今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「空々漠々(くうくうばくばく)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「空々漠々」をざっくり言うと……
読み方 | 空々漠々(くうくうばくばく) |
---|---|
意味 | 果てしなく広い様子。また、掴み所がない様子。 |
類義語 | 広大無辺、曖昧模糊、有耶無耶など |
対義語 | 一目瞭然、明明白白 |
英語訳 | vast(非常に広い)など |
「空々漠々」の意味をスッキリ理解!
「空々漠々」の意味を詳しく
空々漠々は、「果てしなく広い様子」と「掴み所がない様子」を意味する四字熟語です。この四字熟語は、仏教用語から構成されています。
仏教において「空」は、実態がないということを意味します。また「漠」は、広大で遥かである様子を指しています。これらが合わさってできる仏教用語が「空漠(くうばく)」です。これは、何もなく果てしない様子や、ぼんやりしていて要点が不明確さまを示します。
空々漠々は、この「空漠」という仏教語を一文字ずつに分けて繰り返すことで、その意味を強調している四字熟語なのです。「空々漠々」と表記されることもあります。
「空々漠々」の使い方
- 祖父母が住む田舎の空々漠々とした夜空は、都会では見られないものだ。
- 今考えてみれば、彼女は空々漠々として私の話を聞いていない様子だった。
- 空々漠々たる思いを抱え、どうしたものか困っている。
①の例文は「果てしなく広い様子」の意味で空々漠々が用いられています。②と③の例文における空々漠々の意味は、「掴み所がない様子」です。
「空々漠々」の類義語
空々漠々には以下のような類義語があります。
- 広大無辺(こうだいむへん):限りなく広いさま。
- 曖昧模糊(あいまいもこ):ぼんやりしていて、はっきりしない様子。
- 有耶無耶(うやむや):あいまいな様子。
- 雲煙模糊(うんえんもこ):ぼんやりとはっきりしない様子。
- 五里霧中(ごりむちゅう):物事の判断がつかない様子。
- 渾渾沌沌(こんこんとんとん):物事の区別がはっきりつかないさま。
「広大無辺」は、空々漠々の一つ目の意味である「果てしなく広い様子」に対応する類義語です。そのほかの四字熟語は全て、二つ目の「掴み所がない様子」に対応した類義語となっています。
「空々漠々」の対義語
空々漠々には以下のような対義語があります。
- 一目瞭然(いちもくりょうぜん):ひと目見てはっきり分かること。
- 明明白白(めいめいはくはく):非常にはっきりしている様子。
どちらも、空々漠々の二つ目の意味である「掴み所がない様子」と正反対の様子を表します。
「空々漠々」の英語訳
空々漠々を英語に訳すと、次のような表現になります。
- vast
(非常に広い) - boundless
(莫大な) - empty
(うつろな) - vague
(あいまいな)
“vast”と“boundless”は「果てしなく広い様子」を表し、“empty”と“vague”は「掴み所がない様子」を表しています。
まとめ
以上、この記事では「空々漠々」について解説しました。
読み方 | 空々漠々(くうくうばくばく) |
---|---|
意味 | 果てしなく広い様子。また、掴み所がない様子。 |
類義語 | 広大無辺、曖昧模糊、有耶無耶など |
対義語 | 一目瞭然、明明白白 |
英語訳 | vast(非常に広い)など |
仏教の言葉に由来を持つ「空々漠々」は、生活のなかではあまり使われません。意味が二つあることに注意して、しっかり覚えるようにしましょう。