今回ご紹介する言葉は、ことわざの「鴨(かも)が葱(ねぎ)を背負(しょ)って来る」です。
言葉の意味や使い方・由来・類義語・対義語・英語訳について分かりやすく解説します。
☆「鴨が葱を背負って来る」をざっくり言うと……
読み方 | 鴨(かも)が葱(ねぎ)を背負(しょ)って来る |
---|---|
意味 | 自分にとってうまいことが重なり、好都合であること |
由来 | 鴨が葱を背負って来ることで、鴨鍋に必要な材料が揃うという好都合な状況から |
類義語 | 開いた口へ牡丹餅、開いた口へ団子、寝耳へ小判など |
対義語 | 蒔かぬ種は生えぬ |
英語訳 | A golden opportunity came to me.(絶好の機会がやってくる) |
このページの目次
「鴨が葱を背負って来る」の意味をスッキリ理解!
「鴨が葱を背負って来る」の意味を詳しく
「鴨が葱を背負って来る」とは、自分にとってうまいことが重なり、好都合であることを意味することわざです。略して、「鴨葱」と表現することも多いです。
自分が何かをする際に利用しようとしてたものが、さらに利用できるものを持ってくるというような非常に好都合な状況を指して言うことが多いです。
お人好しが、自分にとって利益となる物や話を持ってきてくれるようなケースが典型的です。
注意が必要なのは、直接相手に言うのは失礼に当たるということです。
詳しくは由来のところで解説しますが、もともと、「鴨」という言葉には騙しやすい人、利用しやすい人という意味があります。実際に、詐欺師などが、詐欺に騙されやすい人を「鴨(カモ)」と呼んでいます。騙しやすい人を騙すことを「鴨(カモ)る」とも言います。
好都合なことをしたからと言って、相手から「鴨が葱を背負って来るようなことをしていただきありがとうございます」と言われても、不愉快な気持ちしかしないでしょう。あくまでも、心の中で「しめしめ」と思うにとどめるべきです。
「鴨が葱を背負って来る」の使い方
- 契約をこんなに好都合な条件でしてくれるとは、鴨が葱を背負って来るとはこのことだ。
- 簡単にお金儲けができるという鴨が葱を背負って来るような話はただの詐欺だった。
- 見合い相手は美人で性格も良く、さらに社長令嬢で鴨が葱を背負って来たと言える。
「鴨が葱を背負って来る」の由来
「鴨が葱を背負って来る」ということわざは、鴨が葱を背負って来ることで、鴨鍋に必要な材料が揃うという好都合な状況に由来しています。
鴨は鳥類の中でも罠に騙されやすく、捕まえやすい鳥であると言われています。そんな鴨は、江戸時代、人気のある食材で、鴨鍋にしてよく食べていました。
しかし、独特なにおいがあり、鴨鍋には葱などの香味野菜が必須でした。鴨鍋に必須である葱を、鴨が背負ってやって来てくれることで、都合よく鴨鍋の材料が揃うのです。
このような鴨が自ら葱を背負ってやってくるという好都合な状況から、自分にとって上手いことが重なる状況を「鴨が葱を背負って来る」ということわざで表現するようになりました。
「鴨が葱を背負って来る」の類義語
「鴨が葱を背負って来る」には以下のような類義語があります。
「鴨が葱を背負って来る」の対義語
「鴨が葱を背負って来る」には以下のような対義語があります。
- 蒔(ま)かぬ種は生えぬ:努力せずに良い結果を期待することは無駄だということ
「鴨が葱を背負って来る」の英語訳
「鴨が葱を背負って来る」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- A golden opportunity came to me.
(絶好の機会がやってくる) - a duck that came carrying green onions
(葱を背負って来る鴨)
まとめ
以上、この記事では「鴨が葱を背負って来る」について解説しました。
読み方 | 鴨(かも)が葱(ねぎ)を背負(しょ)って来る |
---|---|
意味 | 自分にとってうまいことが重なり、好都合であること |
由来 | 鴨が葱を背負って来ることで、鴨鍋に必要な材料が揃うという好都合な状況から |
類義語 | 開いた口へ牡丹餅、開いた口へ団子、寝耳へ小判など |
対義語 | 蒔かぬ種は生えぬ |
英語訳 | A golden opportunity came to me.(絶好の機会がやってくる) |
「鴨が葱を背負って来る」ということわざは、自分にとって美味しい状況のことを確かに指します。しかし、本文でも触れたように、「鴨」という言葉には「騙されやすい人」などといった意味合いが含まれています。
間違っても、利益を与えてくれた相手に対して「鴨が葱を背負って来た」などと使わないようにしましょう。このような注意事項も、「なぜ鴨がことわざに使われているのか」などといったように、語源からさかのぼって見てみると、頭に入りやすいのではないでしょうか。
ぜひ、ことわざを学ぶ際は、意味や使い方だけでなく、語源にも着目してみてください。