今回ご紹介する言葉は、「とりとめのない」です。
言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「とりとめのない」をざっくり言うと……
読み方 | とりとめのない |
---|---|
意味 | 明確な結論やまとまりがないこと |
類義語 | たわいない、漠然と、支離滅裂など |
対義語 | 筋の通った、有意義、理路整然など |
英語訳 | rambling(まとまりのない)など |
このページの目次
「とりとめのない」の意味をスッキリ理解!
「とりとめのない」の意味を詳しく
「とりとめのない」とは、明確な結論やまとまりがないことを指します。「取り留めのない」とも書きます。
このような意味になるのは、「とりとめのない」が以下の単語で構成されているからです。
- 取り留め:定める、まとめる
- ない:否定
その「取り留め」が「ない」、というところから、「結論がない、まとまりがない」という意味になりました。
「とりやめ」とは、一度開始したことをやめることであり、「とりとめ」とは全く異なる意味を表します。
「とりとめのない」の使い方
「とりとめのない」には、以下の言い回しがあります。
- とりとめのない文章
- とりとめのない話/会話
- とりとめのない愚痴
- とりとめのない日常
- とりとめのない考え/憶測/空想
- とりとめのない記憶/思い出
- とりとめのない不安感
- とりとめのない人
- とりとめのない存在
- とりとめのない髪/声/音
- とりとめがない/とりとめもない
「とりとめのない文章」の使い方
「とりとめのない文章」とは、「まとまりがなく、何が言いたいのかわかりにくい文章」のことです。
書式やフォント、引用の形式などに統一性がない場合も、内容にまとまりがない場合も含みます。相手の思慮のなさを批判するニュアンスも含まれます。
かなりネガティブな言葉です。
「とりとめのない話/会話」の使い方
「とりとめのない話/会話」とは、「まとまりがない話」または「世間話」のことです。
「明白な結論がない話」という意味合いから発展し、日常の会話、重要ではない会話のことを指すようになりました。
こちらはポジティブな場面でもネガティブな場面でも使えます。相手の話にまとまりがないことを批判するために使われることもあれば、世間話ができる平穏さや関係性の深さを肯定的に表現するためにも使われます。
「とりとめのない愚痴」の使い方
「とりとめのない愚痴」とは、「まとまりのない愚痴」のことです。
愚痴は基本的にまとまりがないものではあるため、とりわけその「まとまりのなさ」にフォーカスを当てたいときによく使われます。
例えば、自虐的に自分の愚痴のことを「まとまりがない」と否定するときなどに、「とりとめのない愚痴」というフレーズを使います。
「とりとめのない日常」の使い方
「とりとめのない日常」とは、「大した予定や出来事がない日々」のことです。
これも、「平穏な日々」というポジティブな意味合いでも「退屈な日々」というネガティブな意味合いでも使えます。
「とりとめのない考え/憶測/空想」の使い方
「とりとめのない考え/憶測/空想」とは、「意味がない、まとまっていない思考」のことです。
しっかりと筋道だって何かを考えるのではなく、ただ考えが浮かんでくるままにぼんやりと頭を働かせている様子を指します。
「とりとめのない空想」が最もぼんやりしたニュアンスを持ちますが、どれも大体同じ意味合いです。
「とりとめのない記憶/思い出」の使い方
「とりとめのない記憶/思い出」とは、「ぼんやりと断片的に何かを思い出すこと」です。
また、「とりとめのない」に「目的がない」という意味合いがあることから、「思い出そうとして思い出しているわけではない」というニュアンスも含みます。
「とりとめのない不安感」の使い方
「とりとめのない不安感」とは、「理由なく不安に感じる気持ち」のことです。
なんとなく不安だが原因はわからない、意味があるかもわからない、というような心境の時に使います。
「とりとめのない人」の使い方
「とりとめのない人」とは、「話にまとまりがない人」もしくは「つかみどころのない人」というイメージで使われます。
人に対して使われることは多くはありません。使う場合、多くの場面で否定的なニュアンスを持ちます。
「とりとめのない存在」の使い方
「とりとめのない存在」とは、「無価値な存在」のことです。
「とりとめのない人」と言葉としては似ていますが、意味合いはさらにネガティブになります。他の人や物に使うときは気をつけましょう。
「とりとめのない髪/声/音」の使い方
「とりとめのない髪/声/音」とは、「まとまりのない髪/声/音」のことです。
髪や声、音以外にも使えますが、あまりよく見る表現ではありません。
「とりとめがない/とりとめもない/とりとめない」の使い方
「とりとめがない/とりとめもない/とりとめない」は、「とりとめのない」と同じように使えます。
いずれも「まとまりがない」「目的がない」という意味合いです。
そこで、下人は、何をおいても差当り明日あすの暮しをどうにかしようとして――云わばどうにもならない事を、どうにかしようとして、とりとめもない考えをたどりながら、さっきから朱雀大路にふる雨の音を、聞くともなく聞いていたのである。
「とりとめのない」の類義語
「とりとめのない」には以下のような類義語があります。
「とりとめのない話」の類義語
また、「とりとめのない話」には、以下のような類義語があります。
- 世間話:世間の事柄についての雑談
- 雑談:目的のない会話
- 談笑:にこやかに喋ること
- 無駄話:意味のない会話
- 井戸端会議:井戸端などでうわさ話をすること
- 暇つぶし:余った時間を潰すための行為
「とりとめのない」の対義語
「とりとめのない」には以下のような対義語があります。
「とりとめのない」の英語訳
「とりとめのない」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- discursive
(散漫な) - pointless
(無意味な) - rambling
(まとまりのない) - incoherent
(一貫していない) - wandering
(さまよう、とりとめのない) - silly
(へらへらしている) - talk on and on
(しゃべりまくる) - continue to talk
(しゃべり続ける)
まとめ
以上、この記事では「とりとめのない」について解説しました。
読み方 | とりとめのない |
---|---|
意味 | 明確な結論やまとまりがないこと |
類義語 | たわいない、漠然と、支離滅裂など |
対義語 | 筋の通った、有意義、理路整然など |
英語訳 | rambling(まとまりのない)など |
大体の場合はネガティブな意味合いですが、「平穏」というニュアンスを意味するときもあります。