今回ご紹介する言葉は、熟語の「諦観(ていかん)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「諦観」をざっくり言うと……
読み方 | 諦観(ていかん) |
---|---|
意味 | 物事の本質を見極めること。悟りを開き、超然とした態度をとること。 |
類義語 | 達観、諦念、諦視など |
対義語 | 修羅 |
英語訳 | get an insight into〜(〜の本質を見極める) |
「諦観」の意味をスッキリ理解!
「諦観」の意味を詳しく
「諦観」とは、「物事の本質を見極めること。悟りを開き、超然とした態度をとること」を意味する言葉です。
「諦観」の「諦」は、本来「あきらかにする」「まこと」という意味を持っています。また、「観」は「みる」「ながめる」「注意してみる」などの意味を持ちます。
「諦観」には、「諦める」の漢字は含まれていても、「物事を途中で放棄(ほうき)する」といったような、ネガティブな意味合いは本来含まれていないため注意しましょう。
「諦観」は、もともと仏教の用語です。仏教おいては「諦観(たいかん)」と読むため注意しましょう。
仏教のルーツである漢語において、「諦」は「真理」「道理」を意味します。また、「諦める」は、現代の日常で用いられる意味とは異なり、「物事の道理を明らかにする」という意味でした。そのため、「諦観」は「物事の本質を見極める」という意味に派生していきました。
また、仏教においての「諦める」には、「世俗の欲を断ち、悟りを開いて超然とすること」という意味もあります。困難に直面した時に、その物事の本質を見極め、悟りの境地に達することを言います。
このように、本来「諦める」はポジティブな意味をもっていました。しかし時代が進むにつれて、「本質を悟った結果、物事を放棄する」というネガティブな意味で「諦める」使われるようになりました。
「諦観」の使い方
- 私は心配になり、自分の身体をしっかりと諦観することにした。
- Aさんはとても諦観的な態度を見せるので、年齢よりも落ち着いて見える。
- 諦観の念をもつと、物事に執着しなくなった。
「諦観」の類義語
「諦観」には以下のような類義語があります。
「諦観」の対義語
「諦観」には以下のような対義語があります。
- 修羅(しゅら):醜(みにく)い争いや激しい感情のこと
「諦観」の英語訳
「諦観」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- get an insight into~
(〜の本質を見極める) - have a clear view of the essentials
(本質を見極める) - resign myself to~ing
(悟って〜することを受け入れる)
- get an insight into~
まとめ
以上、この記事では「諦観」について解説しました。
読み方 | 諦観(ていかん) |
---|---|
意味 | 物事の本質を見極めること。悟りを開き、超然とした態度をとること。 |
類義語 | 達観、諦念、諦視など |
対義語 | 修羅 |
英語訳 | get an insight into〜(〜の本質を見極める) |
「諦観」は、「諦める」という漢字を書くため、意味を勘違いしている人も多いのではないのでしょうか。
本来の意味は、物事の真理をとらえ、悟りを開いて超然とするという意味であるため、決してネガティブな言葉ではありません。
人間は年を重ねていくごとに、物事の真理をつかみ、「諦観」していくのかもしれません。