今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「獅子奮迅(ししふんじん)」です。
言葉の意味・使い方・由来・類義語・対義語・英語訳について分かりやすく解説します。
☆「獅子奮迅」をざっくり言うと……
読み方 | 獅子奮迅(ししふんじん) |
---|---|
意味 | 勢いなどが、ふるい立つ獅子のように激しいさま |
由来 | 唐の時代の『大般若経』に由来 |
類義語 | 努力奮励、勇往邁進など |
対義語 | 春風駘蕩、悠々閑々など |
英語訳 | furiously(猛烈な勢いで) |
このページの目次
「獅子奮迅」の意味をスッキリ理解!
「獅子奮迅」の意味を詳しく
「獅子奮迅」とは、「勢いなどが、ふるい立つ獅子のように激しいさま」という意味です。
「獅子」とは、ライオンのことです。
「奮」という漢字には、「気力が盛んになる」や「意気を強くする」という意味があります。「迅」は、「速度が速い」や「激しいさま」を表します。
獅子が荒れて暴れるように、勢いが非常に激しいさまを表現しています。
「獅子奮迅」の使い方
- 昨日の試合でのキャプテンは、獅子奮迅の活躍だった。
- 彼女は、獅子奮迅して家事と育児を両立させている。
「獅子奮迅」の由来
「獅子奮迅」は、中国の『大般若経(だいはんにゃきょう)』に由来します。
『大般若経』とは、唐の時代の仏教書物のことです。玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)がインドから持ち帰り、漢字に翻訳しました。
玄奘三蔵は、唐の僧でした。『西遊記(さいゆうき)』の三蔵法師(さんぞうほうし)は、この玄奘三蔵がモデルだと言われています。
『大般若経』の52巻に、「如獅子王自在奮迅」と書かれています。これは、「獅子の王が自在に奮迅するよう」という意味です。それほど、勢いがすさまじいことを表しています。
「獅子奮迅」の類義語
獅子奮迅には以下のような類義語があります。
- 努力奮励(どりょくふんれい):気力を奮い起こして努力すること
- 勇往邁進(ゆうおうまいしん):恐れず果敢(かかん)に進んでいくこと
- 力戦奮闘(りきせんふんとう):力の限り戦うこと
- 猪突猛進(ちょとつもうしん):猛烈な勢いで目標に進むこと
- 奮闘努力(ふんとうどりょく):気をふるい立たせ努力すること
「獅子奮迅」の対義語
獅子奮迅には以下のような対義語があります。
- 春風駘蕩(しゅんぷうたいとう):のんびりゆったりとしたさま
- 悠々閑々(ゆうゆうかんかん):ゆったりとしたさま
「獅子奮迅」の英語訳
獅子奮迅を英語に訳すと、次のような表現になります。
- furiously
(猛烈な勢いで) - like fury
(獅子奮迅の勢いで) - irresistible
(抑えられない)
furiouslyには、「猛烈な」という意味があります。「荒れくるった」や「怒りくるった」という意味の、furiousを副詞形にした単語です。
“She is studying furiously to pass the exam.(彼女はその試験に受かるため、猛勉強している。)”
furyは、「激怒」や「狂暴」という意味です。like furyで、「狂暴なように」という意味になり、獅子奮迅に近い表現となります。“He works like fury.(彼は獅子奮迅の勢いで働く。)” のように使います。
irresistibleは、勢いなどがすさまじいため、抑えられないさまを表します。
“The team fought the game with irresistible force.(そのチームは、抑えられないような勢いで、試合を戦った。)” のように使います。
まとめ
以上、この記事では「獅子奮迅」について解説しました。
読み方 | 獅子奮迅(ししふんじん) |
---|---|
意味 | 勢いなどが、ふるい立つ獅子のように激しいさま |
由来 | 唐の時代の『大般若経』に由来 |
類義語 | 努力奮励、勇往邁進など |
対義語 | 春風駘蕩、悠々閑々など |
英語訳 | furiously(猛烈な勢いで) |
「獅子奮迅」は、勢いのすさまじさをよく表現している四字熟語です。覚えておくと、感情や様子を豊かに表すことができます。ぜひ覚えましょう。