今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「上下一心(しょうかいっしん)」です。
言葉の意味・使い方・由来・類義語・英語訳について分かりやすく解説します。
☆「上下一心」をざっくり言うと……
読み方 | 上下一心(しょうかいいっしん) |
---|---|
意味 | 地位や身分の上下こだわらず、目的を果たすために団結すること |
由来 | 『淮南子』 |
類義語 | 一致団結、一致協力、戮力協心など |
英語訳 | cooperation(協力、団結) |
「上下一心」の意味をスッキリ理解!
「上下一心」の意味を詳しく
「上下一心」とは、地位や身分の上下こだわらず、目的を果たすために団結することです。心を一つにすること、心を一つにして事に当たることを指します。
これは、全ての人が団結して物事に取り組めば、どんな困難でも乗り越えることができるという教えから生まれた言葉です。
「上下」とは、身分の上下を表しています。「しょうか」だけでなく、「じょうげ」と読むこともあります。「一心」は、心をひとつにするという意味です。
また、上下一心は、「上下(しょうか)心を一(いつ)にす」とも読むことができます。
「上下一心」の使い方
「上下一心」は、以下のように使われます。
- 今回の件は、我が社最大の山場だ。上下一心で対応に当たろう。
- 彼女の勤めている会社は、社員全員が常に上下一心の意識を持っており、とても風通しの良い会社なのだそうだ。
- 夏の高校野球を見ていると、選手や監督コーチ陣をはじめ、応援席にいる全ての人が心を一つにしていることがよく分かる。まさに上下一心だ。
「上下一心」の由来
「上下一心」は、『淮南子(えなんじ/わいなんし)』という中国の思想書に由来しています。
『淮南子』には国政に関する記述もあり、その中の一節に「上下一心」のルーツがあります。
その一節を現代語訳すると、若い者に外交の策を説明し、慎んで内政を行う。国内の生産に力尽くし、貯えを豊かにし、民に死力を尽くさせて城を堅固にし、身分が上の者も下の者も心を合わせ、君臣も同じ志を持ってともに国家を守る。となります。
ここから、「上下一心」という四字熟語が生まれました。
「上下一心」の類義語
「上下一心」には以下のような類義語があります。
- 一致団結(いっちだんけつ):目的を達成するために、多くの人が心を一つにして協力すること
- 一致協力(いっちきょうりょく):目的を達成するために、多くの人が心を一つにして協力すること
- 戮力協心(りくりょくきょうしん):全員の力を結集して物事に当たること
- 一徳一心(いっとくいっしん):目的や利益が同じ者同士が、心を一つにして物事に当たること
- 君臣同志(くんしんどうし):君主と臣下が協力して物事に当たること
- 一枚岩(いちまいいわ):組織がひとつにまとまっていること
戮力協心の「戮力」は、力を合わせることです。また、「協心」は心を乱さずに、調和をはかることをいいます。語順を入れ替えて「協心戮力」ということもあります。
一徳一心は、上記の意味の他に「君主と臣下が協力して物事に当たること」という意味も表す場合もあります。
君臣同志の「君臣」とは、君主と臣下のことです。
「上下一心」の英語訳
「上下一心」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- cooperation
(協力、団結) - solid combination
(団結、固い結合) - to be united
(団結する)
まとめ
以上、この記事では「上下一心」について解説しました。
読み方 | 上下一心(しょうかいいっしん) |
---|---|
意味 | 地位や身分の上下こだわらず、目的を果たすために団結すること |
由来 | 『淮南子』 |
類義語 | 一致団結、一致協力、戮力協心など |
英語訳 | cooperation(協力、団結) |
地位や身分が上の立場の人が下の立場の人を見下したり、粗末に扱うようでは「上下一心」は実現できません。逆に、下の者が上の者に貢献しようという気持ちがなければ、信頼を得ることはできません。互いに尊重しあい、協力しようとする気持ちを持つことが大切です。
「上下一心」の意味と使い方を覚え、正しく使えるようにしましょう。