「経緯」の意味とは?使い方から英語や類義語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「経緯(けいい)」です。

言葉の意味・使い方・語源・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「経緯」をざっくり言うと……

読み方経緯(けいい、いきさつ)
意味結果に至るまでの過程、物事の事情
語源糸が組まれた状態
類義語粗筋、事情、経過など
英語訳the sequence of events(経緯)など

「経緯」の意味をスッキリ理解!

経緯(けいい、いきさつ):結果に至るまでの過程、物事の事情

「経緯」の意味を詳しく


「経緯」とは、結果に至るまでの過程、物事の入り組んだ事情のことを表しています。

また「経緯」は、以下のように読み方によって意味が若干異なります。

  • けいい:物事の成り行き、経糸と緯糸、経度と緯度、秩序を整え治めること
  • いきさつ:物事の成り行き
「けいい」と読んだ場合は、「物事の成り行き」以外の意味を含むのに対し、「いきさつ」と読んだ場合は「物事の成り行き」という意味しか表しません。

また、あまり一般的ではありませんが「経緯」には「たてぬき」という読み方も存在します。これは「経糸と緯糸」という意味しか表さないため、日常生活で使われることはほとんどないでしょう。

「経緯」の使い方

  1. 事業計画に大きなミスがあったため、上司に事の経緯を説明した。
  2. とても仲のいい夫婦が離婚したため、どういった経緯か尋ねたくなった。
  3. どのような経緯から、現在のような生活になるか予想はできない。
すべての例文で「物事の成り行き」という意味が共通しています。

また、例文のように「物事の成り行き」を表している場合には、「けいい」「いきさつ」のどちらで読んでも、ニュアンスに大きな違いはありません。

①の例文では、「事(こと)の経緯」という言い回しが使用されています。「事の経緯」は、よく使う言い回しであるため覚えておきましょう。

「経緯」の語源

「経緯」は、織物の経糸(たていと)と緯糸(よこいと)が入り組み織られたことを表しており、「組まれた順序」「糸が入り組んだ状態」という意味で使われていました。

こうした意味が派生し、「物事の成り行き」「物事が入り組んだ状態」を表す言葉として使用されるようになりました。

「経緯」の類義語

「経緯」には以下のような類義語があります。

  • 粗筋(あらすじ):だいたいの内容
  • 事情:物事がある状態に至るまでの理由
  • 成り立ち:ある物事ができあがること
  • 道のり:ある地点までの道の長さ
  • 背景:物事の裏にある事情
  • 経過:ある状態に至るまでの過程
  • 顛末(てんまつ):事の最初から最後まで
  • 仔細(しさい):詳しい内容
  • 過程:物事の進行や、変化していく途中の段階
「経緯」には上記のようにさまざまな類義語が存在します。「粗筋」「背景」「仔細」のように「物事の内容」を表す言葉や、「道のり」「成り立ち」「経過」のように「ある状態に至るまでのプロセス」を表す言葉などが類義語に当たります。

また、「経緯」と「経過」は読み方も似ているため、よく混同されて使われますが、厳密には異なる意味を持つ言葉です。

  • 経緯:物事の原因から結末までの詳しい道筋
  • 経過:物事の時間の流れ
「経緯」が「詳しい道筋」を表しているのに対し、「経過」は「時間の流れ」を表しています。意味の違いに注意して使用するようにしましょう。

「経緯」の英語訳

「経緯」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • the sequence of events
    (経緯)
  • the whole story
    (物事のあらまし)
  • a background
    (物事の背景)
「経緯」を英語訳する場合には、 “the sequence of events” , “the whole story” などを用いて表現できます。また、物事の詳細や過程について尋ねたい場合には “a background” を用います。

まとめ

以上、この記事では「経緯」について解説しました。

読み方経緯(けいい、いきさつ)
意味結果に至るまでの過程、物事の事情
語源糸が組まれた状態
類義語粗筋、事情、経過など
英語訳the sequence of events(経緯)など

「経緯」は日常会話でよく使う言葉です。読み方や類義語とのニュアンスの違いに注意して使用するようにしましょう。