「水天一碧」の意味とは?類語から使い方まで例文付きで解説

言葉

水天一碧とは「海と空の青色が美しくとけ合って、境目がわからなくなっていること」という意味です。

水天一碧は、日常会話ではほとんど使わないため、どんな意味なのかわかりにくいですよね。

「自然を表す四字熟語はたくさんあって、覚えるのが大変」と思っている人もいるかもしれませんね。

この記事では、水天一碧の意味や使い方に加えて、自然の景色から生まれた語についても解説します。

「水天一碧」の意味

水天一碧すいてんいっぺき

海と空の青色が美しくとけ合って、境目がわからなくなっていること

水天一碧は、「晴れた日などに、水平線が見えなくなって、海と空がひと続きに見えること」という意味です。

水平線とは、空と海の境として見える平らな線のことです。

↑海と空の境目が水平線

以下の画像のように、水平線が見えなくなるほど、海と空の青色が綺麗にとけ合っていることを表します。

↑水天一碧の状態

ここからは、水天と一碧の意味をそれぞれ詳しく見ていきましょう。

「水天」の意味

水天すいてん

  1. 水(海)と天(空)のこと
  2. 海に映る空のこと
  3. (仏教用語で)水をつかさどる神様。西の守護神でもある

水天一碧では、①の意味で使われています。

「一碧」の意味

一碧いっぺき

海や空が青色になること

一碧は、水面(すいめん)や、空の色が青色一色になることを表します。

ちなみに、碧という漢字は以下のような意味があります。

碧の意味
  1. 深い青色。青緑色

    ↑碧色(へきしょく)

  2. 青くて美しい石

碧がつく語には以下のようなものがあります。

碧がつく語
  • 紺碧(こんぺき)
    やや黒っぽい藍色
  • 碧眼(へきがん)
    青色の目。西洋人
  • 碧落(へきらく)
    青空。遠い場所

「水天一碧」の使い方

水天一碧は、以下のような言い回しで使います。

  • 水天一碧の〇〇
  • 水天一碧である〇〇

〇〇には名詞が入ります。

例文を見てみましょう。

例文
  1. 沖縄の海は、水天一碧の風景だった。
  2. 水天一碧の代表といえば、ボリビアにあるウユニ塩湖だ。
  3. 水天一碧である景色は、私の心を安らかにした。

「水天一碧」の使い方の注意点

水天一碧の間違った使い方には以下のようなものがあります。

  1. 人やものに対して使わない
  2. 動詞のように使わない

注意点①人やものに対して使わない

水天一碧は、景色を表す言葉です。

そのため、人やものを例える時に水天一碧を使うことは誤用です。

注意点②動詞のように使わない

水天一碧は、景色の”状態”を指す言葉です。

そのため、「水天一碧する」という言い回しは誤用です。

「水天一碧」の語源

水天一碧の語源は、中国の唐代初期の詩人である王勃(おうぼつ)が書いた文章『滕王閣序(とうおうかくのじょ)』にあります

滕王閣(とうおうかく)は、中国に実在する高く立派な建物です。

この文章の中に、以下のような一文があります。

落霞与孤鶩斉飛、秋水共長天一色

書き下し文:夕焼けと鴨(かも)一羽共に来たり、秋水は長天と共に一色なり
意味:秋の空のもとで、川と空が一つになっている

秋の空が空に、川が海に変わり、水天一碧が「海と空の青色が美しくとけ合って、境目がわからなくなっていること」を表すようになりました。

「水天一碧」の類義語

水天一碧には以下のような類義語があります。

  • 水天彷彿(すいてんほうふつ)
    海と空の青色が美しくとけ合って、境目がわからなくなっていること
  • 煙波縹緲(えんぱひょうびょう)
    水面がもやなどでぼやけて、海と空の境目がわからなくなっていること
  • 水光接天(すいこうせってん)
    ①川の水面に映る月の光が、遥か遠くで空と接していること
    ②感動する景色
  • 上下天光(しょうかてんこう)
    空と水がひとつになって、明るく輝くこと
  • 一碧万頃(いっぺきばんけい)
    海などの水面が、遥か彼方まで青々と広がっていること
  • 水天一色(すいてんいっしき/すいてんいっしょく)
    海と空の青色が美しくとけ合って、境目がわからなくなっていること
  • 秋天一碧(しゅうてんいっぺき)
    雲ひとつない、すっきりと晴れた秋の空

