べる就業方法のことを指します。

オルタナティブワーキングの具体例
  • 時差出勤
    通常とは異なる時間に出勤すること
  • テレワーク・リモートワーク
    オフィス以外の場所で就業すること

分野➁:投資

投資の分野では、オルタナティブ投資という言葉が使われます。

オルタナティブ投資とは、株や債権などの伝統的な投資商品以外の、新しく生まれた投資手法のことです。

具体的なオルタナティブ投資の投資商品には以下のようなものがあります。

オルタナティブ投資の具体例
  • 不動産投資
  • 未公開株への投資
  • 先物取引
  • オプション取引
  • スワップ

これらのオルタナティブ投資は必ずしもマイナーな投資方法というわけではありません。

実際に、不動産投資などは多くの人に利用されているメジャーな投資商品です。

しかし、従来の投資では株や債権といった商品が一般的だったため、「それに代わる新しい投資商品」という意味でオルタナティブという言葉が使われているのです。

分野➂:医療

医療の分野では、以下のような言葉が使われます。

  • オルタナティブ医療
  • オルタナティブストーリー

それぞれの言葉の意味を詳しく解説します。

「オルタナティブ医療」の意味

オルタナティブ医療とは、通常の医療の代わりに用いられる医療のことです。

具体的には、現代の主流である西洋医学ではない医療のことを表します。

西洋医学ではない医療とは、以下のようなもののことです。

オルタナティブ医療の具体例
  • 漢方
  • 鍼灸
  • ハーブ療法
  • ヨガ
  • マッサージ
  • アロマテラピー

これに対して、手術や医薬品、カウンセリングなどの手法は、現在主流の西洋医学に含まれます。

オルタナティブ医療の別名

オルタナティブ医療は「代替医療」「オルタナティブメディシン」などと呼ばれることもあります。

「オルタナティブストーリー」の意味

オルタナティブストーリーとは、既存の出来事を新たな視点から見つめ直すことで患者の人生観を変えるカウンセリング手法です。

たとえば、思い込みなどによって生まれた人生の出来事に対するネガティブな解釈を、ポジティブな内容で捉え直したりします。

分野➃:音楽

音楽の分野では、以下のような言葉が使われます。

  • オルタナティブミュージック
  • オルタナティブロック
  • オルタナティブメタル
  • ラテンオルタナティブ

それぞれの言葉の意味を詳しく解説します。

「オルタナティブミュージック」の意味

オルタナティブミュージックとは、流行している音楽ではなく、より挑戦的でアンダーグラウンドな音楽のことです。

現代の商業的な音楽とは一線を引き、時代の流れにとらわれない精神性を持つ音楽のことを指します。

音楽の主流は常に変わっていくので、オルタナティブミュージックの種類も時代によって異なります。

たとえば、現代では一般的になっているCity Popと呼ばれる音楽ジャンルも、登場した当初はオルタナティブミュージックだったと言えるのです。

「オルタナティブロック」の意味

「オルタナティブロック」とは、ロックの中のジャンルのひとつで、商業的ではないロックミュージックのことです。

1970年代後半のイギリスやアメリカでは、ロックミュージックが大手レコード会社などの主導によって商業的なものへ変化しつつありました。

オルタナティブロックは、そのようなロックへの反発として、1960年代のロックシーンへ回帰しようという流れから生まれたのです。

「オルタナティブメタル」の意味

オルタナティブメタルとは、型破りなサウンド、メロディや実験的な手法を用いたヘヴィメタルのジャンルです。

オルタナティブメタルは、オルタナティブロックから強い影響を受けてメタルの世界でも生まれたジャンルです。

「ラテンオルタナティブ」の意味

ラテンオルタナティブとは、はラテン・ロックの主流ではないジャンルのひとつです。

ラテン・ロックとは、中南米・カリブ海地域の民族音楽の要素を取り入れたロックです。

ラテンオルタナティブの別名

ラテンオルタナティブは、「オルタナティノ」と呼ばれることもあります。

分野➄:教育

教育の分野では、以下のような言葉が使われます。

  • オルタナティブ教育
  • オルタナティブスクール

それぞれの言葉の意味を詳しく解説します。

「オルタナティブ教育」の意味

オルタナティブ教育とは、名前の通り主流や伝統と異なる教育や学習方法のことです。

たとえば、ヨーロッパやアメリカでは、通常は切り離されるべきと考えられている「政治や宗教」を授業として取り扱うことがあります。

オルタナティブ教育の別名

オルタナティブ教育とは、「非伝統的教育」「教育選択肢」と呼ばれることもあります。

「オルタナティブスクール」の意味

オルタナティブスクールとは、子どもが自律的・主体的に学べるようなカリキュラムを尊重した学校、教育機関のことです。

アメリカ発の教育改革の一種で、大人はあくまでも、教師としてではなく「サポート役」に徹するという特徴があります。

分野➅:漫画

漫画の分野では、オルタナティブコミックという言葉が使われます。

オルタナティブコミックとは、漫画家の単独作業で制作され、実験的な試みを多く行う漫画作品のことです。

オルタナティブコミックは1980年頃からアメリカで出現した漫画の形です。

当時のアメリカの漫画作品は、締め切りが厳しかったため何人もの作家チームにより作成され、大衆受けする王道の作風であることが主流でした。

一方でオルタナティブコミックは、以下のような特徴を持っています。

オルタナティブコミックの特徴
  • 締切がほとんどない
