「トレードオフ」の意味とは?具体例から類語までわかりやすく解説

言葉

トレードオフとは「何かを達成するために、他の何かを犠牲にしなければいけない関係」という意味です。

トレードオフという言葉を聞いたことがある人は多いと思います。

しかし、「詳しい意味がわからない」と感じている人も多いのではないでしょうか。

そこで、この記事ではトレードオフの意味や具体例についてわかりやすく解説していきます。

☆「トレードオフ」をざっくり言うと……

英語表記トレードオフ(trade off)
意味何かを達成するために何かを犠牲にしなければいけない関係
具体例品質の高さと価格の低さ
仕事に使う時間とプライベートに使う時間
社会保障の充実と税負担の大きさ
卵の大きさと数
語源英語の “trade off”
類義語あちらを立てればこちらが立たず
一得一失
二律背反 など
対義語両立
Win-Win
関連語機会費用
ジレンマ
解決策2つの要素の最適なバランスを考える
本当にトレードオフか考える

「トレードオフ」の意味

トレードオフ

  1. 何かを達成するために何かを犠牲にしなければいけない関係
  2. 取引・貿易

トレードオフは、一方の状態を良くすると、もう一方の状態が悪くなってしまうような関係のことを指します。

まるでシーソーのように、一方を持ち上げると他方が下がってしまう関係性を表すのです。

「トレードオフ」の具体例

この見出しでは、以下の場面別に「トレードオフ」の具体例を見ていきましょう。

  • ビジネスシーン
  • 日常生活
  • 経済学
  • 生態学

具体例①:【ビジネスシーン】品質と価格

ビジネスでは製品やサービスの品質の高さと価格の低さがトレードオフになることが有名です。

まず、品質を上げようとすると、開発や製造により多くの時間と費用がかかり、コストが上がります。

そして、コストを回収するためには価格を上げざるを得ません。

一方、価格を下げるためには、より低コストで開発・製造する必要があります。すると、当然品質は下がるのです。

具体例②:【日常生活】仕事とプライベート

日常生活では、仕事に使う時間とプライベートに使う時間はトレードオフの関係です。

1日はどんなに頑張っても24時間で変わらないため、仕事に使う時間が増えればプライベートに使う時間は減ります。

一方、プライベートに使う時間が増えれば、仕事に使う時間は減るのです。

具体例➂:【経済学】社会保障と税負担

経済学では、たとえば社会保障の充実と税負担の大きさがトレードオフになるとされています。

国は税金により運営されているため、支出が増えればそれだけ収入を増やす必要があります。

社会保障を充実させると支出が増えるため、より多くの税金を徴収する必要があるのです。

経済学では他にも、以下のようなものがトレードオフの関係にあると言われています。

経済学のトレードオフの例
  • 失業率の定価と物価の上昇
  • 経済成長率の高まりと環境破壊の進行
  • 公的支援を必要な人にもれなく行き渡らせることと、支援の不正受給を防ぐこと

具体例④:【生態学】卵の大きさと数

生態学ではたとえば、卵の大きさと数がトレードオフの関係にあります。

卵は大きくなるほど生存率が高くなり、数が多いほどより多くの子孫を残せます。

しかし、卵を作るために使われるエネルギーには限りがあります。

そのため、卵を大きくするほど卵の数は減らさざるを得ず、卵の数を増やすと卵はより小さなものになります。

 

生態学では他には以下のようなものがトレードオフの関係にあります。

生態学のトレードオフの例
  • 植物の地上部分の大きさ(大きいほど光合成しやすい)と地下部分の大きさ(大きいほど栄養を吸収しやすい)

「トレードオフ」の使い方

トレードオフは一方を改善すると他方が悪化する関係を述べる時に用いられます。

特に「トレードオフの関係」という形で用いられることが多いです。

具体的な例文を見ていきましょう。

  1. 遊ぶことと、お金がなくなってしまうことはトレードオフの関係だ。
  2. 安いことと品質がよいことはトレードオフの関係にあると言われていたが、発達した技術によりその考えは古くなった。
  3. トレードオフの概念を理解した上で意思決定をすることで、リスクに対して柔軟な対応が取れる。

「トレードオフ」の語源

トレードオフの語源は英語の “trade off” です。

“trade” と “off” にはそれぞれ以下のような意味があります。

  • trade
    交換する
  • off
    ~から離れる

この2語が合わさって、トレードオフは、「交換することで離れていくものがある、すなわち何かしらの犠牲が出る」という意味を持つようになりました。

「トレードオフ」の類義語

トレードオフには以下のような類義語があります。

  • あちらを立てればこちらが立たず
    一方を立てると、もう一方は立てることができないさま
  • 一得一失(いっとくいっしつ)
    一方で利益があると他方で損失があること
  • 二律背反(にりつはいはん)
    同一の根拠や前提から導き出された2つの判断が両立できないこと
  • 交換条件(こうかんじょうけん)
    あるものを得るために失わなければいけないもの
  • 相殺(そうさい)
    互いに打ち消し会う関係のこと
  • 代償(だいしょう)
    あるものを得るために失う必要があるもの
  • 矛盾(むじゅん)
    あることとあることのつじつまが合わないこと

