トライアンドエラーは「試行・失敗・反省を繰り返しながら、目標に向かって進むこと」という意味です。
意味は理解できていても、「英語でそのまま使っても良いのだろうか」という不安をもっている方が多いのではないでしょうか。
この記事では、トライアンドエラーの意味や類義語、英語表現について詳しく解説します。
☆「トライアンドエラー」をざっくり言うと…
読み方 | トライアンドエラー |
---|---|
意味 | 試行・失敗・反省を繰り返しながら、目標に向かって進むこと |
類義語 | 試行錯誤 トライアルアンドエラー |
英語訳 | trial and error |
このページの目次
「トライアンドエラー」の意味
試行・失敗・反省を繰り返しながら、目標に向かって進むこと
トライアンドエラーとは、物事を試し、失敗して改善することを繰り返しながら目標を達成しようと努力することを表します。
「アンド」の部分を記号にして、「トライ&エラー」と表記する場合もあります。
「トライアンドエラー」は和製英語
トライアンドエラーは、和製英語 “try and error” から生まれたカタカナ語です。
この和製英語の意味は、“try” “and” “error” の3つに分けて考えることができます。
- try (トライ):挑戦
- and (アンド):〜と
- error (エラー):誤り、間違い
つまり、トライアンドエラーは、「挑戦と誤り」という直訳が派生して、「試み・失敗・反省を繰り返しながら、目標に向かって進むこと」という意味になったのです。
正しい英語にすると “trial and error”
トライアンドエラーの意味を、正しい英語で表すと “trial and error” になります。
この和製英語の意味は、“trial” “and” “error” の3つに分けて考えることができます。
- trial (トライアル):試み、試験、苦労
- and (アンド):〜と
- error (エラー):誤り、間違い
「トライアンドエラー」の使い方
トライアンドエラーは、主に以下のような言い回しで使われます。
- トライアンドエラーを繰り返す
- トライアンドエラーを重ねる
トライアンドエラーには、言葉そのものに「失敗・反省を繰り返す」という “反復” のニュアンスがあります。
そのため、「トライアンドエラーを繰り返す」などの表現は、厳密には二重表現です。
しかし慣例として、トライアンドエラーの後ろに、反復を表す「〜を繰り返す」「〜を重ねる」をさらに加えるのが一般的なのです。
「トライアンドエラー」を用いた例文を見てみましょう。
- トライアンドエラーを繰り返した結果、ついに自作のロボットが完成した。
- まだまだ課題が多いですが、トライアンドエラーを重ねながら頑張りましょう。
使い方の注意点
トライアンドエラーは、根拠のない “がむしゃら” な挑戦ではなく、反省に基づいた試行を表します。
このため、トライアンドエラーを「何も考えずに、とにかく何回も挑戦する」という意味で使うのは誤りです。
「トライアンドエラー」が行われる場面
トライアンドエラーは、試行・失敗・再試行を繰り返す場面であれば、どのような場面でも使うことができます。
たとえば、就活や恋愛の場面でも使うことができます。
特に、以下のような場面でよく使われます。
- プログラミングを行う場面
- ゲームで遊ぶ場面
以下、1つずつ解説します。
①プログラミングを行う場面
トライアンドエラーは、IT業界でよく使われる言葉です。
コンテンツの開発などでプログラミングを行う場合、完成に向けて、以下のような作業が繰り返されます。
- プログラミングのコードを書く
- 正しく動作するか検証
- 失敗したら原因を考え、突き止める
- コードを修正する
- 再び、正しく動作するか検証
つまり、「作業を試して検証・反省し、再度チャレンジする」というトライアンドエラーが行われているのです。
②ゲームで遊ぶ場面
ゲームで遊ぶときにも、トライアンドエラーがよく行われます。
具体例を見てみましょう。
- パズルゲーム
ピースを合わせてみて、合わなかった場合は他のピースも使って検討する - RPG
失敗した際になぜクリアできなかったのかを考え、ゲームクリアに向けて再挑戦する - オンラインのスポーツゲーム
試合に勝つために、選手の組み合わせや作戦を色々と変えながら試してみる
「ロール・プレイング・ゲーム」の略。
オンラインで役割を演じながら、目標達成のためにミッションをクリアしていくゲーム。
「トライアンドエラー」の類義語
トライアンドエラーには以下のような類義語があります。
- トライアルアンドエラー
試みと失敗を繰り返しながら目標に向かって進むこと - 試行錯誤(しこうさくご)
試みと失敗を繰り返しながら目標に向かって進むこと - 暗中模索(あんちゅうもさく)
手がかりがない状態で、目標達成のために色々とやってみること - 悪戦苦闘(あくせんくとう)
困難な状況のなかで、懸命に努力すること - 七転八起(しちてんはっき)
何度失敗しても、諦めずに努力すること - 手探り(てさぐり)
手がかりがない状態で、目標達成のために色々とやってみること - 手を変え品を変え
方法や手段を色々と変えること - 何度も試す
何回も挑戦・試行すること - 試してはやり直し
試行と挑戦を繰り返すこと - あれこれと手を尽くして(つくして)
諦めずに、様々な方法に取り組むこと - プロトタイピング
ソフトウェア開発などにおいて、試作品で検証・改善を繰り返すこと
「トライアンドエラー」と「トライアルアンドエラー」の違い
トライアンドエラーとトライアルアンドエラーには、以下のような違いがあります。
トライアンドエラー | ||
---|---|---|
トライアルアンドエラー |
トライアルアンドエラーは、“trial and error” をカタカナにしたかたちです。
和製英語のトライアンドエラーと異なり、正しい英語表現から生まれた言葉です。
しかし、トライアルアンドエラーというカタカナ語は、日本ではあまり浸透していません。
やはり、「試行や反省を繰り返す」という意味を表す際には、トライアンドエラーのほうがよく使われます。
「トライアンドエラー」の英語訳
トライアンドエラーを英語に訳すと、“trial and error” になります。
“trial and error” を使った、具体的な英語表現を見てみましょう。
- take a trial and error
(トライアンドエラーをする) - process of trial and error
(トライアンドエラーの過程) - repetition of trial and error
(トライアンドエラーの繰り返し) - learn by trial and error
(トライアンドエラーから学ぶ) - trial and error adjustment
(トライアンドエラーによる調整)
すでに解説したとおり、「トライアンドエラー」の元となっている “try and error” は和製英語です。
“try and error” は英語表現では使うことができないため、気をつけましょう。
補足:英語では通じない和製英語
日本では、トライアンドエラー(try and error)のほかにも、英語で通じない和製英語がたくさんあります。
参考までに、代表的な例を、正しい英語表現とともに覚えておきましょう。
サラリーマン | salary man | office worker |
ノートパソコン | note PC | laptop computer |
ホッチキス | hotchkiss | stapler |
シャープペンシル | sharp pencil | mechanical pencil |
エンゲージリング | engage ring | engagement ring |
「トライアンドエラー」のまとめ
以上、この記事では「トライアンドエラー」について解説しました。
読み方 | トライアンドエラー |
---|---|
意味 | 試行・失敗・反省を繰り返しながら、目標に向かって進むこと |
類義語 | 試行錯誤、トライアルアンドエラー |
英語訳 | trial and error |
トライアンドエラーは和製英語ですから、英語表現のなかで使わないように注意する必要があります。
カタカナ語として、日本語のなかで正しく使いこなしましょう。