今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「生々流転(しょうじょうるてん)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・英語訳をわかりやすく解説します。
☆「生々流転」をざっくり言うと……
読み方 | 生々流転(しょうじょうるてん) |
---|---|
意味 | 全てのものが常に生じ、常に変化すること。 |
類義語 | 有為転変 |
英語訳 | All things are in flux.(全てのものが、絶え間ない変化のなかにある)、All things are constantly changing.(全てのものは、止まることなく変わり続ける) |
「生々流転」の意味をスッキリ理解!
生々流転 (しょうじょうるてん):全てのものが常に生じ、常に変化すること。
「生々流転」の意味を詳しく
「生々流転」は「生々」と「流転」の二つの熟語から成り立っています。どちらも仏教の慣用句から生まれた熟語です。「生々」は「生まれては死に、死んではまた生まれることを永遠に繰り返すこと」という意味です。一方で、「流転」は「物事が止まることなく、移り変わっていくこと」を表します。
仏教用語で「流転」は、「六道(りくどう)の世界の間に迷いながら、生まれ変わり死に変わりすること」という意味でも用いられます。
「六道」とは、「人間は生死を繰り返して、6つの苦しみを次々とめぐるという考え」です。その6つとは、下記のようなものです。
- 地獄:苦痛に溢れていること
- 餓鬼(がき):欲が深いこと
- 畜生(ちくしょう):幸福な人物を妬む(ねたむ )こと
- 修羅(しゅら):他人と競争すること
- 人間:辛さと楽しさがある人間界にいること
- 天上:苦しむこと
なお、「生々流転」を「せいぜいるてん」と読むこともあります。また、「生々流転」は「生生流転」と書くこともあります。
「生々流転」の使い方
- 数年見ないうちに、故郷の景色は大きく変わっていた。生々流転とは言うが、こうも変わるものだろうか。
- 命あるものは、成長し続けて、やがて死を迎える。つまり、すべてのものは生々流転するのだ。
「生々流転」の類義語
生々流転には以下のような類義語があります。
- 有為転変(ういてんぺん):この世は常に移り変わること。世の中が儚い(はかない)ものであること。
- 諸行無常(しょぎょうむじょう):この世の中にある全てのことは移り変わること
- 万物流転(ばんぶつるてん):この世のすべては変化し続けるということ
「有為転変」も「生々流転」と同様、二つの仏教用語から成り立っています。「有為」は「因縁によって生じた様々な現象」「世の中の全てのもの」という意味があります。また、「転変」は「無常であること」という意味です。
「生々流転」の英語訳
生々流転を英語に訳すと、次のような表現になります。
- All things are in flux.
(全てのものが、絶え間ない変化のなかにある) - All things are constantly changing.
(全てのものは、止まることなく変わり続ける)
“All things are in flux.”に含まれる“flux” は、「流転」を表します。
まとめ
以上、この記事では「生々流転」について解説しました。
読み方 | 生々流転(しょうじょうるてん) |
---|---|
意味 | 全てのものが常に生じ、常に変化すること。 |
類義語 | 有為転変 |
英語訳 | All things are in flux.(全てのものが、絶え間ない変化のなかにある)、All things are constantly changing.(全てのものは、止まることなく変わり続ける) |
「生々流転」は一見難しそうに聞こえますが、意味は、漢字からも連想できるようなシンプルなものです。この機会に、しっかり覚えて活用できるといいですね。