今回ご紹介する言葉は、熟語の「自重(じちょう)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳について分かりやすく解説します。
☆「自重」をざっくり言うと……
読み方 | 自重(じちょう) |
---|---|
意味 | 軽はずみにならないように自分の言動を慎むこと |
類義語 | 自粛、自戒、自制など |
対義語 | 軽挙妄動、自暴自棄など |
英語訳 | prudence |
このページの目次
「自重」の意味をスッキリ理解!
「自重」の意味を詳しく
「自重」とは、軽はずみにならないように自分の言動を慎むことです。
また、自分の身体を大切にし、健康を損なわないようにするという意味もあります。この場合は、「自愛(じあい)」と同じ意味です。
どちらも「自分を重んじる」つまり「自分を大切にする」という意味が含まれています。
「自重」の使い方
- 場の空気を呼んで発言を自重する。
- チャンスが訪れるまで自重しなさい。
- お忙しいと思いますが、どうかご自重ください。
上記の例文のように、「自重」は自分の品位を保って、慎重に構えること、個人的な言動を抑える場面で使われます。
③の文は、「お忙しいと思いますが、ご自身の体を大切にしてください」というビジネスメールなどで使われる相手を気遣う敬語です。ちなみに「お体ご自重(自愛)ください。」という表現は、自重または自愛自体が体を大切にする意味を含んでいるので二重になっており、間違いです。
ネット用語としての「自重」
インターネット上でも、「自重」という言葉はよく使われます。
ネット用語としての「自重」は、あるゲームの登場人物のセリフから広まったと言われています。コメントなどで「自重しろ」「自重ww」のように使います。
これは「やりすぎだ。ふざけるな」の本来の自重の意味に近いときもあれば、冗談気味に「その調子でもっとやれ」という意味のこともあります。笑っている様子を意味する「w」がついているかどうかで肯定しているか判断されています。
「自重」の類義語
自重には以下のような類義語があります。
- 自粛(じしゅく):差し控えること、遠慮すること
- 自戒(じかい):自分自身をいましめ律すること
- 自制(じせい):欲望や感情を抑えること
「自重」を使った対義語
自重には以下のような四字熟語があります。
- 隠忍自重(いんにんじちょう):じっと我慢して、軽々しい言動を慎むこと
- 自重自愛(じちょうじあい):自分で自分のからだを大切にすること
また、2つの四字熟語にはそれぞれ以下のような対義語があります。
- 軽挙妄動(けいきょもうどう):軽はずみで、向こう見ずな行動をすること
- 自暴自棄(じぼうじき):自分を大切にせずに、投げやりな行動をすること
「自重」の英語訳
自重を英語に訳すと、次のような表現になります。
- prudence
(慎重さ、思慮分別) - be prudent
(自重する) - Please take care of yourself.
(どうぞご自重ください。)
英語では、慎重さや思慮分別を “prudence” と言います。この形容詞である “prudent” を使って、 “be prudent” とすると「自重する」という意味合いになります。
また、自分の体を大切にするという意味では、 “Please take care of yourself”というフレーズがあります。 「ご自愛ください」も同じ表現になります。
同じ漢字だが読みと意味が異なる「自重(じじゅう)」
「自重(じちょう)」と同じ漢字を書く「自重(じじゅう)」という熟語があります。「自重(じじゅう)」とは、車体・機械などそれ自体の重さを意味します。このように、同じ形ですが読み方や意味が異なる単語を同形異音語、同字異義語などと呼びます。
「自重(じじゅう)」には以下のような例文があります。
- 自重1トンのトラックを運ぶ。
- 毎日自重トレーニングをしている。
- 屋根の自重のたわみを計算する。
自分自身の体重を負荷として利用する筋力トレーニングのこと。腕立て伏せや、逆立ち、懸垂(けんすい)、スクワットなどが代表的。
「自重(じじゅう)」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- deadweight
(列車やトラックなどの自重) - one’s own weight
(それ自体の重さ)
まとめ
以上、この記事では「自重」について解説しました。
読み方 | 自重(じちょう) |
---|---|
意味 | 軽はずみにならないように自分の言動を慎むこと |
類義語 | 自粛、自戒、自制など |
対義語 | 軽挙妄動、自暴自棄など |
英語訳 | prudence |
読み方や使用する場面で意味が異なる「自重」についておわかりいただけたでしょうか。これからは使い分けていきたいですね。