「寛仁大度」の意味とは?使い方から英語や類義語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「寛仁大度(かんじんたいど)」です。

言葉の意味・使い方・由来・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「寛仁大度」をざっくり言うと……

読み方寛仁大度(かんじんたいど)
意味心が広く、度量が大きいこと。
由来『漢書』の「高帝紀」
類義語豁達大度、寛洪大量、天空海闊、豪放磊落
英語訳benevolent and magnanimous in disposition(優しく寛大な性格)など

「寛仁大度」の意味をスッキリ理解!

寛仁大度(かんじんたいど):心が広く、度量が大きく優しいこと

「寛仁大度」の意味を詳しく

「寛仁大度」は、「寛仁」と「大度」の2つの熟語から構成されています。

まず、「寛仁」は「心が広く、思いやりがある」という意味です。一方「大度」は、「度量が大きく、細かいことを咎めない」という意味をもちます。つまり、「寛仁」と「大度」はどちらも、相手に対して優しく接すること表すのです。

したがって「寛仁大度」は、心が広く、相手に対して思いやりをもつことを示す四字熟語ということがわかります。

なお、「寛仁」を「肝心」と書いたり、「大度」を「態度」と表記したりするのは誤りですから、注意しましょう。

「寛仁大度」の使い方

「寛仁大度」は人の性質や様子を表す言葉ですから、「寛仁大度だ」「寛仁大度に〜する」といった表現で使われます。このことを踏まえて、以下の例文を紹介します。

  1. 私の恩師はいつも寛仁大度である。
  2. どんな相手であっても分け隔てなく、寛仁大度に向き合うことが大切だ。
  3. 後輩たちに対して寛仁大度な振る舞いをすることは良いことだが、時にはもう少し厳しく指導したほうが、彼らの成長に繋がるのではないだろうか。

基本的に「寛仁大度」は、理想の人物像を表す際に使われることがわかりますね。

ただし、「寛仁大度」には「心が広い」という意味だけではなく「細かいことを気にしない」という意味ももつため、ときには3つ目の例文のように「優しすぎる」という少しネガティブな意味合いで使われる場合もあります。

「寛仁大度」の由来

後漢(ごかん)という王朝が中国を治めていた時代がありました。

この王朝の3代目の皇帝である章帝(しょうてい)が、班固(はんこ)と班昭(はんしょう)という2人の歴史家に歴史書を書かせました。この歴史書の題名は『漢書(かんじょ)』です。後漢の前の王朝にあたる前漢(ぜんかん)の歴史についてまとめられました。

『漢書』には様々なエピソードが収録されています。そのうちの1つが、前漢を興した劉邦(りゅうほう)という人物について書かれた「高帝紀(こうていき)」です。

 

「高帝紀」では、劉邦の性格について「寛仁にして人を愛し、意は豁如(かつじょ)なり。常に大度あり、家人の生産作業に事せず。」と表現されています。わかりやすく言い換えると、「心が広く人を愛し、慈悲深い人である。いつもどっしりと落ち着いていて、家業を継がなかった。」という意味です。

この2文のうち、1文目に「寛仁」が、2文目に「大度」が登場しています。思いやりがあって度量が大きい人柄を表すうえで、これら2語は重要なキーワードになっていますね。ですから、この文での「寛仁」と「大度」が組み合わさって、「寛仁大度」という四字熟語が生まれたのです。

「寛仁大度」の類義語

「寛仁大度」には以下のような類義語があります。

4つとも、「寛仁大度」と同じように「心が広く、細かいことにこだわらないこと」という意味をもちます。

なお、「豁達大度」は、隠し事が一切ない様子を指す場合もあります。

「寛仁大度」の英語訳

「寛仁大度」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • benevolent and magnanimous in disposition
    (優しく寛大な性格)
  • have a wide heart
    (広い心をもつ)
  • be generous and magnanimous
    (度量が大きい)

「心が広く、度量が大きい」という意味を表していますから、「寛仁大度」の英語訳といえますね。

まとめ

以上、この記事では「寛仁大度」について解説しました。

読み方寛仁大度(かんじんたいど)
意味心が広く、度量が大きいこと。
由来『漢書』の「高帝紀」
類義語豁達大度、寛洪大量、天空海闊、豪放磊落
英語訳benevolent and magnanimous in disposition(優しく寛大な性格)など

家族や友達が思いやりをもって寛大に接してくれたとき、感謝の言葉とともに「寛仁大度」という四字熟語もぜひ伝えてみましょう。

また、自身の生活のなかでも「寛仁大度」な姿勢を心がけましょう。