「佳境(かきょう)」とは?意味や使い方を例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「佳境(かきょう)」です。

言葉の意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

「佳境」の意味をスッキリ理解!

佳境(かきょう):一連の筋道において最も面白い場面や重要な場面のこと。景色の良い場所のこと。

「佳境」の意味を詳しく


「佳境」という言葉には以下のように意味が2つあります。

「佳境」の意味
  1. 物語や演劇などの筋道において最も面白い場面、または重要な場面
  2. 景色の良い場所

それぞれの意味について詳しく見ていきましょう。

意味①:物語や演劇などの筋道において最も面白い場面、または重要な場面

「佳境」の一番メインの意味は「物語や演劇などの筋道において最も面白い場面、または重要な場面」です。

主にポジティブな意味で用いられます。

もともと「佳境」は、物語や演劇、映画などで最も興味を引く場面のことを指す言葉でした。

そこから転じて、仕事や何かしらの作業など、一連の流れのあるもの全般に対しても使うようになりました。

意味②:景色の良い場所

「佳境」には「景色の良い場所」という意味もあります。

「景色の良い場所」は見逃せないほど重要であり、興味深いものなので、「佳境」という言葉が使われています。

「佳境」の3つの誤用例

「佳境」は大変誤用されやすい言葉です。

主な誤用例だけでも以下の3つあります。

「佳境」の誤用例
  • 「佳境」を「最後」ととらえるのは間違い
  • 「佳境」を「忙しい時」ととらえるのは間違い
  • 複数の場面を「佳境」とするのは間違い

それぞれの誤用について詳しく説明していきます。

誤用①:「佳境」を「最後」ととらえるのは間違い

「佳境」を物事の最後の部分だととらえるのは間違いです。

「佳境」はあくまで物事のもっとも興味を引く場面や重要な場面を表すのであって、必ず最後にあるわけではありません。

「佳境」は確かに通常は終盤にあることが多いですが、中盤や最初にあることもあります。

誤用②:「佳境」を「忙しい時」ととらえるのは間違い

「佳境」を忙しい時のことだととらえるのは間違いです。

「佳境」はあくまで重要な場面のことです。

確かに重要な時は忙しいことも多いですが、忙しくなくても重要であれば「佳境」と呼びます。

誤用③:複数の場面を「佳境」とするのは間違い

複数の場面を「佳境」とするのは間違いです。

「佳境」は物事の「もっとも」重要な場面なので、ひとつの物事に対してひとつだけです。

「佳境」の使い方

  1. 映画が佳境を迎えると同時にトイレに行きたくなってしまった。
  2. 文化祭の準備も佳境に入った。
  3. この辺りは佳境が多く、観光地となっている。

上記の例文のように、「佳境」は以下のような言い回しで使われることが多いです。

「佳境」のよくある言い回し
  • 佳境に入る
    物事がいちばん重要な局面を迎えること
  • 佳境を迎える
    物事のいちばん重要な場面に入ること
  • 佳境を超える
    物事のいちばん重要な場面が終わること
  • 佳境に迫る
    物事のいちばん重要な場面に差し掛かること

❶、❷の例文では「佳境」を「物事の重要な場面」という意味で用いています。

❸の例文では、「佳境」を、「景色の良い場所」という意味で使っています。

「佳境」の語源

「佳境」の語源について、漢字自体の意味と由来となった話について詳しく見ていきましょう。

「佳境」の漢字の意味

「佳境」の漢字はそれぞれ以下のような意味です。

「佳境」の漢字の意味
  • :優れている
  • :物事の境界

つまり、「佳境」は、その2字を組み合わせて、ここから面白くなるという境目の場所を意味するのです。

「佳境に入る」とは、その境界を越えて重要な場面に入っていくというイメージです。

「佳境」の由来になった話

「佳境」が使われるようになった由来については、中国の唐の時代に書かれた『晋書(しんじょ)』という歴史書に記されています。

サトウキビは、先端はあまり甘くなく、根本が一番甘い植物です。

一般的には、一番甘い根元からかじりますが、晋の時代の画家である「顧愷之(こがいし)」は甘みの少ない先端からかじっていました。

 

「顧愷之」は、サトウキビを先端からかじっていき、一番甘い部分に入った時に、その様子を「漸入佳境(ぜんにゅうかきょう)」と表現しました。

言い換えると、「漸(ようや)く佳境に入る」という意味です。

当時は、「佳境」を一番美味しい部分という意味で使っていましたが、それが転じて最も面白い部分や重要な部分を表すようになりました。

「佳境」の類義語

「佳境」には以下のような類義語があります。

  • 山場(やまば):物事の重要な場面
  • クライマックス:緊張や興奮が一番高まった状態、分岐点
  • 見せ場:芝居などで一番盛り上がる場面
  • 最高潮(さいこうちょう):雰囲気や感情が最も高まった状態
  • たけなわ:一番盛んな時
  • 絶頂:最高の場所
  • 圧巻:書物などの一番優れた部分
  • 頂点:物事がもっとも盛んな状態
  • 全盛期:もっとも勢いが良い時期
  • 黄金時代:個人や集団などがもっとも輝いていた時期
  • ハイライト:もっとも興味をそそる場面
  • ピーク:物事の最高潮

「佳境」の対義語

「佳境」には以下のような対義語があります。

  • 場末(ばすえ):都心から離れた場所・人気のあった人が衰退した状態
  • 盛り下がる:勢いがなくなること
  • 日常的:いつもよくみられるさま

「佳境」の英語訳

「佳境」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • a scenic spot
    (景色の良い場所)
  • the most interesting part
    (最も興味深い部分)
  • the climax
    (佳境)
  • peak
    (頂点)

“a scenic spot” は「佳境」の「景色の良い場所」という意味を英語に訳した表現です。

それ以外の3つは「佳境」の「物語や演劇などの筋道において最も面白い場面、または重要な場面」という意味の英語訳です。

まとめ

以上、この記事では「佳境」について解説しました。

読み方佳境(かきょう)
意味一連の筋道において最も面白い場面や重要な場面、景色の良い場所
語源「優れている」という意味を持つ「佳」と、「境界」を表す「境」の組み合わせ。
類義語山場、クライマックス、見せ場など
英語訳the most interesting part (最も興味深い部分)

「佳境」の意味や使い方などを理解することはできたでしょうか。

本文でも触れたように、「佳境」は誤用されやすい言葉でもあります。

最後のことや忙しい時を表すわけではないという点は押さえておきましょう。