「踏襲(とうしゅう)」とは?意味や使い方を例文付きでわかりやすく解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「踏襲(とうしゅう)」です。

言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

「踏襲」の意味をスッキリ理解!

踏襲(とうしゅう):前任者の作法などをそのまま受け継ぐこと

「踏襲」の意味を詳しく

「踏襲」とは、前任者の作法などをそのまま受け継ぐことです。「とうしゅう」と読みます。

「踏」という字には、「ふむ」という意味の他に「ふまえる」という意味があります。

また、「襲」という字には「襲撃」などに使われる「おそう」という意味の他に、「襲名(しゅうめい)」「世襲(せしゅう)」などに使われる「受け継ぐ」という意味があります。「踏襲」の場合は、こちらの「受け継ぐ」という意味で用いられています。

先人のやり方をふまえ、受け継いでいくことから、「前任者のやり方をそのまま受け継ぐこと」という意味になるのです。

「踏襲」の使い方

  1. 彼はこれまでのやり方を踏襲し、無難に役割を果たした。
  2. 先代の方法を踏襲するのはいいが、いつまでも同じことをしていては成長できないよ。

上記の例文のように、「踏襲」は「踏襲する」という形で、「やり方」「方法」などといった言葉に続いて使われることが多いです。

①の例文では、「彼」がそれまで行われてきた方法を受け継ぎ、当たり障りなく役割を遂行したことが表現されています。

②の例文では、先代の方法を「踏襲」する相手に対し、そのままでは変化がないことを諭しています。

このように、「踏襲」はポジティブな意味でもネガティブな意味でも使われます。

「踏襲」の類義語

踏襲には以下のような類義語があります。

  • 倣う(ならう):手本を真似すること
  • 準拠:すでにあるものをよりどころとして、それに従うこと
  • 継承:身分や財産などを前代から受け継ぐこと
  • 受け継ぐ:前の人のものを引き継ぎ継続していくこと
  • 維持:もともとの状態を保ち続けること
  • 保守:それまでの状態などを変えないこと

「倣う」「準拠」は、先にあるものを手本にし、そのやり方に従って同じように物事を行うことです。

「倣う」は「踏襲」に対し、「真似をする」というニュアンスが強くなります。また、「踏襲」するのは、前任者などが引退したり亡くなっていたりする場合に限りますが、「倣う」場合にはそうである必要がありません。

「準拠」は「踏襲」や「倣う」に対し、より形式的な部分を真似するというニュアンスが強いです。たとえば、もともとある型の基準通りに商品を作成するときなどといった場面では、「準拠」が使われます。

 

「継承」「受け継ぐ」は、前の人のものを引き継ぐ場合に使う言葉です。「踏襲」はやり方や作法など、形のないものを引き継いだときに使います。一方で、「継承」「受け継ぐ」は財産など形のあるものに対しても使うことができる言葉です。

また、「継承」は正式に役職などを引き継ぐときに使います。それに対して「受け継ぐ」は、軽い仕事やちょっとした伝統などを引き継ぐときにも使え、より広範囲の場面で活躍します。

 

「維持」「保守」は、それまでに存在していたある状態など、もともとある環境をそのままにしている場合に使います。

「踏襲」「継承」「受け継ぐ」などが、誰か特定の人物から引き継ぐというニュアンスが強い一方で、「維持」「保守」は環境や思想などの物事そのものに対して使うことが多いです。

「維持」には、「そのままの状態にし続ける」という意味があります。それに対し「保守」は、「積極的には変えない」というニュアンスがあり、必ずしももとの状態を変えないというわけではないので注意が必要です。

「踏襲」の対義語

踏襲には以下のような対義語があります。

  • 順応:行動などを変化する環境に合わせて対応させること
  • 改正:よくない点などを改めること
  • 更新:新しく上書きすること
  • 刷新:害のあるものを取り除き、新しくすること
  • 革新:古くからある思想や習慣などを新しく変えていくこと

「順応」は、環境などの変化を背景に、自身の行動をふさわしい形に変えていくことです。

「改正」「更新」「刷新」「革新」は、それまでの物事を変える場合に使う言葉です。

「改正」は規則などに対し、「更新」は記録などに対して使います。また、「刷新」「革新」は習慣や体制など、集団の行動規範やルールを変えていくときに使います。

どの言葉も、「変える」という意味が主軸となっており、「やり方を変えない」というニュアンスを持つ「踏襲」とは対になります。

「踏襲」の英語訳

踏襲を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • follow
    (後を継ぐ)

followには「後を継ぐ」「従う」などの意味があります。

followだけでも「踏襲する」という意味にはなりますが、「彼のやり方を踏襲する」などと表現したい場合には “follow in his footsteps” と表現すると自然になります。

まとめ

以上、この記事では「踏襲」について解説しました。

読み方踏襲(とうしゅう)
意味前任者の作法などをそのまま受け継ぐこと
類義語準拠、継承、維持など
対義語順応、改正、更新など
英語訳follow(後を継ぐ)

新しいことが求められる現代では、ただ「踏襲」するだけでは相手を満足させられない場合もあります。いいやり方などを「踏襲」しつつ、うまく新しいアイデアも生み出せるようにしたいですね。