今回ご紹介する故事成語は「不偏不党(ふへんふとう)」です。
そこで、この記事では「不偏不党」の意味、使い方、由来、類義語、対義語、英訳について解説します。
☆「不偏不党」をざっくり言うと……
読み方 | 不偏不党(ふへんふとう) |
---|---|
意味 | なにものにも肩入れせず、公平・中立の立場をとること |
由来 | 『墨子』 |
類義語 | 公平無私、是々非々、無偏無党など |
対義語 | 依怙贔屓、判官贔屓 |
英語訳 | fairness, impartiality, nonpartisan |
このページの目次
「不偏不党」の意味をスッキリ理解!
「不偏不党」についてもっと詳しく
「不偏不党」とは「どのような主義や党にも力を貸さずに、公正・中立な立場をとること」という意味を持ちます。
「不」は、否定や打消しを表します。
また、「偏」は、「かたよる、中立ではない」という意味があり、「党」には「なかま」という意味があります。
だから、「不偏不党」は、「偏らない」「なかまではない」という意味を持ち、そこから転じて「どのような主義や党にも力を貸さずに、公正・中立な立場をとること」という意味になるということです。
「不偏不党」の使い方
- 裁判官は、被告と原告のどちらにも肩入れせず、不偏不党の立場を取らなければいけない。
- 私は、特別に誰かの味方をするようなことはせず、不偏不党の立場をとることを信条としている。
- 大阪朝日新聞は、政府からの発売禁止の圧力を受け、「不偏不党の地に立つ」という声明を発表した。
「不偏不党」の由来
「不偏不党」は『墨子(ぼくし)』にその由来を持ちます。
『墨子』とは、墨子という古代中国の思想家が記したとされる書物で、そこで「不偏不党」という言葉が初めて使われました。
墨子は、兼愛(平等に人を愛すること)や非攻(他人を攻撃しない)といった思想で知られ、こういった平和主義的・平等主義的な考えが、「不偏不党」の「どのような主義や党にも与さずに、公正・中立な立場をとること」に表れていると言えます。
「不偏不党」の類義語
「不偏不党」の類義語としては、以下のものが挙げられます。
- 公平無私(こうへいむし):自分の利益や主観や感情、立場を判断基準から外し、ものごとを判断していく態度や生き方。
- 無私無偏(むしむへん):個人的な利益や名誉を重視せず、公平に判断し、行動するさま。
- 無偏無党(むへんむとう):特定の主義や主張にこだわることなく、公平で中立な立場を取ること。
- 厳正中立(げんせいちゅうりつ):厳しく公平な立場をとり、偏らないようにすること。
- 是々非々(ぜぜひひ):良いことは良い、悪いことは悪いと、私情を挟まずに公平に判断すること。
- 一視同仁(いっしどうじん):誰も差別せず、全ての平等に愛すること。
- 局外中立(きょくがいちゅうりつ):どの交戦国にも肩入れせず、中立の立場をとること。
- 虚堂懸鏡(きょどうけんきょう):心を空(から)にして、公平に物事を判断すること。
- 至公至平(しこうしへい):この上なく公平であること。
- 公明正大(こうめいせいだい):公平で私信のないこと
「不偏不党」の対義語
「不偏不党」の対義語としては、以下のものが挙げられます。
- 依怙贔屓(えこひいき):自分の気に入っている人や関係のある人にばかり肩入れすること。
- 判官贔屓(ほうがんびいき):弱い立場に置かれている人に対して同情し味方すること。
「不偏不党」の英訳
「不偏不党」を英訳すると、次のようになります。
- fairness
(公平) - impartiality
(公平) - nonpartisan
(党に属さない)
英語では、「公平」や「党に属さない」とった意味を持つ言葉に訳されることが多いです。
まとめ
以上、この記事ではこの記事では「不偏不党」の意味、使い方、類義語、対義語、英訳について解説しました。
読み方 | 不偏不党(ふへんふとう) |
---|---|
意味 | なにものにも肩入れせず、公平・中立の立場をとること |
由来 | 『墨子』 |
類義語 | 公平無私、是々非々、無偏無党など |
対義語 | 依怙贔屓、判官贔屓 |
英語訳 | fairness, impartiality, nonpartisan |
「不偏不党」は「どのような主義や党にも力を貸さずに、公平・中立の立場をとること」という意味があるということでした。