今回ご紹介する言葉は、故事成語の「臍を噛む(ほぞをかむ)」です。
意味、使い方、由来、類義語、英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「臍を嚙む」をざっくり言うと……
読みかた | 臍を噛む(ほぞをかむ) |
---|---|
意味 | もどかしい思いをして、激しく後悔すること |
由来 | 古代中国で、敵国の王の暗殺を進言するときに言った言葉から |
類義語 | 「後の祭り」「死んでからの医者話」など |
英語訳 | kick myself(自分を蹴りたくなる), weighs on my conscience(頭から離れない) など |
「臍を噛む」の意味をスッキリ理解!
臍を噛む:もどかしい思いをして、激しく後悔すること
「臍を噛む」の意味を詳しく
「臍を噛む」は、「ヘソを噛む」という意味です。「ヘソ」のことを「ほぞ」と言うこともあるのです。しかし、「ヘソを噛む」というのは誤りです。少し難しい言葉ですが、「臍を噛む」と言いましょう。
「ヘソを噛む」と聞いて、「できるはずない」と思うでしょう。「臍を噛む」は、やろうとしてもやれずにもどかしいことを意味するのです。ヘソを噛もうとしても噛めないように、もどかしい思いをするということです。
ただし、「できないことに対してもどかしく思う」という意味ではありません。「後悔しても、何もできずに気持ちをぶつけられない」という意味なのです。「何もしなかったことで取り返しのつかない事態に陥ってしまった」という場面で使いましょう。
「臍を噛む」の使い方
- 徹夜で勉強しているうちに眠ってしまい、テストを受けることができず、臍を噛む思いだ。
- ガソリンスタンドを通り過ぎた後に車がガス欠を起こしてしまい、臍を噛んだ。
- 当たり券と景品の交換期限が昨日だったことに気づき、臍を噛む思いだ。
「臍を噛む」の由来
「臍を噛む」は、古代中国の出来事に由来する言葉です。古代の中国はいくつもの国に分かれて対立していました。ある強い国の王が、弱い国を訪れたときに、「臍を噛む」という言葉が出てきました。
強い国とは楚(そ)、弱い国とは鄧(とう)です。鄧のある役人が、楚の王がとても優秀なことに気づき、王にこう進言しました。
「楚の王は我が国を滅ぼすでしょう。早いうちに殺しておかないと、後で臍を噛む思いをしますよ」
しかし、鄧の王はこの進言を聞き入れず、後に鄧は楚に滅ぼされます。
強い敵国である楚に対して十分な対策を取らなかったことで、国が滅んでしまったのです。攻め込まれてからではどうしようもありません。進言した役人は、楚に攻め込まれたときにまさに臍を噛む思いをしたでしょう。
「臍を噛む」の類義語
「臍を噛む」には、以下のような類義語があります。
- 後悔先に立たず:後から後悔しても何もできないこと
- 槍(やり)持ちと後悔は先に立たず、提灯(チョウチン)持ちは後に立たず
- 後の祭り
- 切歯扼腕(せっしやくわん):歯ぎしりをし、震える腕を抑えるほど激しく後悔すること
- 死んでからの医者話:死んでから医者にかかっても意味がないというたとえ
「臍を噛む」の英語訳
「臍を噛む」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- kick myself
(自分のことを蹴りたくなるほど後悔している様子) - weighs on my conscience
(出来事が頭から離れない様子)
まとめ
以上、この記事では「臍を噛む」について解説しました。
読みかた | 臍を噛む(ほぞをかむ) |
---|---|
意味 | もどかしい思いをして、激しく後悔すること |
由来 | 古代中国で、敵国の王の暗殺を進言するときに言った言葉から |
類義語 | 「後の祭り」「死んでからの医者話」など |
英語訳 | kick myself(自分を蹴りたくなる), weighs on my conscience(頭から離れない) など |
臍を噛む思いをしないように、心配なことがあれば早めに対策をしておきましょう。何もせずに放置した結果、どうしようもない事態に陥ってしまったら、悔しく思うでしょう。