今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「八面六臂(はちめんろっぴ)」です。
言葉の意味・使い方・由来・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「八面六臂」をざっくり言うと……
読み方 | 八面六臂(はちめんろっぴ) |
---|---|
意味 | 1人で数人分の働きをすること。多方面でめざましい活躍をすること。 |
由来 | 仏像の出で立ち |
類義語 | 三面六臂、獅子奮迅、面目躍如など |
英語訳 | many‐sided activities (多方面での活動)、versatile(多才な)、jack of all trades(なんでも屋) |
「八面六臂」の意味をスッキリ理解!
「八面六臂」の意味を詳しく
「八面六臂」には2つの意味があります。1つ目は「1人で数人分の働きをすること」で、2つ目は「多方面で際立った活躍をすること」です。
「八面六臂」は仏像の出で立ちが語源となっており、「面」は顔を、「臂」は腕を意味します。
「八面六臂」の使い方
- 彼は八面六臂の働きをして、高い評価を得た。
- あの芸能人は、歌やダンスだけでなく演技もでき、八面六臂の活躍をしている。
- 私の知らないところで、弟は八面六臂の活躍をしていたらしい。
- 高校時代から器用だった友人は、大学卒業後に八面六臂の大物になった。
「八面六臂の~」という使い方をします。素晴らしい活躍をしている人や、優秀で能力のある人に対して使います。
「八面六臂」の由来
「八面六臂」の語源は仏像です。中国では、3つの顔と6本の腕を持つ仏像が「三面六臂(さんめんろっぴ)」と呼ばれており、そこから派生して「1人で数人分の働きをすること。多方面でめざましい活躍をすること」という意味を持ちました。
さらに「三面六臂」という言葉が日本に入ってくると、それをもとに「八面六臂」という四字熟語が生まれました。
仏像の種類は、基本的には三面六臂です。三面四臂(3つの顔に4つの腕)や三面二臂(3つの顔に2つの腕)の仏像もありますが、8つの顔を持つ仏像はありません。
「八面六臂」の「八面」は、「三面六臂」の「多方面」という意味を強調しています。「三面六臂」と「八面六臂」は面の数が違うため、その分相手に与える印象は異なってきます。「八面六臂」の方が、「三面六臂」よりも広い活躍の範囲を示すことになるので、文脈に合わせて使い分けましょう。
「八面六臂」の類義語
「八面六臂」には以下のような類義語があります。
「面目躍如」は「めんぼくやくじょ」とも読みます。「面目」は世間に対する立場のことで、「躍如」は生き生きとして勢いが良いことです。「面目躍如たる働き」「面目躍如を果たす」というような使い方をします。
「八面六臂」の英語訳
「八面六臂」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- many‐sided activities
(多方面での活動) - versatile
(多才な) - jack of all trades
(なんでも屋) - all-round
(万能)
以下で例文をご紹介します。
- The salesman is able all around.
(その営業マンはあらゆる方面のことができる) - Her versatile work was related to her assessment.
(彼女の多才な働きは、彼女の評価につながった)
まとめ
以上、この記事では「八面六臂」について解説しました。
読み方 | 八面六臂(はちめんろっぴ) |
---|---|
意味 | 1人で数人分の働きをすること。多方面でめざましい活躍をすること。 |
由来 | 仏像の出で立ち |
類義語 | 三面六臂、獅子奮迅、面目躍如など |
英語訳 | many‐sided activities (多方面での活動)、versatile(多才な)、jack of all trades(なんでも屋) |
「八面六臂」の「臂」は一般的にはひじや腕のこととされていますが、詳しく言うと手首と二の腕の間のことを言います。書きなれない字ですが、意外と簡単に書けるのでぜひ覚えてみてください。