「水天彷彿」を詳しく

水天彷彿は、「海と空の青色が美しくとけ合って、境目がわからなくなっていること」という意味です

以下の2語から成り立っています。

  • 水天
    水(海)と天(空)のこと
  • 彷彿
    ぼんやり見えること
    ※髣髴とも書く

水天彷彿の語源は、江戸時代後期の詩人である頼山陽(らいさんよう)が書いた詩『泊天草洋(あまくさなだにはくす)』です。

「煙波縹緲」を詳しく

煙波縹緲は、「水面がもやなどでぼやけて、海と空の境目がわからなくなっていること」という意味です

以下の2語から成り立っています。

  • 煙波
    ①もやの立ちこめた水面
    ②水面がけぶるように波立っていること
  • 縹緲
    かすかで、はっきりしないこと

煙波縹緲は、以下のように表記することもあります。

  • “烟” 波縹緲
  • 煙波縹 “渺”
  • 煙波縹 “眇”

「水光接天」を詳しく

水光接天は、「川の水面に映る月の光が、遥か遠くで空と接していること」「感動する景色」という意味です

水光は、「水面に太陽や月の光が反射してきらきらと輝く光」を表します。

水光接天の語源は、中国の文章家である蘇軾(そしょく)が書いた文章『前赤壁賦(ぜんせきへきのふ)』にあります。

「上下天光」を詳しく

上下天光は、「空と水がひとつになって、明るく輝くこと」という意味です

以下の2語から成り立っています。

  • 上下
    空と地のこと。空と海のこと
  • 天光
    空一面に輝く太陽の光

上下天光の語源は、中国の文人である范仲淹(はん ちゅうえん)が書いた散文『岳陽楼記(がくようろうのき)』にあります。

「一碧万頃」を詳しく

一碧万頃は、「海などの水面が、遥か彼方まで青々と広がっていること」という意味です

以下の2語から成り立っています。

  • 一碧
    海や空が青色になること
  • 万頃
    とても広いこと
    ※「頃」は古代中国における面積の単位

一碧万頃の語源は、中国の文人である范仲淹(はん ちゅうえん)が書いた散文『岳陽楼記(がくようろうのき)』にあります。

「水天一碧」の英語訳

水天一碧を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • unity of the sky and the sea
    (空と海の統一)
  • what the sky and the sea merge
    (空と海がとけ合っていること)

“what the sky and the sea merge” の “merge” は、「併合する」「とけ合わせる」という意味です。

関連:自然の景色から生まれた語

水天一碧と同じく、自然の景色から生まれた語はたくさんあります。

以下の2パターンに分けて紹介します。

  1. 自然の景色を表すもの
  2. 人の性格を表すもの

それぞれ見ていきましょう。

関連語①自然の景色を表すもの

  • 白砂青松(はくしゃせいしょう)
    白い砂浜に青い松が生えている海岸の美しい風景
  • 日月星辰(じつげつせいしん)
    ①太陽や月、星などの天体が交わるところ
    ②空のこと
  • 万里鵬翼(ばんりほうよく)
    はるか遠くまで広がる広大な天空
  • 波の花(なみのはな)
    ①塩
    ②波が白く泡立ったり砕けたりするさま
  • 夕凪(ゆうなぎ)
    夕方、波風が立たないこと

関連語②人の性格を表すもの

「水天一碧」のまとめ

以上、この記事では水天一碧について解説しました。

読み方水天一碧(すいてんいっぺき)
意味海と空の青色が美しくとけ合って、境目がわからなくなっていること
語源王勃が書いた『滕王閣序』
類義語秋天一碧
水天一色
水天彷彿 など
英語訳unity of the sky and the sea(空と海の統一)
what the sky and the sea merge(空と海がとけ合っていること)
自然の景色から生まれた語白砂青松
日月星辰
行雲流水 など

水天一碧は、美しい景色を例える時に使います。

海と空がひと続きになっている景色を見た時には、水天一碧を思い出してみましょう。