「万物流転」の意味とは?使い方から英語や類語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「万物流転(ばんぶつるてん)」です。

言葉の意味・使い方・由来・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「万物流転」をざっくり言うと……

読み方万物流転(万物流転)
意味この世のすべてのものは常に変化し続けるということ
由来「万物は流転する(パンタ・レイ)
類義語諸行無常、生々流転、朝に紅顔ありて夕べに白骨となるなど
英語訳All things are in a state of flux(すべてのものは流転の状態にある)

「万物流転」の意味をスッキリ理解!

万物流転(ばんぶつるてん):この世のすべてのものは常に変化し続けるということ

「万物流転」の意味を詳しく

万物流転は、この世に存在するありとあらゆるものを表す「万物」と、流れる川の水のように絶えず変わり続けることを表す「流転」の2つの熟語で構成される四字熟語です。

この世にあるすべてのものは常に変わり続けており、二度と同じ形で現れることはない、というのが万物流転の指す意味となります。

もともとは、古代ギリシャの哲学者であるヘラクレイトスの思想を表す「万物は流転する」という言葉に由来しています。

その言葉が、わかりやすく噛み砕かれて現代でも慣用句的に使用されているのです。

「万物流転」の使い方

  1. 万物流転の世の中であるとは言うが、やはり別れは寂しいものだ。
  2. 万物流転であるから、都市開発によって昔ながらの風景が失われることを恨んでも仕方がない。

①の例文では、人間関係の変化への嘆きを万物流転という言葉に託しています。万物流転であり変わり続けるのがこの世界の本質であることをわかっていながらも、その変化をそのままで受け入れることのできない気持ちが表れる表現です。

②の例文では、都市化によって同じ場所がどんどん変化していく様子に対し、万物流転という言葉を使用しています。人も街も変わり続けるものであり、時代が変わればその風景も違うのだと主張しています。

①②両方の例文にあるように、変化することに対してはネガティブなイメージが生まれることがあります。「別れる」や「失う」などの言葉で表されるような、ネガティブな変化に対する諦めや悟りを万物流転という言葉は含むことが多いです。

「万物流転」の由来

ヘラクレイトスは「万物は流転する(パンタ・レイ)」という言葉を残したとされています。

ヘラクレイトスの考えでは、変化し流動する中にすべてのものの真の姿が隠されています。破壊の象徴でありものを変化させる「火」が、この世の根源であるというのが彼の主張です。

この言葉が万物流転の由来となり、現代まで使用されています。

「万物流転」の類義語

万物流転には以下のような類義語があります。

  • 諸行無常:永遠に変わらないものはないということ
  • 生々流転:すべてのものは生死を繰り返して変わり続けるということ
  • 朝に紅顔ありて夕べに白骨となる:人の死は予想ができないということ

  • 飛花落葉:一度咲いた花や芽吹いた葉もいつか散るのだということ
  • 有為転変は世の習い:変化し続けるのがこの世の道理であるということ

  • 有為転変:この世のすべては常に移り変わっていくということ
さまざまな類語表現がある一方で対義語はありません。古今東西、「変化」というものは世界の本質としての共通認識であるのかもしれませんね。

「万物流転」の英語訳

万物流転を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • All things are in a state of flux
    (すべてのものは流転の状態にある)

まとめ

以上、この記事では「万物流転」について解説しました。

読み方万物流転(万物流転)
意味この世のすべてのものは常に変化し続けるということ
由来「万物は流転する(パンタ・レイ)
類義語諸行無常、生々流転、朝に紅顔ありて夕べに白骨となるなど
英語訳All things are in a state of flux(すべてのものは流転の状態にある)

万物流転はこの世の真理である一方、私たちが変化を受け入れるきっかけを授けてくれる言葉です。今ある生活が変わってしまうことを「そういうものだ」とポジティブに捉えて生きていきたいですね。