今回ご紹介する言葉は、熟語の「寄与(きよ)」です。
言葉の意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「寄与」をざっくり言うと……
読み方 | 寄与(きよ) |
---|---|
意味 | 社会や人のために役に立つことを行うこと |
語源 | 「人に頼る」「捧げる」という意味の漢字から |
類義語 | 貢献、尽力、役に立つ |
対義語 | 阻害、障害、享受 |
英語訳 | contribute, contribution |
「寄与」の意味をスッキリ理解!
「寄与」の意味を詳しく
「寄与」とは、社会や人のために役に立つことを行うことという意味です。
すなわち、自分で考えて周りに何かしらの価値を与えることです。
物事を主語にして「物事の変化に影響を与えること」という意味で使うこともできます。
「寄与」がつく言葉
「寄与」がつく言葉は、以下のようなものがあります。
- 寄与度/寄与率:物事の変化に影響を与える度合い
→経済用語として使われることが多く、経済指標の上下に対して、構成要素の上下がどの程度影響を与えているのかはかる時に使います。 - 寄与分:相続において使われる法律用語
→故人の世話や介護を一生懸命行っていた人に対して相続を増やす場合などに使います。
化学分野における「寄与」
化学において「寄与」を用いるとき、「寄与が大きい」「寄与が小さい」と専門用語で使われます。「寄与が大きい」とはその構造が重要であることを意味し、「寄与が小さい」はその逆になります。
「寄与」の使い方
- 彼らのボランティア活動は被災地復興に大きく寄与した。
- 教授の研究は、医療技術の進歩に寄与するだろう。
- 私の経験は、会社の生産性向上に寄与できるだろう。
- 彼女のサポートに寄与されて、大会で優勝することができた。
「寄与」は「寄与する」「寄与した」の形で使われることが多いです。人や社会に対して役に立つことをすること、またはすでにしたことを意味します。
③の例文の「寄与できる」は、役に立つことができるという可能性を込めた表現になっています。
④の例文の「寄与される」は手伝ってもらう、力を貸してもらうという受け身の表現です。彼女が手伝ってくれたおかげで優勝できたという意味の例文です。
「寄与」はあらゆるものに対していい影響を与えることです。そのため、ネガティブな影響に対して使われることは少なく、基本的にポジティブな内容に対して使われます。
「寄与」の語源
「寄与」を構成する漢字の意味は、それぞれ以下の通りです。
- 寄:よせる、人に頼る
- 与:与える、捧げる
2つの漢字の意味を合わせると、「寄り添いあって与えること」という意味になります。ここから社会や人に寄り添って、いい影響を与えるように行動することを示すようになりました。
「寄与」の類義語
「寄与」には以下のような類義語があります。
- 貢献:物事や社会のために役に立つよう、力を尽くすこと
- 尽力:力を尽くすこと
- 役に立つ:有用であること
- 献身:自分の利益を顧みず尽くすこと
- 資する:ある物事に対し材料を与えて助けとすること
「寄与」と「貢献」の違い
「貢献」と「寄与」は非常に意味が似ている言葉です。
同じ使い方をしてもほとんど問題はありませんが、言葉の成り立ちには以下のような違いがあります。
- 寄与:「贈り与える」という意味
→目上の人から目下の者に対して行うことのニュアンスを含みます。 - 貢献:「貢物を贈る」という意味
→目下の者から目上の人に対して行うことを表します。
今は、ほとんどこの違いを意識して使われることはありません。
「寄与」と「献身」「尽力」の違い
「寄与」と「献身」「尽力」には、以下のような違いがあります。
- 寄与:ポジティブに社会や人のために役に立とうとすること
- 献身:我が身を顧み図、自分の力を精一杯に使うという自己犠牲の意味合いを含む
- 尽力:力を尽くした結果、人や物の役に立っている様子というニュアンスを含む
「寄与」の対義語
「寄与」には以下のような対義語があります。
「寄与」の英語訳
「寄与」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- contribute
(寄付する) - contribution
(寄贈・貢献)
まとめ
以上、この記事では「寄与」について解説しました。
読み方 | 寄与(きよ) |
---|---|
意味 | 社会や人のために役に立つことを行うこと |
語源 | 「人に頼る」「捧げる」という意味の漢字から |
類義語 | 貢献、尽力、役に立つ |
対義語 | 阻害、障害、享受 |
英語訳 | contribute, contribution |
「寄与」はポジティブな印象のある言葉です。正しい意味と使い方を覚えて使いこなしましょう。