「拙速(せっそく)」とは?意味や使い方を例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「拙速(せっそく)」です。

言葉の意味・使い方・類義語・対義語についてわかりやすく解説します。

「拙速」の意味をスッキリ理解!

拙速(せっそく):できはよくないが、仕事が速いこと

「拙速」の意味を詳しく

「拙速」は「できはよくないが、仕事が速いこと」を意味します。

「拙速」の「拙」という漢字は訓読みで「つたな(い)」と読み、「へた」「劣っている」を意味します。つまり、仕事であれば「質が低い」「上出来ではない」ということを表します。

「速」と組み合わさり、「拙いけれど速い」という意味で「拙速」となります。

 

「拙速」はポジティブな意味でも、ネガティブな意味でも使われます。「拙」はネガティブな意味を持ち、「速」はポジティブな意味を持つため、どちらを重く見るかで捉え方が変わります。

そのため、使われた文脈や状況から判断する必要があります。次の項目で例文をいくつか挙げます。どちらのニュアンスで使用されているか考えましょう。

「拙速」の使い方

  1. 納期まで時間が残されていないため、今回は拙速で有名な業者に頼もう。
  2. 君の実験は拙速だね。昨日議論した内容をすぐに検証する姿勢はいいけど、細かい実験条件まで気が回っていないよ。
  3. 拙速に動ける人材は貴重だから、ついつい君に仕事を頼んでしまうよ。
  4. 出会ったばかりの女性に告白するなんて、拙速に過ぎる。

上記の例文のように、「拙速」は仕事をする速さを表すことが多く、ビジネスの場でよく使われます。

 

①の「拙速」は「十分な内容ではないが、速く仕上がる」ことを意味します。この場面では、仕事の速さをメリットとして捉えています。

②は「仕事は速いが、できが良くないこと」という意味で「拙速」が使われています。ここでは、ポジティブな点とネガティブな点の両方を挙げています。ただ、後に述べる方が本当に言いたいことである場合が多いため、どちらかといえばネガティブなニュアンスを持ちます。

③の「拙速」は「十分な内容ではないが、速く仕上がる」ことを表します。「拙速」が重宝されているため、ポジティブな意味で使われています。

④は「拙速に過ぎる」で「タイミングがはやい、時期に達していない」という意味を表します。この表現はネガティブなニュアンスを強調します。

「拙速」の類義語

「拙速」には以下のような類義語があります。

  • 性急:気が短くせっかちなこと
  • 早計:早まった考え、軽率な考え
  • 短兵急(たんぺいきゅう):にわかに行動を起こすさま

「拙速」の対義語

「拙速」には以下のような対義語があります。

  • 巧遅:巧みであるが、仕上がりは遅い

ちょうど「拙速」と反対の意味を持っています。

「拙速」と「巧遅」を使用した慣用句を紹介します。

「巧遅は拙速に如(し)かず」の意味を詳しく解説

これは「巧遅は拙速に及ばない」という意味です。つまり、仕事の速さの重要性を表しています。

しかし、「質は重要でないなら適当な仕事でいいや」と思うと失敗します。この慣用句の真意は、「行動力を身に着けろ」「締め切りや好機を逃すな」というところにあると解釈しましょう。

この慣用句の由来は、中国の『文章規範』にあります。この書は科挙という中国の国家試験の参考書として作られたものです。

この書の中で「巧遅は拙速に如かず」は、簡潔な文章を書くためのアドバイスとして使われています。

まとめ

以上、この記事では「拙速」について解説しました。

読み方拙速(せっそく)
意味できはよくないが、仕事が速いこと
類義語性急、早計、短兵急など
対義語巧遅など

「拙速」は「拙いけれど速い」という良い面と悪い面を一語で表す熟語です。使われる状況や、使う人の価値観によってニュアンスが変わります。文脈からニュアンスをくみ取るようにしましょう。