ことわざ「暖簾に腕押し」の意味と使い方:例文付き

言葉

今回ご紹介する言葉は、ことわざの「暖簾に腕押し(のれんにうでおし)」です。

言葉の意味や使い方、由来、類義語、対義語、英語訳についてわかりやすく解説します。

「暖簾に腕押し」の意味をスッキリ理解!

暖簾に腕押し(のれんにうでおし):こちらが何をしても反応や手応えが無く、張り合いがないこと

「暖簾に腕押し」の意味を詳しく


「暖簾に腕押し」とは、こちらが何をしても反応や手応えが無く、張り合いが無いことを意味します。

たとえば、チームを鼓舞するために声を出したのにスルーされてしまった時には反応が薄く「張り合いがない」と感じます。

この「張り合いがない」ことを「暖簾に腕押し」と表現します。

 

また、「暖簾に腕押し」には「効果がない」という意味もあります。

たとえば、新しいCMを放映したのに売上が変化しなかった場合は「暖簾に腕押し」と表現できます。

 

また、「暖簾に腕押し」は恋愛で用いられることもあります。

恋愛の場面では「アピールしても無意味である様子」を表します。

たとえば、片思いの相手にアピールしても全然気づいてもらえなかった時には「暖簾に腕押し」と表現できます。

「暖簾に腕押し」の使い方

  1. やる気のない生徒にいくら熱心に勉強を教えても、それは暖簾に腕押しだ。
  2. 同じミスの多い社員に注意しても暖簾に腕押しで、全く改善されない。
  3. 上司に企画を提案しても、暖簾に腕押しで全く通してもらえなかった。
  4. 疲れ切った相手と試合をしても暖簾に腕押しだ。
  5. 部下の仕事がいくら教えても上達せず、暖簾に腕押し状態だ。

上記の例文のように、「暖簾に腕押し」は「暖簾に腕押しだ」という言い回しで用いられることが多いです。

⑤の例文のように「暖簾に腕押し状態(効果がない状態のこと)」という形で用いられることもあります。

 

