今回ご紹介する言葉は、故事成語の「偕老同穴(かいろうどうけつ)」です。
なかなかなじみのない言葉ですが、今でも使われている故事成語です。
今のうちに、きちんと使い方を把握しておきましょう!
意味や由来、使い方、類義語、英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「偕老同穴」をざっくり言うと……
読み方 | 偕老同穴(かいろうどうけつ) |
---|---|
意味 | 夫婦の仲がとても良いこと |
由来 | 中国の詩編の表現から |
類義語 | 鴛鴦之契、関雎之化、琴瑟調和 |
英語訳 | pledge to live faithfully together till death(偕老同穴を契る) |
「偕老同穴」の意味をスッキリ理解!
「偕老同穴」の意味を詳しく
「偕老同穴」とは、生きている間は共に暮らして年をとり、死んだあとは同じ墓に入るという意味の言葉です。
そこから、「夫婦の仲が良い」「夫婦の信頼関係が厚い」などの意味に発展していきました。
1文字目の「偕」という漢字は「共に」という意味です。そのため前半の「偕老」が「共に暮らして一緒に年を取っていく」という意味になります。
また「同穴」の「穴」というのはお墓のことを指しています。そのため後半部分が「同じ墓に入る」という意味になるのです。
「偕老同穴」の使い方
- 思い出の場所で、偕老同穴の契りを結ぶ。
- 彼は、死んだ妻との偕老同穴を全うした。
- 偕老の契りを結ぼう。
「偕老同穴」という言葉は、➊のように「偕老同穴の契りを結ぶ」という形で使われることがとても多いです。
また、➌のように「偕老」の部分だけを用いることも多くあります。意味は「偕老同穴」とほとんど同じです。
ただし、「同穴」のみを使うことはほとんどないので注意しましょう。
「偕老同穴」の由来
「偕老同穴」のもとになったのは「詩経(しきょう)」という中国最古の詩編です。
その詩篇の中に出てくる「執子之手、與子偕老」と「穀則異室、死則同穴」という表現から生まれました。
「執子之手、與子偕老」は書き下し文にすると「子の手を執りて、子と偕(とも)に老いん」となります。
また、「穀則異室、死則同穴」は書き下し分にすると「穀(い)きては則ち室を異にするも、死すれば則ち穴を同じくす」となります。
ここの「偕老」と「同穴」の部分から取ってこの故事成語ができました。
「偕老同穴」の類義語
- 鴛鴦之契(えのうのちぎり):夫婦の仲が非常に硬いこと。
- 関雎之化(かんしょのか):夫婦の関係がとてもよく、家庭顔が穏やかであること。
- 琴瑟相和(きんしつそうわ):夫婦の仲がよいこと。
- 比翼連理(ひよくれんり):男女の情愛が深い
「偕老同穴」の英語訳
「偕老同穴」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- “pledge to live faithfully together till death” (偕老同穴を契る)
また、インターネットなどで調べると “a Venus flower basket” という表現も出てきますが、こちらは「海綿動物の一種」の方の意味になってしまうので気を付けましょう。
まとめ
以上、この記事では「偕老同穴」について解説しました。
読み方 | 偕老同穴(かいろうどうけつ) |
---|---|
意味 | 夫婦の仲がとても良いこと |
由来 | 中国の詩編の表現から |
類義語 | 鴛鴦之契、関雎之化、琴瑟調和 |
英語訳 | pledge to live faithfully together till death(偕老同穴を契る) |
この「偕老同穴」という言葉は、夫婦の仲の良さを表す言葉として、現在でも結婚式のスピーチなどで使われることのある言葉です。しっかりと理解しておきましょう!