  • 作家が単独作業で制作する
  • 大衆には受け入れられないような挑戦的な作風

分野➆:テクノロジー

テクノロジーの分野では、以下のような言葉が使われます。

  • オルタナティブテクノロジー
  • オルタナティブエネルギー

それぞれの意味を詳しく見ていきましょう。

「オルタナティブテクノロジー」の意味

オルタナティブテクノロジーとは、これまでの科学技術に代わるものとして考えられた技術のことです。

オルタナティブテクノロジーは、1960年代以降の公害問題やオイルショックをきっかけに、生まれた言葉です。

そのため特に、公害などの環境問題を引き起こしにくい科学技術のことを表します。

たとえば、電気自動車や再生可能エネルギーの活用技術などがオルタナティブテクノロジーに分類されます。

オルタナティブテクノロジーの別名

オルタナティブテクノロジーは「代替技術」と呼ばれることもあります。

「オルタナティブエネルギー」の意味

オルタナティブエネルギーとは、これまでのエネルギー資源に代わる、新しいエネルギー資源のことです。

主流なエネルギー資源である、石炭、天然ガス、原子力以外のエネルギー資源のことを指します。

具体的なオルタナティブエネルギーの例には、以下のようなものが挙げられます。

オルタナティブエネルギーの具体例
  • 太陽光発電
  • 風力発電
  • バイオマス発電
  • 地熱発電
  • 水力発電
オルタナティブエネルギーの別名

オルタナティブエネルギーは、「代替エネルギー」「再生可能エネルギー」と呼ばれることもあります。

「オルタナティブ」の使い方


オルタナティブには複数の意味があるので、場面ごとに意味を使い分ける必要があります。

また、オルタナティブは形容動詞であるので「オルタナティブな~」「~はオルタナティブだ」という形で使用します。

また、前や後ろに名詞を付けて「○○オルタナティブ」「オルタナティブ○○」という形で使われることも多いです。

  1. 彼が提案した方法は、とてもオルタナティブだ。
  2. 昔から、人とは違うオルタナティブなものが好きだった。
  3. どちらか一方しか選べないというオルタナティブな状況だ。

➀のオルタナティブは、「既存のものにとって代わる新しいもの」という意味で使われています。

➁のオルタナティブは、「主流でないもの」という意味で使われています。

➂のオルタナティブは、「二者択一」という意味で使われています。

「オルタナティブ」の語源


オルタナティブの語源は、「交代で行う」という意味のラテン語 “alternare” です。

ここから、以下のような意味を持つ英単語“alternative” が生まれました。

“alternative” の意味
  • 二者択一の
  • 代わりとなる
  • 既存のやり方をとらない
  • 新しい
  • 選択肢

オルタナティブは、“alternative”をカタカナ語表記したものです。

オルタナティブと “alternative” はほとんど同じ意味を持っていることがわかります。

「二者択一の」という意味がありますが、実際には3つ以上選択肢がある場合にも “alternative” は用いられます。

“alternative” の品詞

“alternative” は形容詞として用いられることもあれば、名詞として用いられることもあります。

「オルタナティブ」の類義語

オルタナティブには以下のような類義語があります。

  • 代替(だいたい)
    他のものに変えること
  • カウンターカルチャー
    主となる文化とは異なる価値観・規範を持つ文化
  • サブカルチャー
    主となる文化とは異なる価値観・規範を持つ文化
  • 選択肢
    質問に対して選択して答えるよう用意されている2つ以上の答えのこと
  • サブ
    主流ではないもののこと
  • マイノリティ
    少ないこと・少数派

「オルタナティブ」の対義語

オルタナティブには以下のような対義語があります。

  • メイン
    主流であること・主であること
  • メジャー
    大きなこと・一流であること
  • オリジナル
    原形であるもの・独自のもの
  • 主流
    思想・学問・様式などの中心となる傾向
  • マジョリティ
    大多数・過半数・多数派

「オルタナティブ」を使う固有名詞

オルタナティブには以下のように固有名詞として使われることがあります。

  • オルタナティブ・ソングス
  • 山田オルタナティブ

「オルタナティブ・ソングス」の意味

「オルタナティブ・ソングス」はアメリカの音楽チャートのひとつです。

1週間単位でラジオ放送局でもっとも放送されたオルタナティブ・ロックのトップ40曲を掲載しています。

「山田オルタナティブ」の意味

「山田オルタナティブ」はコンピューターウイルスのひとつです。

「山田ウイルス」と動作が似ていることから「山田オルタナティブ」という名前がつきました。

「山田オルタナティブ」に感染すると、ハードディスクの中にあるすべてのファイルをWeb上に公開してしまいます。

「オルタナティブ」のまとめ

以上、この記事ではオルタナティブについて解説しました。

英語表記オルタナティブ(alternare)
意味現在あるもののかわりになる新しい選択肢や代替案
語源「交代で行う」という意味のラテン語 “alternare”
類義語代替
カウンターカルチャーなど
対義語メイン
メジャーなど

オルタナティブは、非常に多くの意味を持つ言葉であることがわかりましたね。

この機会に複数の意味をしっかりマスターしておきましょう。