「存じます(ぞんじます)」とは?意味や使い方を解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、敬語の「存じます(ぞんじます)」です。

言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

「存じます」の意味をスッキリ理解!

存じます(ぞんじます):思います、または、知っていますという意味の謙譲語

「存じます」の意味を詳しく

「存じます」には以下の2つの意味があります。

「存じます」の意味
  1. 思います
  2. 知っています
①の用法で使われることが多いですが、②の用法で使われることも少なくはないです。

それぞれの意味について、詳しく見ていきましょう。

意味①:思っています

「存じます」のメインの意味は「思います」です。

目上の人に対して「思います」と言いたいときによく使う表現です。ただ、あまり何度も使いすぎると堅苦しく感じるので、「思います」もバランスよく織り交ぜて使うことが多いです。

特に、文中で「〜と思いましたので」などと言いたい場合は、「〜と存じましたので」とは言わず、「思う」を使うことが多いです。

意味②:知っています

「存じます」には「知っています」という意味もあります。

こちらの意味で使われる場合は、「存じ上げます」もしくは「存じております」という言い回しのことが多いです。

 

このような意味になるのは、「存じます」が、以下の2つの単語で構成されているからです。

「存じます」を構成する単語
  • 存じる:「思う」「知る」という意味を持つ謙譲語
  • ます:丁寧語
  • そのため、目上の人が主語となる際に「存じます」を使うのは誤りです。たとえば「〜を知っていますか?」と聞きたい場合は、「〜を存じていますか?」ではなく、「〜はご存知ですか?」と言います。

    参考:敬語の3分類

    敬語には3つの種類があります。

    敬語の3つの種類
    • 尊敬語:相手を立てる言葉。相手が主語のときに使う
    • 謙譲語:自分がへりくだる言葉。自分が主語のときに使う
    • 丁寧語:聞き手に対して、表現を丁寧にする言葉。「です」「ます」「お○○」「ご〇〇」などが該当する
    尊敬語/謙譲語は、誰がその動詞の主語になるかによって使い分けます。丁寧語は誰が主語であっても使えます。

    「存じます」の使い方

    「存じます」には以下のような言い回しがあります。

    「存じます」の言い回し
    • いただきたく存じます/いただければと存じます
    • させていただきたく存じます
    • お願いしたく存じます
    • 問題ないかと存じます
    • ご承認賜(たまわ)りたく存じます
    • 失礼かと存じますが
    • 〜と存じますがいかがでしょうか
    • 〜様のおかげと存じます
    • 〜できればと存じます
    • ありがたく存じます/ありがとう存じます
    • 幸甚(こうじん)と存じます
    • 光栄に存じます
    • 恐悦至極(きょうえつしごく)に存じます
    • 大変嬉しく存じます
    • 存じております
    • 存じ上げております
    これらの言い回しからもわかる通り、ほとんどは何かしらの希望や感情と結びつき、「思います」という意味を表します。

    それでは、それぞれの言い回しについて、例文と一緒に見ていきましょう。

    「いただきたく存じます/いただければと存じます」の使い方

    「いただきたく存じます/いただければと存じます」は、「〜してもらえたらと思う」という意味です。

    目上の相手に、やんわりとお願いをするときに使います。

    なお、「頂く」は「食べること」「飲むこと「もらうこと」の謙譲語であるため、お願いの内容が「食べること」「飲むこと」「もらうこと」に関係している場合は「頂く」という漢字を使っても構いません。

