今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「軽挙妄動(けいきょもうどう)」です。
言葉の意味・使い方・由来・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「軽挙妄動」をざっくり言うと……
読み方 | 軽挙妄動(けいきょもうどう) |
---|---|
意味 | 善悪や結果を考えない、軽はずみな行い。 |
由来 | 「軽挙」は『韓非子』、「妄動」は『戦国策』から。 |
類義語 | 軽慮浅謀、短慮軽率、鼻先思案など |
対義語 | 熟慮断行、隠忍自重 |
英語訳 | rush and blind act(性急で無計画な行動)など |
このページの目次
「軽挙妄動」の意味をスッキリ理解!
「軽挙妄動」の意味を詳しく
軽挙妄動は、「善悪や結果を考えない、軽はずみな行い」を意味する四字熟語です。この四字熟語は主に、戒めの文脈で用いられます。
この四字熟語を構成するのは、「軽挙」と「妄動」という二つの熟語です。「軽挙」は、深く物事を考えないで行動することを意味します。もう一方の「妄動」は、後先を考えない、道理を無視した行動を意味します。
よって、これらの意味が合わさった軽挙妄動は、「後先や結果を無視して、よく考えずに実行される行動」を表すのです。
「軽挙妄動」の使い方
- 彼の軽挙妄動を戒めなければ、いつかひどい目にあうだろう。
- 軽挙妄動な振る舞いは慎んで(つつしんで)もらわなければ、チーム全体に迷惑がかかる。
- 彼女の軽挙妄動に振り回されて、両親はさぞ困っているだろう。
「軽挙妄動」の由来
軽挙妄動そのものの出典は、古代書物のなかにありません。しかし、「軽挙」と「妄動」のそれぞれは、異なる書物に由来があります。
「軽挙」は『韓非子(かんぴし)』に登場します。この書物は、中国戦国時代末の思想家である韓非(かんぴ)が記した論文集です。
その中の「難四篇(なんしへん)」に、「軽挙して以て(もって)計を行はば、則ち人主危(あやう)からむ」という文があります。これは、「軽はずみな行動で計画を実行すれば、君主は危険な目にあう」という意味です。
また、「妄動」が登場するのは『戦国策(せんごくさく)』の「燕策(えんさく)」という部分です。これは、燕(えん)という国にまつわる逸話をまとめたものです。「妄動」は、「趙(ちょう)敢て(あえて)妄動せざらん」という文のなかで登場します。
すでに解説したとおり、「妄動」には「後先を考えないような、道理を無視した行動」という意味があることを踏まえてを現代語に訳すと、「趙は決して道理を無視しない」となります。
「軽挙妄動」の類義語
軽挙妄動には以下のような類義語があります。
- 軽慮浅謀(けいりょせんぼう):浅はかな考えや計画。
- 短慮軽率(たんりょけいそつ):結果を考えない行動。
- 軽率短慮(けいそつたんりょ):結果を考えない行動。
- 鼻先思案(はなさきしあん):目先のことしか考えていない様子。
- 喉元思案(のどもとじあん):軽率な考え。
「軽挙妄動」の対義語
軽挙妄動には以下のような対義語があります。
- 熟慮断行(じゅくりょだんこう):よく考えてから、思い切って行動すること。
- 隠忍自重(いんにんじちょう):怒りや苦しみに耐え、軽々しい行いをしないこと。
「軽挙妄動」の英語訳
軽挙妄動を英語に訳すと、次のような表現になります。
- rush and blind act
(性急で無計画な行動) - imbecility
(愚かな言動)
「軽挙妄動を慎む」という意味を指したい時は、 “behave prudently” (分別のある行動をする) という英語を使うと、より自然です。
まとめ
以上、この記事では「軽挙妄動」について解説しました。
読み方 | 軽挙妄動(けいきょもうどう) |
---|---|
意味 | 善悪や結果を考えない、軽はずみな行い。 |
由来 | 「軽挙」は『韓非子』、「妄動」は『戦国策』から。 |
類義語 | 軽慮浅謀、短慮軽率、鼻先思案など |
対義語 | 熟慮断行、隠忍自重 |
英語訳 | rush and blind act(性急で無計画な行動)など |
軽挙妄動は、生活ではあまり使われない言葉です。しかし、よく考えて行動することの大切さを教えてくれますね。意味だけでなく、使い方や英語訳もきちんと理解しておきましょう。