修正と訂正では意味の広さが異なります。
修正は「不十分なところをなおす」という意味ですが、訂正は「文章の誤りをなおす」という意味です。
修正と訂正はどちらも日常生活でよく使う表現ですが、「どちらを使ったらいいのかな」と迷ってしまう場面もあると思います。
しかし、実はこの2つには明確な違いがあります。
そこで、この記事では修正と訂正の意味の違いについて詳しく解説します。
ぜひ参考にしてみてください。
「修正」と「訂正」の違い
- 修正
不十分なところをなおす - 訂正
文章の誤りをなおす
下で詳しく解説しますが、修正は訂正よりも意味が広い言葉です。
そのため、修正の代わりに訂正を用いることはできませんが、訂正の代わりに修正を用いることは可能です。
そんな修正と訂正は、主に以下の2つの点で異なります。
「改善」する場合を含むかどうか
修正と訂正には、改善する場合を含むかどうか、という観点では以下のような違いがあります。
- 修正
改善する場合も含む - 訂正
改善する場合は含まない
修正は悪いところをなおす時にも、良いところをさらに良くするため改善する時にも用います。
たとえば、「原稿の内容を修正した」という文章の場合、「原稿で間違っていた部分をなおした」というニュアンスでも取れますが、「原稿の内容をより良いものに改善した」というニュアンスでも取れます。
一方で、「原稿の内容を訂正した」という文章の場合には、「原稿に明確な間違いがあり、それをなおした」というニュアンスになります。
文章以外でも使うか
修正と訂正では、文章以外でも使うか、という点でも以下のように異なります。
- 修正
文章以外でも用いる - 訂正
文章でのみ用いる
この違いがわかりやすいのは、軌道修正という言葉です。
軌道修正は物事が誤った方向に進みつつある状態を、正しい状態に戻すという意味です。
訂正は文章では使えないため、軌道訂正という言葉はありません。
「修正」の意味
不十分なところをなおす
例:議論の方向性を修正する。
修正は悪いところをなおす時にも、良い部分をより良いように改善する時にも使うことができるため、意味の広い言葉です。
また、文章だけでなく、さまざまな物事に対して用いることができます。
「修正」の使い方
修正の使い方を例文で見ていきましょう。
- プレゼン資料に大幅な修正が入る。
- 船の進路を修正する。
- 「ご指摘の箇所について、すぐに修正させていただきます」
- 書類に間違いがありました。該当箇所の修正をお願いします。
- 以前に立てた予定を修正する。
①や③の例文の場合には訂正を使っても意味が通ります。
ただ、②や⑤の例文のように、文章以外に使う時には訂正を使うことはできません。
④の例文の場合には、ニュアンスとしては訂正を用いても問題ありませんが、実際の場面では避けたほうが良いでしょう。
相手に誤りをなおしてほしい時に訂正を使ってしまうと、「あなたは間違っている」というニュアンスが強くなってしまい、気分を害してしまう可能性があるからです。
「修正」の漢字のなりたち
修正の漢字のなりたちは以下のようになっています。
- 修
正しく整える - 正
ただしい
「修正」の英語訳
修正を英語に訳すと、以下のような言葉になります。
- modify
(修正する・変更する) - correct
(修正する・誤りを直す)
「訂正」の意味
文章の誤りをなおす
例:マニュアルの内容を訂正させていただきます。
訂正は基本的に文章が間違っていた時に、それを正しくなおす場合にのみ用います。
誤字脱字があったり、事実ではないことが記載されていたものをなおす時に使う言葉です。
「訂正」の使い方
訂正は以下の例文のように使います。
- 誤字脱字が訂正された。
- 誤りがございましたら、すぐに訂正させていただきます。
- 発言を訂正する。
- 書類に誤りがあったため訂正した。
- 至急訂正の上、改めてご連絡させていただきます。
訂正よりも修正のほうが意味が広いため、①~⑤の例文はすべて修正で言い換えることが可能です。
「訂正」の漢字のなりたち
訂正の漢字のなりたちは以下のようになっています。
- 訂
文章や文字の誤りを正しくする - 正
ただしい
「訂正」の英語訳
訂正を英語に訳すと、以下のような言葉になります。
- amend
(訂正する、欠点などをなくす)
- revise
(主に本や文章をなおす)
「修正」と「訂正」の類義語
修正と訂正の類義語としては以下のようなものが挙げられます。
「修正」と「訂正」の違いのまとめ
以上、この記事では、修正と訂正の違いについて解説しました。
- 修正
不十分なところをなおす - 訂正
文章の誤りをなおす
修正や訂正は社会人もよく使う言葉です。
間違えずに使い分けていきたいものですね。