今回ご紹介する言葉は、故事成語の「先んずれば人を制す(さきんずればひとをせいす)」です。
この言葉はとても勉強になる言葉です。
なので、ぜひ知ってもらいたい言葉です。
そこで、「先んずれば人を制す」の意味、由来、例文、類義語、対義語、英訳についてわかりやすく解説します。
☆「先んずれば人を制す」をざっくり言うと……
読み方 | 先んずれば人を制す(さきんずればひとをせいす) |
---|---|
意味 | 何事も人より先に行えば有利な立場に立てるということ |
由来 | 殷頭が反乱軍を起こそうとした時のセリフから |
類義語 | 機先を制する、思い立ったが吉日、早い者勝ち、など |
対義語 | 急いては事を仕損じる |
英語訳 | First come, first served |
このページの目次
「先んずれば人を制す」の意味をスッキリ理解!
「先んずれば人を制す」の意味を詳しく
「先んずれば人を制す」とは、何事も人より先に行えば有利な立場に立てるということです。
逆に、後手に回っていては勝ち目がないという教えでもあります。
ちなみに、「先んずる」とは「先にする」という意味です。
そして、「先んずれば人を征す」と表記すると間違いなので注意が必要です。
「先んずれば人を制す」の由来
「先んずれば人を制す」の出典は『史記』の「項羽本紀(こううほんき)」という章です。
この章の中に、「先んずれば人を制す。後(おく)るれば則(すなわ)ち人の制する所と為る」という文が出てくるのです。
詳しく見ていきましょう。
秦(しん)という国に対する反乱が盛んに起きていた時期に、江西(こうせい)という場所の人々も秦に対して反乱を起こしました。
そんな中、殷通(いんとう)という人物は、項梁(こうりょう)に対して、「私も挙兵するつもりだ」と言いました。
このセリフの中に「先んずれば人を制す。後るれば則ち人の制する所と為る」という表現が出てきます。
そして、殷頭は「項梁と桓楚(かんそ)にも挙兵に加わってほしい」と要請しました。
ちなみに、桓楚は当時、沼地に逃亡していました。
すると、項梁は「桓楚の場所は項羽(こうう)だけが知っている」と言い、特に反対意見を述べることなく、項羽を呼びました。
そして、項羽は入ってくるなり項梁と目くばせをすると、殷頭の首をはねてしまったのです。
その後、項梁が殷頭の生首と印綬をぶら下げて部屋から出ると、役所は騒然となって大混乱になりました。
その役所のトップが暗殺されたのですから当たり前です。
そして、項羽は役人たちを何人も斬り殺します。
生き残った者はみなひれふし、歯向かおうとする人はいなくなりました。
項羽は秦末期の楚(そ)の武将です。
秦を滅ぼして、劉邦と天下を争いました。
そして、戦ではほとんど負けなかったため、最強の将軍と言われています。
しかし、劉邦に敗れて天下を取ることはできませんでした。
「先んずれば人を制す」の例文
- 先んずれば人を制すと言うだろう。今こそ新規事業を開拓するべきだ。
- 先んずれば人を制すという言葉にならって、はやめにテスト勉強を始めることにした。
- 次の選挙で勝つために、先んずれば人を制すではやめに手を打っておこう。
「先んずれば人を制す」の類義語
「先んずれば人を制す」には以下のような類義語があります。
「先んずれば人を制す」の対義語
「先んずれば人を制す」には以下のような対義語があります。
- 急いては事を仕損じる
「先んずれば人を制す」の英語訳
「先んずれば人を制す」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- First come, first served.
(最初に来た者が最初に食べ物を与えられる) - The foremost dog catches the hare.
(先頭の犬がウサギをとらえる)
まとめ
以上、この記事では「先んずれば人を制す」について解説しました。
読み方 | 先んずれば人を制す(さきんずればひとをせいす) |
---|---|
意味 | 何事も人より先に行えば有利な立場に立てるということ |
由来 | 殷頭が反乱軍を起こそうとした時のセリフから |
類義語 | 機先を制する、思い立ったが吉日、早い者勝ち、など |
対義語 | 急いては事を仕損じる |
英語訳 | First come, first served |
「先んずれば人を制す」はとても勉強になる言葉ですね。
できるだけはやく行動していきたいものです。