「羽化登仙」の意味とは?使い方から類語や英語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「羽化登仙(うかとうせん)」です。

言葉の意味・使い方・由来・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「羽化登仙」をざっくり言うと……

読み方羽化登仙(うかとうせん)
意味身体に羽根が生えて仙人となり、天に登ること。また、酒に酔って気持ちよくなること。
由来『前赤壁賦(ぜんせきへきふ)』における記述
類義語壺中之天、一壺之天、酔生夢死、浅酌低唱など
対義語阿鼻叫喚
英語訳a sense of release as if one had wings and were riding on air(羽根を持ち、空を飛ぶような解放感)

「羽化登仙」の意味をスッキリ理解!

羽化登仙(うかとうせん):身体に羽根が生えて仙人となり、天に登ること。また、酒に酔って気持ちよくなること。

「羽化登仙」の意味を詳しく

「羽化登仙」は「羽化」と「登仙」という2つの語句から構成されています。

「羽化」は、一般的には「昆虫が」幼虫または蛹(さなぎ)から変態することで成虫になることを意味します。しかし、羽化は「人間」に対して用いることもできます。その場合、「人間に羽が生えて、空を飛べる仙人となること」を意味します。

また、「登仙」は「仙人になって天にのぼること」を意味します。

 

つまり、「羽化」と「登仙」が合わさってできた「羽化登仙」は、人間に羽根が生えて、仙人となり空を飛び、天に登ることを意味します。

また天に登ることで、俗世での悩みやしがらみから解放されるということから転じて、酒に酔い、心地よい気持ちになっていることも表すようになりました。

「羽化登仙」の使い方

  1. 久しぶりの親友との再会なので、酒が進み羽化登仙の心地だ。
  2. 今年ずっと取り組んできたプロジェクトが成功し、打ち上げの酒の席では、羽化登仙の気分であった。
  3. 昨晩はたくさん飲んで羽化登仙の心地だったが、今日の朝は二日酔いで最悪の気分であった。

「羽化登仙」の由来

中国の詩人である蘇軾(そしょく)が書いた『前赤壁賦(ぜんせきへきふ)』という書物があります。

『前赤壁賦』の中に、「羽化して登仙するが如し」という言葉があります。これは、「身体に羽根が生えて、天に登って仙人となったような気分であること」を表しています。

「羽化登仙」は、この「羽化して登仙するが如し」という言葉を由来としています。

 

「羽化登仙」の類義語

羽化登仙には以下のような類義語があります。

  • 壺中之天(こちゅうのてん):酒を飲んで俗世間を忘れること。
  • 一壺之天(いっこのてん):俗世界とは隔離された別世界。
  • 酔生夢死(すいせいむし):酒に酔って、夢を見ているような心地で死んでいくこと。
  • 浅酌低唱(せんしゃくていしょう):ほどほどに酒を味わいながら、小声で詩歌を歌い楽しむこと。

「羽化登仙」の対義語

羽化登仙には以下のような対義語があります。

「羽化登仙」の英語訳

羽化登仙を英語に訳すと、次のような表現になります。

    • a sense of release as if one had wings and were riding on air

      (羽根を持ち、空を飛ぶような解放感)

まとめ

以上、この記事では「羽化登仙」について解説しました。

読み方羽化登仙(うかとうせん)
意味身体に羽根が生えて仙人となり、天に登ること。また、酒に酔って気持ちよくなること。
由来『前赤壁賦(ぜんせきへきふ)』における記述
類義語壺中之天、一壺之天、酔生夢死、浅酌低唱など
対義語阿鼻叫喚
英語訳a sense of release as if one had wings and were riding on air(羽根を持ち、空を飛ぶような解放感)

身体に羽根が生えて、天に登っているような気分にさせてしまうお酒の効果は絶大です。時には、お酒に酔って気持ちよくなることも必要でしょう。

しかし、気持ちよくなりすぎると、背中の羽根どころか他人からの信用も失ってしまうかもしれません。

ずっと「羽化登仙」な心地でいられるようなお酒の楽しみ方をしましょう。