「まんをじして」とは「ようやく、待ち続けて最もよいタイミングになった」という意味です。
日常生活でよく聞くフレーズですが、どういった経緯で生まれた単語なのか疑問に思ったことはありませんか?
そこで今回は「まんをじして」の意味や使い方などについて簡単にわかりやすく解説します。
このページの目次
「まんをじして」の意味
ようやく、待ち続けて最もよいタイミングになった
例:まんをじして、ヒーローが登場する。
「まんをじして(満を持して)」は「ようやく、待ち続けて最もよいタイミングになった」という意味です。
何か物事を実行する際に、タイミングを待ち続けてようやく絶好の機会が訪れたことを表します。
たとえば、ヒーローが登場するような映画で、悪者がずっと市民をいじめていたとします。
市民はずっと困難な状況にいましたが、ようやくヒーローが助けにやってきます。
このような状況を「ヒーローがまんをじして登場する」と言います。
「まんをじして」の漢字表記
「満を持して」が正しい表記なので覚えておきましょう。
「満を辞して」「万を辞して」という表記もありますが、こちらは正式には間違いです。
「まんをじして」の使い方
「まんをじして」は日常会話で使うことが多いです。
具体的には、「やっと」「ようやく」と感じる時に使用します。
実際の例文を見てみましょう。
- まんをじして人気アイドルが紅白に登場する。
- 企業がまんをじしてEV市場へ参入する。
- うちもまんをじしてテレビを買い替えた。
- 3年の時を経て、まんをじして新モデルが登場する。
- 日本代表がまんをじして決勝戦に挑む。
- まんをじして大物ゲストが番組に登場します。
- 新作のアルバムをまんをじして世に放つ。
- まんをじしてようやく会えた。
- まんをじして選挙に出馬します。
- まんをじして助けに向かう。
- まんをじしてダムが建設された。
「まんをじして」の由来
「まんをじして」は中国語の「持満(ジーマン)」が由来とされています。
持満が登場するは、紀元前91年頃に、中国の司馬遷(しばせん)という人物が記述した「史記(しき)」です。
越王との戦いで、仲間を失った呉王が復讐をしようと準備をしていました。
準備をしているということを聞いた越王は、早めに呉王を倒そうと考えますが、家臣から止められます。
しかし、家臣の助言を聞かずに越王は攻撃を仕掛けます。
一方の呉王は戦いの準備をしていたので、越王は返り討ちに合ってしまいます。
その時に家臣は、「まんをじしている者には、天の助けがある」と越王にアドバイスを行うのでした。
その後、越王は呉王に一度屈服しますが、タイミングを伺いながら20年後に呉を滅ぼすのでした。
ちなみに、この史記で登場する「まんをじする」とは、弓を引っ張っていつでも攻撃できる状態のことを指します。
そのため、現在でも「持満」にはこちらの意味があります。
「まんをじして」の類義語
「まんをじして」の類義語には以下のようなものがあります。
- 爪を研ぐ
準備してタイミングを狙う - 待ち構える
準備して相手を待つ - 手ぐすね引く
機会を待ち構える - 機が熟する
タイミングがよくなる - 時が満ちる
絶好のタイミングになる - 頃合いを見て
タイミングを伺って - クライマックスに及んで
気分などが最高潮になる
「まんをじして」の対義語
「まんをじして」の対義語には以下のようなものがあります。
「まんをじして」の英語訳
「まんをじして」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- wait for the right moment
(絶好のタイミングを待つ) - wait until the perfect timing
(正しいタイミングまで待つ) - wait with full preparation
(準備万端で待つ) - long-awaited
(待ち続けている)
「まんをじして」のまとめ
以上、この記事では「まんをじして」について解説しました。
読み方 | まんをじして |
---|---|
意味 | ようやく、待ち続けて最もよいタイミングになった |
由来 | 中国語の「持満」 |
類義語 | 爪を研ぐ 待ち構える 手ぐすね引く など |
対義語 | 準備不足 性急(せいきゅう) 拙速(せっそく) など |
英語訳 | wait for the right moment wait until the perfect timing wait with full preparation など |
「まんをじして」は日常生活でもよく使用する単語です。
意味や使い方が理解できれば、表現の幅も広がりますね。
ぜひ、この記事を参考にして意味や使い方を覚えましょう。