今回ご紹介する言葉は、熟語の「小生(しょうせい)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「小生」をざっくり言うと……
読み方 | 小生(しょうせい) |
---|---|
意味 | 私 |
類義語 | 私、下名、小職など |
英語訳 | I(私) |
「小生」の意味をスッキリ理解!
「小生」の意味を詳しく
「小生」とは、男性が自分をへりくだって言うときの一人称です。同格、もしくは目下の相手に使います。主に手紙などの書面上で使うことが多いです。
目上の人に対して使えなかったり、目下の人にへりくだるのは不自然に見えたりすることから、最近はあまり使われていません。代わりに「私」がビジネスの場でも使われています。
また、文学作品で多く使われていることから、プライベートで使うと堅苦しい印象や、文学青年を気取っているような印象を与えます。
会社によっては「私」をビジネスで使うのはふさわしくないと考え、「小生」を使う慣習が残っているところもありますが、ほとんどの場合は「私」で問題ありません。
使用する際の注意点は2つあります。
- 同格もしくは目下の相手に対して使う一人称
- 女性は使えない
したがって、先輩や上司、顧客などに使うと失礼にあたってしまいます。
また、女性に「小生」に対応する一人称はありません。「私」を使います。
「小生」の使い方
- 小生は12時半に到着いたします。
- 何か不明な点が御座いましたら、小生までご連絡をお願いいたします。
- 小生、貴殿(きでん)との逢瀬(おうせ)を心待ちにしておりました。
上記のように、「小生」を使う場合は、文章全体をかしこまった表現にすると自然です。ただし、小生は同期や目下の人に使う言葉でもあるので、相手との関係性次第では、少し砕けた文体になっても構いません。
古くからあるような、文学的だと感じる言葉を使うと、「小生」という一人称が浮きにくくなります。
①と②の例文は、ビジネスメールなどで使われる文です。いずれも「私」と置き換えることができます。
③の例文は、これから会う、もしくは今会っている最中の相手に対して、会えることの喜びを表す文です。二人称も「あなた」から「貴殿」になり、全体的に文学的な雰囲気が漂っています。
「小生」の類義語
小生には以下のような類義語があります。
- 私:最もオーソドックスな一人称。謙譲語ではありませんが、基本的にはこれで問題ありません。
- 下名(かめい):相手の立場や自分の性別を問わず使える、へりくだった一人称。かなり堅苦しい言葉であるため、「小生」同様、現在はあまり使われておりません。
- 小職(しょうしょく)、本官(ほんかん):国家公務員が使う、へりくだった一人称。相手の立場や性別を問わず使えます。
- 本職(ほんしょく):国家公務員が使う、へりくだった一人称。相手の立場や性別を問わず使えます。公務員以外の専門職でも使うこともあります。
- 当職(とうしょく):弁護士が使う、へりくだった一人称。相手の立場や性別を問わず使えます。
このように、自分の職業によって使える一人称が変わります。
また、以下の2つはよく類義語として挙げられる単語ですが、使用する際は注意が必要です。
- 弊職(へいしょく):自分の職をへりくだる一人称として使われることがあります。ただし、造語のため、自分が使う際は注意が必要です。
- 当方(とうほう):一人称ではなく、自分の属している組織を指す言葉です。「自分の会社の誰かしらが対応するけれど、対応者が確定していないとき」などに使います。
「小生」の英語訳
小生を英語に訳すと、次のような表現になります。
- I
(私)
英語には自分をへりくだる一人称がないため、Iを使いましょう。
まとめ
以上、この記事では「小生」について解説しました。
読み方 | 小生(しょうせい) |
---|---|
意味 | 私 |
類義語 | 私、下名、小職など |
英語訳 | I(私) |
今ではあまり使われていない言葉であり、また使うときに注意することも多い言葉です。使う際は相手に悪印象を与えないよう、慎重に使いましょう。