今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「ナンセンス」です。
「ナンセンス」の意味・使い方・語源・類義語・対義語・混同しやすい言葉・つく言葉についてわかりやすく解説します。
☆「ナンセンス」をざっくり言うと……
英語表記 | ナンセンス(nonsense) |
---|---|
意味 | 無意味なこと、くだらないこと |
語源 | 英語のnonsense |
類義語 | ノンセンス、世迷い言、無意義、無意味、虚言など |
対義語 | センス、良識、思慮など |
このページの目次
「ナンセンス」とは?
「ナンセンス」の意味を詳しく
「ナンセンス」とは、「無意味なこと、くだらない、ばかばかしい」ことです。
たとえば、「あなたの発言はナンセンスだ」と言われたとしましょう。
その場合、「意味が分からない発言、理にかなっていない」などの意味が込められています。
「ナンセンス」は基本的にネガティブな意味で用いられる言葉なのです。
「ナンセンス」は近年ではあまり使われなくなり、死語になりつつある言葉です。
特に若者世代には通じないことも多いので、別の表現を用いたほうが無難でしょう。
「ナンセンス」の使い方
- 授業中に居眠りをしているのは、ナンセンスだ。
- かっぱを着ているのに傘をさすのは、ナンセンスだ。
- 今回の会議は、意見が出ずナンセンスなものになった。
上の例文のように、「ナンセンス」は、「無意味」もしくは「ばかげている」と表現したいときに使われます。
「センスがない」という意味ではないので注意しましょう。
「ナンセンス」の語源
ナンセンスの語源は英語の “nonsense” です。
“nonsense” を構成する要素には以下のような意味があります。
- “non”:否定を表す
- “sense”:「意義」「価値」という意味
“nonsense” は「non+sense」で「無意味である、くだらない」といった意味になります。
「ナンセンス」の類義語
ナンセンスには以下のような類義語があります。
「ノンセンス」は「ナンセンス」と同じく、「無意味なこと、くだらないこと」という意味です。
「ナンセンス」の語源である “nonsense” が「ノンセンス」と誤って読まれたことから使われるようになった言葉と言われています。
「ナンセンス」の対義語
ナンセンスには以下のような類義語があります。
- センス:道理にかなったこと、判断力がすぐれていること
- 良識(りょうしき):すぐれた見識のこと
- 思慮(しりょ):慎重に物事を考えること
- 常識(じょうしき):健全な一般人が共通して持っている知識や不慮分別
「ナンセンス」と混同しやすい言葉
「ナンセンス」と混同しやすい言葉には以下の2つがあります。
- センスがない
- センスレス
それぞれの意味と「ナンセンス」との違いについて詳しく見ていきましょう。
「ナンセンス」と「センスがない」の違い
「センスがない」は「物事の微妙な変化を感じ取る能力がない、才能がない、感性がない」という意味です。
たとえば、「サッカーのセンスがない」という場合では、「6年間、サッカーの練習を欠かさずやっているのに少しも上達しない人」のことを指します。
「ナンセンス」は「無意味なこと、馬鹿げていること」という意味なので、「ナンセンス」と「センスがない」は意味が大きく異なります。
ちなみに、意味が大きく異なるのは、「ナンセンス」と「センスがない」でともに使われている「センス」の意味が以下のように異なるからです。
- 「ナンセンス」の「センス」:「意義」「価値」という意味
- 「センスがない」の「センス」:「感覚」「感性」という意味
「ナンセンス」と「センスレス」の違い
「センスレス」は「意識を失った、分別がない」という意味です。カタカナ語として使われることはあまりありません。
「無意味なこと」を表す「ナンセンス」とは意味が大きく異なります。
ただ、「センスレス」の語源になった “senseless” は「無意味」という意味で用いられることがあります。
「ナンセンス」がつく言葉
「ナンセンス」がつく言葉には以下のようなものがあります。
- ナンセンス文学
- ナンセンスギャグ
- ナンセンス突然変異
それぞれの言葉の意味について詳しく見ていきましょう。
ナンセンス文学
「ナンセンス文学」とは、「ルールや倫理を無視した文学」です。
意味のあるものと意味のないものを組み合わせ、常識や固定概念を無視した作品のことを表します。
「ナンセンス文学」は常識や倫理を無視した不思議な世界観を持ち、なおかつその世界観に対する合理的な説明がありません。
「ナンセンス文学」の例
ナンセンス文学の代表的な作品は『不思議の国のアリス』です。
『不思議の国のアリス』では以下のような、私たちの住む世界では理解できないことが多く表現されています。
- 飲み物を飲むと大きくなったり小さくなったりする主人公
- 「判決が先、審議は後」と法廷の場で主張する女王
- 女王に死刑宣告を受けてから時間が止まってしまった帽子屋
「ナンセンス文学」と「ファンタジー」の違い
「ナンセンス文学」と「ファンタジー」は似ているようで明確な違いがあります。
それは以下のようなものです。
- ナンセンス文学:世界観に対する合理的な説明がない
- ファンタジー:世界観に対する合理的な説明がある
たとえば、ファンタジー作品で最も有名な作品のひとつ『ハリー・ポッター』は、魔法の世界の物語です。
杖を振ると魔法が使えたり、箒で空を飛べたりなど、現実世界ではありえないことです。
しかし、この世界の道理は理にかなっており、私たちにも言っていることがわかります。けっして不条理な世界ではありません。
なお、「ナンセンス文学」と「ファンタジー」は「不思議な世界の物語」という点は共通しています。
ナンセンスギャグ
「ナンセンスギャグ」は「意味がよくわからないギャグ」という意味です。
「ナンセンスギャグ」ではオチが意味不明ですが、シュールさに思わず笑ってしまいます。
「ナンセンスギャグ」を多用している作品には『天才バカボン』などがあります。
ナンセンス突然変異
「ナンセンス突然変異」はアミノ酸のコドンが終止コドンに変わってしまい、タンパク質の合成が終了してしまう変異のことです。
専門用語なので、日常生活で用いることはないでしょう。
まとめ
以上、この記事では「ナンセンス」について解説しました。
英語表記 | ナンセンス(nonsense) |
---|---|
意味 | 無意味なこと、くだらないこと |
語源 | 英語のnonsense |
類義語 | ノンセンス、世迷い言、無意義、無意味、虚言など |
対義語 | センス、良識、思慮など |
「ナンセンス」は、相手を馬鹿にしたり、否定するときに使われることが多いので、「ナンセンスである」なんて相手から言われたくありませんね。