今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「諸説紛々(しょせつふんぷん)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳について分かりやすく解説します。
☆「諸説紛々」をざっくり言うと……
読み方 | 諸説紛々(しょせつふんぷん) |
---|---|
意味 | いろいろな憶測や意見、うわさが入り乱れて、真相がわからないさま |
類義語 | 議論百出、甲論乙駁、紛紛聚訴など |
対義語 | 衆議一決、衆口一致、満場一致 |
英語訳 | divergent opinions abound(異なる意見がたくさんある) |
「諸説紛々」の意味をスッキリ理解!
「諸説紛々」の意味を詳しく
「諸説紛々」とは、いろいろな憶測や意見、うわさが入り乱れて、真相がわからないさまのことです。特に、多様な意見がある中で、結論がまとまらない様子を表すことが多いです。
また、誰もが自分の意見を曲げないために、主張が対立している状態も意味します。この場合は、「紛糾(ふんきゅう)」と言い換えることができます。
「諸説」はさまざまな説、「紛々」は入り乱れるさまを表しています。
「紛々」は、「紛紛」「芬芬」と表記することもできます。
「諸説紛々」の使い方
- この事件について、ネット上ではさまざまな意見が飛び交っている。議論を盛り上げるために嘘の目撃証言を書き込む人もおり、諸説紛々としている。
- 沼から新種の生物の骨が発見された。頭が平らであったことから、カッパの骨ではないかという説もあり、諸説紛々としている。
- この病気は、後天的なものだと思われがちだが、先天的な遺伝子の異常を原因とする説もある。学会ではさまざまな意見があり、諸説紛々としている。
➀では、「いろいろな憶測やうわさが入り乱れて、真相がわからないさま」という意味で「諸説紛々」を使っています。
一方、➂では学会で意見が対立している様子を「諸説紛々」と言い表しています。
このように、意見自体の根拠の有無には関わらず、「諸説紛々」を使用することができます。
「諸説紛々」の類義語
「諸説紛々」には以下のような類義語があります。
- 議論百出(ぎろんひゃくしゅつ):さまざまな意見が、数多く出ること
- 甲論乙駁(こうろんおつばく):互いに自分の意見を譲らず、結論が出ないこと
- 賛否両論(さんぴりょうろん):あることについて、賛成と反対の両方の意見があること
- 紛紛聚訴(ふんぷんしゅうそ):多くの人が色々なことを言うこと
「甲論乙駁」は、甲が「論」ずると、乙が「反駁(はんばく)」するということを表します。
「反駁」とは、他人の意見に反対し、論じ返すことです。簡単に言うと、「反論」です。
「諸説紛々」の対義語
「諸説紛々」には以下のような対義語があります。
- 衆議一決(しゅうぎいっけつ):多くの人が議論をした結果、意見がまとまること
- 衆口一致(しゅうこういっち):多くの人の意見が合うこと
- 満場一致(まんじょういっち):その場にいるすべての人の意見が一致すること
「諸説紛々」の英語訳
「諸説紛々」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- divergent opinions abound
(異なる意見がたくさんある) - opinion is divided
(意見が割れている) - there are many rumors afloat
(たくさんの噂が広まっている)
divergent opinions は、「異論」と訳すことができます。abound は、「たくさんある」という意味です。
まとめ
以上、この記事では「諸説紛々」について解説しました。
読み方 | 諸説紛々(しょせつふんぷん) |
---|---|
意味 | いろいろな憶測や意見、うわさが入り乱れて、真相がわからないさま |
類義語 | 議論百出、甲論乙駁、紛紛聚訴など |
対義語 | 衆議一決、衆口一致、満場一致 |
英語訳 | divergent opinions abound(異なる意見がたくさんある) |
日本人は、海外の人に比べて、明確に相手と対立することは少ないと言われています。しかし、時には議論が白熱し、諸説紛々となることもあるでしょう。
また、近年ネットではフェイクニュースが広まることがあります。ネット上の掲示板等は、諸説紛々としていることが少なくありません。
あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、「諸説紛々」を使う機会は必ずあるはずです。しっかり覚えておきましょう。