どの類義語も、あることとあることが両立できないことを表します。

「二兎を追う者は一兎をも得ず」は類義語ではない

「二兎を追う者は一兎をも得ず」は類義語ではないので注意しましょう。

「二兎を追う者は一兎をも得ず」は「欲を出して2つのことを同時に成し遂げようとしても、結局どちらも失敗する」という意味だからです。

「トレードオフ」の対義語

トレードオフには以下のような対義語があります。

  • 両立
    両方とも成り立つこと
  • Win-Win
    お互いに利益が得られること

「トレードオフ」の関連語

トレードオフには以下のような関連語があります。

  • 機会費用
  • ジレンマ

それぞれの関連語について詳しく見ていきましょう。

機会費用

機会費用とは、最大の利益を生む選択をしなかった時に生じる損失のことです。

最大の利益を生む選択をしなかった場合、本来得られるはずだった利益を得られません。

この損失を最大の利益を生まない選択肢を選んだ時の「費用」と表現しているのです。

ジレンマ

ジレンマとは、ある問題についてとり得る2つの選択肢のどちらを選んでも何らかの不利益がある状態のことです。

有名なジレンマには以下のようなものあります。

有名なジレンマ
  • ヤマアラシのジレンマ
    寒い場所にいるヤマアラシは互いの体を寄せ合うことで温め合おうとするものの、針に覆われているため、近づきすぎると傷つけあってしまう
  • イノベーションのジレンマ
    大手企業はイノベーションを起こすのに必要な大きなリスクを取れず、リスクを取ったベンチャー企業がイノベーションを起こすと敗北する

「トレードオフ」が起きた時の解決策

トレードオフが起きた時の対処法としては、主に以下の2つが挙げられます。

  • 2つの要素の最適なバランスを考える
  • 本当にトレードオフか考える

それぞれの対処法について詳しく見ていきましょう。

対処法①:2つの要素の最適なバランスを考える

トレードオフが起こった時には、2つの要素の最適なバランスを考えるのが重要です。

もともと両立はできないのですから、もっともベストな配分を考えましょう。

たとえば、価格と品質のトレードオフであれば、まず価格を決め、その価格の中で最大限の品質を目指せばよいでしょう。

対処法②:本当にトレードオフか考える

トレードオフが起こった時には、本当にトレードオフか考えることも重要です。

中には、トレードオフに見えていたものが、視点を変えればトレードオフでなかったという場合があります。

たとえば、店舗を展開する小売店にとって、良い立地とその土地の利用料はトレードオフと言えます。

しかし、発想を転換してネットで商品を売るようにすれば、必ずしも上記のトレードオフにとらわれずに済むのです。

補足:「トレード」がつく言葉

トレードがつく言葉としては以下のようなものが挙げられます。

  • トレードオフスライダー
  • トレードマーク
  • トレードタームズ
  • トレードシークレット
  • トレードマネー
  • フェアトレード
  • トレードショー
  • トレードネーム
  • トレードユニオン

それぞれの言葉について詳しく見ていきましょう。

トレードオフスライダー

トレードオフスライダーとは、企業でプロジェクトを始める時にトレードオフになる要素の優先度を可視化したものです。

コスト、品質などの要素の優先度をそれぞれ5段階評価します。

トレードオフスライダーを作ることで、関係者の間で認識を簡単にすり合わせることができます。

トレードマーク

トレードマークとは、一般的にはある人物を特徴づけているもののことです。

たとえば、赤い髪の毛が印象的な男性について説明するとき、「赤髪が彼のトレードマークだ」などと言うことができます。

ビジネスでは商標のことを指します。

商標とは、自社で生産・販売していることを表すマークのことです。

トレードタームズ

トレードタームズとは国際的な貿易取引を行う時の取引条件のことです。

国によって法律は異なるため、国をまたぐ取引がスムーズにできるように定められています。

具体的には、輸送料などの価格、引き渡しの場所などが定められています。

トレードシークレット

トレードシークレットとは、財産的な価値がある企業の機密情報のことです。

たとえば、顧客情報や独自のノウハウなどの情報を指します。

トレードマネー

トレードマネーとは、選手の移籍に必要な金額のことです。

野球やサッカーなどのスポーツで、ある選手があるチームから他のチームに移籍する時にかかる費用を指します。

フェアトレード

フェアトレードとは、公平で公正な取引のことです。

特に生産側の労働者が搾取されていないような取引のことを指します。

トレードショー

トレードショーとは、企業が新技術や新商品などを発表する展示会のことです。

一般の消費者が対象ではなく、企業同士が商取引を行う場になっています。

日本語では産業見本市と呼びます。

トレードネーム

トレードネームは商品名、商標のことです。

トレードユニオン

トレードユニオンとは、労働組合のことです。

労働者が団結して労働条件の改善を目指すために作る団体です。

「トレードオフ」のまとめ

以上、この記事では「トレードオフ」について解説しました。

英語表記トレードオフ(trade off)
意味何かを達成するために何かを犠牲にしなければいけない関係
具体例品質の高さと価格の低さ
仕事に使う時間とプライベートに使う時間
社会保障の充実と税負担の大きさ
卵の大きさと数
語源英語の “trade off”
類義語あちらを立てればこちらが立たず
一得一失
二律背反 など
対義語両立
Win-Win
関連語機会費用
ジレンマ
解決策2つの要素の最適なバランスを考える
本当にトレードオフか考える

何かしらの意思決定をする際に、トレードオフの考え方はとてもよく出てきます。

何かを実行することで失われるものをよく考えて、自分にとって最もよい選択ができるといいですね。

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和佐 崇史
文章を書くこと、読むことが大好きな大学生です。中学2年生で漢検2級を取得するなど、言葉については詳しい自信があります。Webライターとしてはこれまで累計1,000記事以上を執筆してきました。