ことわざ「うだつが上がらない」の意味と使い方:例文付き

言葉

今回ご紹介する言葉は、ことわざの「うだつが上がらない」です。

言葉の意味・使い方・由来・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

「うだつが上がらない」の意味をスッキリ理解!

うだつが上がらない:いつまでたっても出世しないこと

「うだつが上がらない」の意味を詳しく


「うだつが上がらない」には、以下の2つの意味があります。

「うだつが上がらない」の意味
  1. いつまでたっても出世しない
  2. 金銭的に恵まれず、生活が向上しない
①がメインの意味です。

基本的に、思うようにならず、一定期間ぱっとしない状況が続く様子を表します。

「うだつが上がらない」は、基本的にネガティブな意味になります。そのため、面と向かって言うと悪口になる可能性があります。

「うだつ」は、漢字では「卯建」「梲」「宇立」などと書きます。

「うだつが上がらない」の使い方

「うだつが上がらない」は、以下のような場面で使用します。

「うだつが上がらない」を使う場面
  1. 謙遜するとき
  2. 良くない現状についてほのめかすとき
  3. 誰かを悪く評価するとき

それでは、それぞれの場面について、例文と一緒に見ていきましょう。

使い方①:謙遜するとき

「うだつが上がらない」は自分が置かれている状況を自虐したり、謙遜したりして説明するときに使うことがあります。

例文
どうせ私は、君と違ってうだつの上がらない人間だよ。

使い方②:良くない現状についてほのめかすとき

仕事面や金銭面において望ましくない状況を表現するために、「うだつが上がらない」と言うことがあります。

例文
  1. 頑張って働いてはいるが、借金のせいで、まったくうだつが上がらない
  2. ここ最近、うだつが上がらなそうな顔をしているが、どうしたんだ。そんな顔をしていると、本当に出世が遠のくぞ。
①の例文における「うだつが上がらない」は、「金銭的に恵まれず、生活が向上しない」という意味です。

一方、②の例文における「うだつが上がらない」は、「いつまでたっても出世しない」という意味です。

使い方③:誰かを悪く評価するとき

「うだつが上がらない」は、しばしば第三者の噂や悪口を言う際に使われることもあります。

例文
彼も彼なりに努力はしているようだが、いつまでたってもうだつが上がらない

「うだつが上がらない」の由来

「うだつが上がらない」の由来は、諸説あります。

今回は、有力な説を四つご紹介します。

「うだつが上がらない」の由来の有力な説
  1. 防火壁を由来とする説
  2. 梁(はり)の上に立てる柱を由来とする説
  3. 棟木から押さえつけられる様子を由来とする説
  4. 年中下積みになっている土台の枠を由来とする説
それぞれの説について、詳しく見ていきます。

①防火壁を由来とする説

△防火壁の例

建物の外に張り出した防火用の壁のことを、「うだつ」「うだち」と言います。この意味の場合、漢字では「卯建」「宇立」と書きます。

「うだつ」は、江戸時代に、関西地方を中心に作られました。

立派な「うだつ」をつけるためには、相応の建築費がかかりました。そのため、裕福な家ほど立派な「うだつが上がる」ことになります。このことから、「うだつが上がる」ことは身分・裕福さの象徴になりました。

また、ここから、「うだつが上がらない」ことは、貧しいこと・貧相な家に住んでいることを意味するようになりました。

②梁(はり)の上に立てる柱を由来とする説

△棟木の例

屋根の骨組みの最上部にある木材のことを、棟木(むなぎ)といいます。

△梁の例

また、柱に対して垂直に配置し、上部からの重みを支える木材のことを、梁といいます。

さらに、梁の上に立ち、棟木を支える短い柱のことを、「梲(うだつ)」といいます。

この説によると、「うだつが上がらない」とは、「梲を立てることができない」ということを表します。

「経済状況が悪く、自分の家の梲すら作れていない」ということから、「うだつが上がらない」が現在のような意味になりました。

③棟木から押さえつけられる様子を由来とする説

「梲(うだつ)」は、棟木を支える存在です。

そのため、「梲」は、棟木から押さえつけられているようにも見えます。

この様子を、上司の圧力により出世できない人に重ねた表現が、「うだつが上がらない」です。

④年中下積みになっている土台の枠を由来とする説

掘井戸など周囲を石で積み上げる時、一番下の土台として組む枠のことも「うだつ」と言います。

この「うだつ」は年中下積みになっていて、上から押さえつけられています。

この様子を、上司の圧力により出世できない人に重ねた表現が、「うだつが上がらない」という説です。

「うだつが上がらない」の類義語

「うだつが上がらない」には以下のような類義語があります。

  • 甲斐性(かいしょう)なし:頼りにならない人のこと
  • 三年鳴かず飛ばず:長い間何もしないか、これといった結果を出さずに過ごすことのたとえ
  • 伸び悩む:思ったほど伸びず、期待より低い水準で停滞すること
  • 冴えない:ぱっとせず、面白みに欠けること
  • 芽が出ない:幸運が巡って来ず、なかなか成功できないこと
  • ろくでなし:のらりくらりしていて役に立たない者
  • 三下(さんした):取るに足らない者、下っ端の者

「うだつが上がらない」の対義語

「うだつが上がらない」には以下のような対義語があります。

  • 錦(にしき)を飾る:出世・成功をし、故郷に帰ること
  • 一花咲かせる:成功し、一時華やかに栄えること
  • 立身出世:社会的に高い地位を得て、世に認められること

「うだつが上がらない」の英語訳

「うだつが上がらない」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • He can’t get on in the world.
    (彼は成功できない。)
  • He cannot make any progress.
    (彼には、進歩がない。)

“get on in” で「成功する」という意味です。

これに否定の “not” や “cannot” をつけることで「成功しない」「出世できない」といった意味になります。

まとめ

以上、この記事では「うだつが上がらない」について解説しました。

意味いつまでたっても出世しないこと
由来一説によると、相応の建築費がかかる防火用の壁を「うだつ」と呼ぶことから
類義語甲斐性なし
対義語錦を飾る、一花咲かせるなど
英語訳He can’t get on in the world.(彼は成功できない。)

「いつまでたっても出世しないこと」「生活が向上しないこと」など、「うだつが上がらない」の意味は幅広いです。

そのため、比較的使い勝手がよいことわざといえるでしょう。

皆さんも、ぜひ1度使ってみてください。