「一心不乱」の意味とは?使い方から類語や英語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「一心不乱(いっしんふらん)」です。

言葉の意味・使い方・由来・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「一心不乱」をざっくり言うと……

読み方一心不乱(いっしんふらん)
意味何か一つのことに集中して、他のことに心が乱れることがないさま。
由来仏教の『阿弥陀経』より
類義語無我夢中、一念不動、一意専心など

「一心不乱」の意味をスッキリ理解!

一心不乱(いっしんふらん):何か一つのことに集中して、他のことに心が乱れることがないさま。

「一心不乱」の意味を詳しく

「一心不乱」の「一心」とは心を一つにすること、「不乱」とは乱れないということです。

つまり、「心を一つにしてそれが乱れずにいて、一つのことに集中して他のことには目もくれない」というような様子を指します。

「一心不乱」の使い方

  1. 野良猫を見つけた犬が、一心不乱に吠えている。
  2. 一心不乱に走った結果、彼は陸上全国大会の予選を一位で通過した。
  3. 翌日の試験のために、娘は一晩中一心不乱に勉強した。

「一心不乱」の由来

「一心不乱」は大乗仏教(だいじょうぶっきょう)の聖典、『阿弥陀経(あみだきょう)』の一文からきています。

そこには「一心不乱ならば、其の人の命終時に臨み、阿弥陀仏、諸衆生と与に現じ其の前に在らん、是れ人終時に心不顛倒にして、即ち阿弥陀の極楽国土に往生するを得ん。」とあります。

これは「一心不乱に念仏を唱えれば、臨終(りんじゅう)の時に阿弥陀仏が聖者と共にその人の前に現れ、命が終わる時も心を乱すことなくすぐに極楽国土に生まれるだろう」という意味です。

多くの四字熟語が中国を起源にもつなかで、「一心不乱」が登場する『阿弥陀経』はインドで作られたと言われています。

「一心不乱」の類義語

一心不乱には以下のような類義語があります。

  • 無我夢中(むがむちゅう):熱中するあまり、我を忘れてしまうさま
  • 一念不動(いちねんふどう):集中して心が他のことに左右されないこと
  • 一意専心(いちいせんしん):わき目も振らず、一つのことに集中すること
  • 無二無三(むにむさん):一つのことに心を傾けるさま

「無二無三」はあるものが一つしかなく、他に変わるものがないという意味が転じて「一つのことに心を傾けるさま」という意味で使われるようになりました。

「一心不乱」の英語訳

一心不乱を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • wholeheartedly
    (心から)
  • intently
    (夢中で)
  • centered
    (集中した)
  • as if possessed
    (取りつかれたかのように)

全て「集中した」という意味になりますが、その度合いが違います。 “entered” , “intently” , “wholeheartedly” , “as if possessed” の順に集中度が強くなりますので、文章によって使い分けましょう。

まとめ

以上、この記事では「一心不乱」について解説しました。

英語訳wholeheartedly(心から)

読み方一心不乱(いっしんふらん)
意味何か一つのことに集中して、他のことに心が乱れることがないさま。
由来仏教の『阿弥陀経』より
類義語無我夢中、一念不動、一意専心など

元は「一心に念じることによって極楽国土へ行くことができる」という仏教の教えから来ている四字熟語なので、本来の意味ならば「目標のためによそ見をせず努力をすれば、成し遂げることができる」というポジティブな教えです。

しかし、時代と共に様々な場面で使われるようになりました。ネガティブな意味でも使うことがあります。

言葉自体は変化しなくても、使う人や環境によって意味が変わるのが四字熟語の面白いところですね。