    それ以外の場合は、「いただく」は補助動詞になるため、ひらがなで表記しましょう。

    例文
    先ほどお見積もりをお送りいたしましたので、ご確認いただければと存じます

    「させていただきたく存じます」の使い方

    「させていただきたく存じます」は、「〜させてもらえたらと思う」という意味です。

    相手に許可をとったこと、もしくは相手に依頼されたことに対してのみ使える言い回しです。

    許可をとる必要のないことや自ら申し出たことには使えません。
    例文
    先日申請した通り、今晩夜、校舎内に入構させていただきたく存じます

    「お願いしたく存じます」の使い方

    「お願いしたく存じます」は、「〜をお願いしたいと思う」という意味です。

    こちらも相手にやんわりお願いをするときの言い回しです。

    例文
    お振込に関しては、お客様の方でお願いしたく存じます

    「問題ないかと存じます」の使い方

    「問題ないかと存じます」は、「問題ないと思う」という意味です。

    「問題ありません」に比べて、「思う」というニュアンスが入るため、断定を避けられる表現になります。

    例文
    その件については、本対応で問題ないかと存じます

    「ご承認賜りたく存じます」の使い方

    「ご承認賜りたく存じます」は、「認めてもらえたらと思う」という意味です。

    相手に承認をお願いするためのフレーズです。「賜る」は「もらう」の謙譲語であるため、謙譲語に謙譲語を重ねた丁寧な言い回しです。

    例文
    突然の変更となり大変ご迷惑をおかけしますが、ご承認賜りたく存じます

    「失礼かと存じますが」の使い方

    「失礼かと存じますが」は、「失礼だとは思うけれど」という意味です。

    相手に対して言いにくいことを言う前のクッションとなる言葉です。こういう言葉のことを「クッション言葉」と言います。

    例文
    失礼かと存じますが、そのスケジュールでは、先方に少々不都合を生じさせてしまうのではないでしょうか。

    「〜と存じますがいかがでしょうか」の使い方

    「〜と存じますがいかがでしょうか」は、「〜と思うけどどうだろう」という意味です。

    自分の意見をやんわりと言ったあとに、相手の意見を聞いている表現です。

    例文
    彼女は本件の成功に非常に貢献しており、昇給も妥当かと存じますが、いかがでしょうか

    「〜様のおかげと存じます」の使い方

    「〜様のおかげと存じます」は、「〜様のおかげだと思っている」という意味です。

    自分の成功に関して、誰かを立てるときによく使われます。

    例文
    本プロジェクトの成功は、ひとえに〇〇様のおかげと存じます

    「〜できればと存じます」の使い方

    「〜できればと存じます」は、「できれば〜したいと思う」という意味です。

    自分のする行動に関して、やんわりと相手の許可を求めている言葉です。「させていただきたく存じます」よりも幅広く使えます。

    例文
    明日から3日間、こちらの資料をお借りできればと存じます

    「ありがたく存じます/ありがとう存じます」の使い方

    「ありがたく存じます/ありがとう存じます」は、「ありがたいと思います」という意味です。

    どちらも同じ意味ですが、「ありがたく存じます」の方が一般的です。

    例文
    この度はお力をいただき、誠にありがたく存じます

    「幸甚と存じます」の使い方

    「幸甚と存じます」は、「とてもありがたく、これ以上ないほど幸せだと思う」という意味です。

    相手にお礼をするときも、お願いをするときも使えます。お礼をするときは「〜していただき幸甚と存じます」、お願いをするときは「〜していただければ幸甚と存じます」と言います。

    例文
    工事につきご迷惑をおかけいたしますが、ご理解いただければ幸甚と存じます

    「光栄に存じます」の使い方

    「光栄に存じます」は、「とても名誉(めいよ)なことだと思う」という意味です。

    誰かに褒められたときなどに使います。

    例文
    お褒めに預かり、光栄に存じます

    「恐悦至極に存じます」の使い方

    「恐悦至極に存じます」は、「恐れ多いほどにありがたく思う」という意味です。

    相手に対して非常にかしこまっている表現です。使いすぎると仰々しく思われることもあります。

    例文
    本日はこのような場にお招きいただき、恐悦至極に存じます

    「大変嬉しく存じます」の使い方

    「大変嬉しく存じます」は、「とても嬉しく思う」という意味です。

    例文
    温かい言葉をいただいたこと、大変嬉しく存じます

    「存じております」の使い方

    「存じております」は、「知っている」という意味です。

    「知る」という意味の謙譲語である「存じる」に、「いる」の謙譲表現である「おる」、それにさらに丁寧語の「ます」をつけています。

    「存じます」を「知る」の意味で使う場合、「思う」の意味と区別するため、「存じております」という言い回しを使う方が多いです。

    例文
    その件については存じております

    「存じ上げております」の使い方

    「存じ上げております」も、「知っている」という意味です。

    「存じます」「存じております」が何にでも使えるのに対し、「存じ上げております」は人にしか使うことができません。その代わり、人に対してはもっぱら「存じ上げております」が使われます。

    「存じ上げております」には「存じる」「おる」「ます」に加えて、「上げる」という謙譲の意味を強める単語がついています。物相手に使うにはあまりにもへりくだりすぎているため、人相手以外には使いません。

    例文
    〇〇先生のことは、学生の頃から存じ上げております

    「存じます」の類義語

    「存じます」には以下のような類義語があります。

    • 承知:知っていること
    • 所存:心の中で思っていること
    • 了承:相手の事情を理解して納得すること
    • 心得ております:相手のことを理解していること
    • お察しします:相手の事情や心情を慮(おもんぱか)り、同情すること
    • 〜であります:「〜だ」を意味する丁寧語
    • 〜でございます:「〜だ」を意味する丁寧語
    • 〜です:「〜だ」を意味する丁寧語

    「存じます」と「所存」の違い

    「存じます」と「所存」には、以下の違いがあります。

    • 存じます:「思う」や「知っている」という意味の謙譲表現
    • 所存:「思うところ」や「考え」という意味の謙譲表現
    「所存」には「知っている」という意味はありません。そのため、「所存」は自分の意見を述べるときだけに使います。「存じます」はより広い場面で使うことができます。
    「所存」の例文
    今後とも御社の発展に貢献していく所存です。

    「存じます」の英語訳

    「存じます」を英語に訳すと、次のような表現になります。

    • know
      (知る)
    • I am honored〜
      (光栄に思います)
    • appreciate
      (感謝)
    • feel deeply
      (深く心を動かされる)

    英語にはあまり尊敬語や謙譲語の概念がないため、代わりに感謝の気持ちをつけることで相手への敬意を表すことが多いです。

    まとめ

    以上、この記事では「存じます」について解説しました。

    読み方存じます(ぞんじます)
    意味思います、知っています
    類義語承知、所存、〜ですなど
    英語訳I am honored〜(光栄に思います)など

    うまく使えると、ビジネスシーンで非常に役に立つ言葉です。