今回ご紹介する言葉は、熟語の「主体的(しゅたいてき)」です。
言葉の意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「主体的」をざっくり言うと……
読み方 | 主体的(しゅたいてき) |
---|---|
意味 | 自分の意思を持って行動すること |
語源 | アリストテレスの「主体」から |
類義語 | 自主的、積極的、能動的 |
対義語 | 受動的、従属的 |
英語訳 | independent(独立した、主体的な) |
「主体的」の意味をスッキリ理解!
「主体的」の意味を詳しく
「主体的」とは、自分の判断や意思に基づいて考え行動することを表す言葉です。
他人から強制されたり、盲従したり、追随するなどの行動は「主体的」とは言いません。
また、単に「食べたいから、食べる」「寝たいから、寝る」のような行動は「主体的」とは言いません。目的意識や状況に応じた判断に基づく行動を「主体的」と表現します。
「主体的」の使い方
- 困難な状況でこそ主体的な行動が求められる。
- 疑問や興味は、主体的学習を促すとされている。
- 彼は主体的な人だが、少し協調性に欠ける。
すべての例文で、「自分で考えた行動」というニュアンスが共通しています。
また、「主体的」には以下のように決まった言い回しがあるため覚えておきましょう。
- 主体的に動く
- 主体的行動
- 主体的に捉える
- 主体的取り組み
「主体的」の語源
「主体的」の「主体」は、ギリシャの哲学者・アリストテレスが唱えた、主体・客体理論が起源だと考えられています。
アリストテレスは、紀元前4世紀の古代ギリシャにおいてプラトンに師事した哲学者です。
形而上学(物事がいかに存在してるかを追求する学問)をはじめ、自然学・論理学・倫理学など、さまざまな学問の基礎を築きました。
古代ギリシャでは、主体や主観は、人間が生きる意義として重視されていました。そのため、現代においても「主体性」「主体的」という言葉で、広く使われています。
「主体的」の類義語
「主体的」には以下のような類義語があります。
- 自主的:やるべきことが決まっており、その中で自ら行動すること
- 積極的:他からの作用に関係なく、意欲的に物事を行うさま
- 能動的:自ら他へ働きかけるさま
「自主的」と「主体的」の違い
「自主的」と「主体的」では、「自分が行動する」という意味が共通しています。
一方で、「やることがすでに決まっているかどうか」という違いがあり、決まっている場合には「自主的」、決まっていない場合には「主体的」と使い分けましょう。
「積極的」と「主体的」の違い
「積極的」は「意欲的に取り組むこと」であり、必ずしも、「主体的」のように「自分の意思・判断で行動する」というニュアンスはありません。
「能動的」と「主体的」の違い
「能動的」には「他人へ働きかける」という意味がありますが、「主体的」にこうした意味はありません。
「自分が行動する」のが「主体的」であるのに対し、「自分から他人へ働きかける」のが「能動的」と覚えましょう。
「主体的」の対義語
「主体的」には以下のような対義語があります。
- 受動的:自分の意志からでなく、他に動かされるさま
- 従属的:力の強いものに依存し、言いなりになっていること
対義語には、「他人から動かされる」という意味が共通しています。
また、「主体的」の「主体」には、「客体」という対義語があります。「客体」の意味は以下の通りです。
- 認識や行動の対象となるもの
- 意識から独立して存在する外界の事柄
「主体的」の英語訳
「主体的」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- independent
(独立した、主体的な) - self-directed
(自発的な、主体的な)
まとめ
以上、この記事では「主体的」について解説しました。
読み方 | 主体的(しゅたいてき) |
---|---|
意味 | 自分の意思を持って行動すること |
語源 | アリストテレスの「主体」から |
類義語 | 自主的、積極的、能動的 |
対義語 | 受動的、従属的 |
英語訳 | independent(独立した、主体的な) |
「主体的」は日常的に使いますが、類義語が多く使い分けが難しい言葉でもあります。この機会に意味や使い方をしっかり確認しましょう。