今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「水天一碧(すいてんいっぺき)」です。
言葉の意味・使い方・由来・類義語についてわかりやすく解説します。
「水天一碧」の意味をスッキリ理解!
水天一碧(すいてんいっぺき):空と海がどちらも青色のとき、地平線で両者が一続きのように見えること
「水天一碧」の意味を詳しく
水天一碧の「水天」には、「水と空」と「海と空」という意味があります。また、「空と海が接するところ」という意味もあります。つまり、「水平線」ということです。
また、「碧」は、深い青色や青緑色を指します。ですから、「一碧」は、空や海の一面が青くなることを意味します。
つまり、水天一碧とは「空と海がどちらも青く、境がなく一続きのように見えること」を意味するのです。
「水天一碧」の使い方
- 沖縄の海は、水天一碧の風景だった。
- ボリビアにあるウユニ塩湖は、湖の表面が鏡のように空を反射しているため、空と海の境目が分からないように見える。まさに水天一碧の景色だ。
- 水天一碧の景色を見ていると、心が安らぐ。
「水天一碧」の由来
「水天一碧」の出典は、中国初唐の詩人である王勃(おうぼつ)が手がけた、『滕王閣序(とうおうかくのじょ)』という文章です。
王勃は「秋水(しゅうすい)は長天(ちょうてん)と共に一色(いっしき)なり」と書きました。「秋水」は秋の川、「長天」は空のことです。つまり、「秋の空のもとで、川と空が一つになっている」という意味です。
この漢文から、水天一碧という四字熟語がうまれました。
「水天一碧」の類義語
水天一碧には以下のような類義語があります。
- 水天一色(すいてんいっしょく):海と空が一続きになり、同じ色になること
- 水天彷彿(すいてんほうふつ):水平線と空の区別がつかないさま
- 一碧万頃(いっぺきばんけい):海などの水面が、遥か彼方まで青々と広がっていること
「水天彷彿」の彷彿は、境目がぼんやりとして見分けにくいことを表します。「水天彷彿たる眺め」などと使います。ちなみに、「水天髣髴」とも書きます。
「一碧万頃」の「頃」は、古代中国における面積の単位です。「万頃」は非常に広いことを表します。
まとめ
以上、この記事では「水天一碧」について解説しました。
読み方 | 水天一碧(すいてんいっぺき) |
---|---|
意味 | 水平線で、空と海が一続きのように見えること |
由来 | 王勃の『滕王閣序』 |
類義語 | 水天一色、水天彷彿、一碧万頃など |
今も昔も、人々は水天一碧の風景を美しいと感じていたのです。
これから、海と空が水平線で一続きになっている風景を見た時には、水天一碧という四字熟語を思い出してみましょう。