今回ご紹介する言葉は、故事成語の「破天荒」です。
この言葉は有名ですが、とても誤用が多いです。
むしろ、誤用している人のほうが多いくらいです。
正しい意味を知っておきたいですよね。
そこで、「破天荒」の意味、由来、例文、類義語、英訳についてわかりやすく解説します。
☆「破天荒」をざっくり言うと……
読み方 | 破天荒(はてんこう) |
---|---|
意味 | 前人が成しえなかったことを達成すること |
由来 | 劉蛻が初めて荊州から科挙に合格したことから |
類義語 | パイオニア、前人未到、前代未聞、など |
英語訳 | unprecedented |
「破天荒」の意味をスッキリ理解!
「破天荒」の意味を詳しく
「破天荒」とは、前人が成しえなかったことを達成することです。
そして、この言葉はとても誤用が多いです。
一般的には「豪快」「大胆で荒っぽい」という意味で使われていることが多いです。
文化庁が平成20年に行った調査によると、このような誤用をしている日本人は64.2%にのぼります。
そして、正しく使っているのは16.9%という結果でした。
また、「破天荒」は本来、誉め言葉ですが、「大胆すぎる」「乱暴者」というネガティブな意味で使われていることも多いでしょう。
そのため、「破天荒」という言葉を使うと、誉めているつもりだったのに、けなされていると受け取られてしまうこともあります。
誤解が生じそうな場合には、「パイオニア」などの類義語で置き換えたほうが無難でしょう。
「破天荒」の由来
「破天荒」の出典は『北夢瑣言(ほくむさげん)』という本です。
ちなみに、『北夢瑣言』は宋の時代に書かれた説話集です。
詳しく見ていきましょう。
唐の時代、唐王朝の創始から100年以上がたっても荊州(けいしゅう)という場所からは科挙の合格者が生まれませんでした。
ちなみに、科挙とは、かつて中国で行われていた官僚登用試験です。
そして、このことから、荊州は「天荒(てんこう:未開の荒れ地)」と呼ばれていました。
しかし、ついに、劉蛻(りゅうぜい)という人物が合格しました。
そして、彼は「天荒を破った」と言われました。
ここから、「破天荒」という言葉が生まれたのです。
「破天荒」の例文
- 彼はうちの村から初めて東大に合格したので、文字通りの破天荒である。
- 彼の破天荒な性格は周りを明るくしてくれる。
- 彼は破天荒すぎて、周りからは常識がない人だと言われている。
このうち、➋と➌の使い方は誤用ですが、よく使われています。
「破天荒」の類義語
「破天荒」には以下のような類義語があります。
「破天荒」の英語訳
「破天荒」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- unprecedented
(誰もやったことがない)
まとめ
以上、この記事では「破天荒」について解説しました。
読み方 | 破天荒(はてんこう) |
---|---|
意味 | 前人が成しえなかったことを達成すること |
由来 | 劉蛻が初めて荊州から科挙に合格したことから |
類義語 | パイオニア、前人未到、前代未聞、など |
英語訳 | unprecedented |
「破天荒」は誤用する人が多過ぎて、正しい使い方をしても、誤解されてしまうかもしれません。
誤解されそうな時は、「パイオニア」など、別の言葉を使ってあげたほうが無難でしょう。
また、多くの人は正しい意味を知らないので、友達に教えてあげるのもいいかもしれません。