➀の例文では、やる気のない生徒に熱心に勉強を教えても、生徒にやる気が無ければ意味がないものになるので、「暖簾に腕押し」と言えます。

➁の例文では、同じミスの多い社員が注意しても同じミスを繰り返すことから、その注意は「暖簾に腕押し」と言うことができます。

➂の例文では、上司に対して企画を提案しても、受け入れてくれなかったことから「暖簾に腕押し」の場面と言うことができます。

➃の例文では、疲れ切った相手との試合は、張り合いがないものになることが予想され、「暖簾に腕押し」と言うことができます。

「暖簾に腕押し」の由来

暖簾とは、居酒屋や旅館、温泉などの入り口に掛かっている布のことです。

▲暖簾の例

温泉であれば、「男湯」「女湯」と書かれた布がイメージしやすいと思います。

現代の家庭の中では見かけることはほとんどありません。

その暖簾が由来なのですが、具体的には以下の2通りの説があります。

「暖簾に腕押し」の由来の説
  1. 「暖簾をくぐってもほとんど抵抗がない」のが由来という説
  2. 「腕押しが腕相撲を意味している」という説

それぞれの説について詳しく見ていきましょう。

由来の説①:「暖簾をくぐってもほとんど抵抗がない」のが由来という説

「暖簾に腕押し」の1つ目の説は「暖簾をくぐってもほとんど抵抗がない」ことが由来だという説です。

暖簾はただのぶら下がっている布なので、腕で押しても抵抗を感じることはほとんどありません。

この、「暖簾を腕で押しても抵抗がない様子」が「暖簾に腕押し」の由来になったのです。

由来の説②:「腕押しが腕相撲を意味している」という説

「暖簾に腕押し」の2つ目の説は、「腕押し」が「腕相撲」を意味していると考える説です。

暖簾のように力の入っていない相手と腕相撲をしても、手ごたえはありません。

「暖簾(のように力がこもってない相手)と腕相撲をする」様子が「暖簾に腕押し」の由来になったのです。

「暖簾に腕押し」の類義語

「暖簾に腕押し」には以下のような類義語があります。

  • 豆腐に鎹(とうふにかすがい):手ごたえが全くないこと
  • 糠に釘(ぬかにくぎ):手ごたえが全くないこと
  • 生壁に釘(なまかべにくぎ):手ごたえが全くないこと
  • 泥に杭(どろにくい):手ごたえが全くないこと
  • 石に灸(いしにきゅう):何の効き目も反応も無いこと
  • 暖簾と相撲(のれんとすもう):張り合いが無いこと
  • 馬の耳に念仏(うまのみみにねんぶつ):言っても全然聞いてくれないこと
  • カエルの面に水:どんな仕打ちを受けてもいっこうに平気なこと
  • 対牛弾琴(たいぎゅうだんきん):何の効果もなく無駄なこと
  • 沢庵(たくあん)のおもしに茶袋(ちゃぶくろ):効き目がないこと
  • 土に灸(きゅう):何も効果がないこと
  • 暖簾と臑(すね)押し:反応がなく張り合いがないこと
  • 馬耳東風(ばじとうふう):他人の意見を気にもせず受け流すこと
  • 柳に風:何事も気にしないで受け流すこと

「暖簾に腕押し」と「柳に風」の違い

「柳に風」は「何事も気にしないで受け流すこと」という意味です。

「暖簾に腕押し」と「柳に風」には以下のような違いがあります。

  • 暖簾に腕押し:ネガティブなニュアンスで用いる
  • 柳に風:ポジティブなニュアンスで用いる

「暖簾に腕押し」と「柳に風」はどちらも「相手の働きかけを受け流す」という点は共通しています。

しかし、「暖簾に腕押し」がこれを「効果がない」とネガティブなニュアンスで用いるのに対して、「柳に風」は「つまらないことを気に留めない賢い態度」というポジティブなニュアンスで用いているのです。

「暖簾に腕押し」の対義語

「暖簾に腕押し」には以下のような対義語があります。

  • 大黒柱と腕押し(だいこくばしらとうでおし):とてもできないこと。また、力量に大きな差があること
  • 打てば響く:すぐに反応が返ってくること

「暖簾に腕押し」の英語訳

「暖簾に腕押し」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • All is lost that is given to a fool.
    (悪人に与えられるものはすべて無駄になる。)
  • It is like beating the air.
    (空気を叩くようだ。)
  • He catches the wind with a net.
    (網で風を捕らえる。)
  • It’s like water off a duck’s back.
    (アヒルの背中から水が出るようなもの)
  • It is like plowing the sand.
    (砂を耕すようなもの)
  • It’s like taking candy from a baby.
    (赤ん坊からキャンディを取り上げるようなもの)
  • It’s no compertition.
    (競争にもならない)

まとめ

以上、この記事では「暖簾に腕押し」について解説しました。

読み方暖簾に腕押し(のれんにうでおし)
意味こちらが何をしても反応や手応えが無く、張り合いが無いこと。
由来暖簾をくぐる際、抵抗が一切ないことから。また、暖簾のようなものと腕相撲しても張り合いが無いことから。
類義語豆腐に鎹、糠に釘、生壁に釘など
対義語大黒柱と腕押し、打てば響くなど
英語訳All is lost that is given to a fool. (悪人に与えられるものはすべて無駄になる)など

「暖簾に腕押し」の意味や使い方を理解することができたでしょうか。

自分が相手に対して何か言ったり、行動を起こしたりしたにもかかわらず、相手の反応が薄く、張り合いが無い時に使います。このような場面は、結構辛いものがあると思います。

自分が何か言われたり、されたりした時は、少しでも反応してあげるといいかもしれませんね。