四字熟語「大義名分(たいぎめいぶん)」の意味と使い方:例文付き

言葉

今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「大義名分(たいぎめいぶん)」です。

言葉の意味・使い方・由来・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

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「大義名分」の意味をスッキリ理解!

大義名分(たいぎめいぶん):人として、また臣下として守るべき道理や節義。もしくは自らの行為を正当化するための理由・道義。

「大義名分」の意味を詳しく

「大義名分」は「大義」と「名分」という2つの言葉から構成されています。

「大義」は人としてしたがうべき道徳、ふみおこなうべき正しい道を表しています。

 

「名分」は「名」と「分」という2つの漢字から成り立っています。「名」は、君臣・父子などの主従関係を表す漢字です。「分」は、社会における個人の正しい身分や取り分を表す漢字です。

「分不相応」という言葉がありますが、これはある人がその人の本来の正しい身分や取り分にそぐわない扱いをされている状況を表す言葉です。「身の丈に合わない」という表現もありますが、この「身の丈」は「分」と同じ意味で使われています。

つまり、「名分」は「主従関係や身分に応じて、守らなければならない道義上の分限(身の丈)」を表す言葉です。

 

「大義」は、「人として」守るべき道徳、進むべき正しい道を表します。「名分」は「臣下・身分が低いものとして」守るべき分限(身の丈)を表します。

したがって、「大義名分」は、人として、また臣下として守るべき道理や節義を表す四字熟語です。

 

日本において幕末の時代、列強に対する日本人としての自覚や、国家の君主である天皇に対する忠誠心が、「大義名分」という熟語で表現されるようになりました。そして、それが政治運動を支える理念として、明治維新を推進する役割を果たしました。

幕末の政治運動は、幕府によって規制されていました。そのため、反幕派は自らが「正義」であると主張するために、天皇に対する忠誠という「大義名分」を持ち出し、自らの行動を正当化しました。

このことから、「大義名分」が、自らの行為を正当化するための理由・道義を表すようになりました。

 

今では、後者の意味で使われることが非常に多くなっています。

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「大義名分」の使い方

  1. 日本にまだ身分制度が残っていたころは、皆それぞれ自分の大義名分を意識しながら生活していた。
  2. 「球に慣れさせる」という大義名分を掲げてはいるものの、あの意地悪な先輩が押し付けてくるのは、ただの球拾いにすぎない。
  3. 「卒業論文のデータ集めのため」という大義名分を立てて、親から日本中を旅するための資金を貰った。
  4. 私の親はひどい不安症で、私が1人で旅に出るには大義名分が必要になる。

1つ目の文では、「大義名分」は「人として、また臣下として守るべき道理や節義」という意味で使われています。それ以降の文では、すべて「自らの行為を正当化するための理由・道義」という意味で「大義名分」が使われています。

「大義名分」の由来

北宋(ほくそう)の儒学者である司馬光(しばこう)が表した書物『資治通鑑(しじつがん)』が由来となっています。

司馬光は、『資治通鑑』の冒頭で、

君主が社会の秩序を維持するためには、大義と名分を尊重する必要がある。

と述べています。この言葉が「大義名分」の由来となっています。

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「大義名分」の類義語

大義名分には以下のような類義語があります。

  • 大義滅親(たいぎめっしん):君主や国家に報いるために、親子の情を犠牲にすること。

「大義名分」の英語訳

大義名分を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • good reason
    (正当な理由)
  • in the cause of ~
    (~のために)
  • on the pretext of ~
    (~という表向きで)
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まとめ

以上、この記事では「大義名分」について解説しました。

読み方大義名分(たいぎめいぶん)
意味人として、また臣下として守るべき道理や節義。もしくは自らの行為を正当化するための理由・道義。
由来『資治通鑑(しじつがん)』
類義語大義滅親(たいぎめっしん)など
英語訳good reason(正当な理由),in the cause of ~(~のために),on the pretext of ~(~という表向きで)

「大義名分」は、幕末の時期に紛らわしい使われ方をされてしまったために、意味が大きく変化した四字熟語です。以前は「身の丈、分限」のことを表していましたが、近年では「言い訳」というニュアンスで使われることが多い言葉です。

このように時代を経て、意味が変化した言葉に「潮時」があります。今では「やめるべきタイミング」という意味で使われることの多い言葉ですが、本来の意味は「最も適したタイミング」です。

時代を経て意味が変わってしまった言葉は、その言葉を本来の意味で使うか、広く使われている意味で使うか迷うものです。その意味の変化に「大義名分」があるならば、時代に合わせて新しい意味で言葉を用いていくのも 1つの手でしょう。

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