「日の目を浴びる」の意味とは?実は「日の目を見る」の間違い!

言葉

「日の目を浴びる」とは「(今まで注目されなかった人物などが)注目されるようになる」という意味です。

似たような表現がたくさんある上に、言い回しも独特なので意味がよく分かりませんよね。

そこで今回は意味や使い方、正しい表現などをわかりやすく丁寧にご紹介します。

☆「日の目を浴びる」をざっくり言うと……

読み方日の目を浴びる(ひのめをあびる)
意味(今まで注目されなかった人物などが)注目されるようになる
語源「日の目を見る」の誤用
類義語実を結ぶ
脚光を浴びる
世に知れ渡る など
反対表現徒労に帰す
好事門を出でず
憂き目を見る など
英語訳“see the light of day”(日の目を見る)
“be in the spotlight”(世間から注目される)

「日の目を浴びる」の意味

びる

(今まで注目されなかった人物などが)注目されるようになる

例:彼は日の目を浴びるようになった。

重要な注意点として「日の目を浴びる」「陽の目を見る」といった表記は誤りで、正しくは「日の目を見る」です。

誤用されていたものが一般的に使われるようになりました。

 

「日の目を浴びる」の意味は「日の目を見る」と同じで、特に「今まで誰も知らなかったような人物や事柄が世間一般に知られるようになること」を指します。

たとえば、わたしたちの暮らしを変えるような壮大な研究が行われていたとします。

研究者たちは日頃、誰も知らないところで研究に勤しんでいます。

 

その後、こちらの研究がきっかけでノーベル賞を受賞することになったとします。

ノーベル賞受賞によって研究者や研究が人々に知れ渡った場合、「研究者が日の目を浴びた」と表現できます。

「日の目を浴びる」の使い方

「日の目を浴びる」を使用するのは、「注目される」「評価される」と言いたい時です。

実際の例文には以下のようなものがあります。

  1. やっと研究が日の目を浴びた。
  2. いつか日の目を浴びる日が来るだろう。
  3. 彼の努力は日の目を浴びずに終わった。

「日の目を浴びない」と表記すれば、「注目されない」という意味になります。

また、正しい「日の目を見る」という表現は以下のように使用します。

  • 日の目を見る日が来る
    注目を浴びる日が来る
  • 日の目を見ることがない
    注目を浴びることがない
  • 日の目を見られる
    注目を浴びることができる
  • 日の目を見る機会
    注目を浴びる機会

「日の目を見ることがない」とは、「注目を浴びることがない」という意味です。

「日の目を浴びる」の語源

「日の目を浴びる」は「日の目を見る」の誤用がきっかけで使われるようになりました。

「注目を浴びる」などに使う「浴びる」と、「日の目を見る」という表現が混同して使用されています。

「日の目を見る」の語源

「日の目を浴びる」の由来となった「日の目を見る」は、「太陽の光を受ける」という状況が語源になっています。

「日の目」とは太陽の光であり、太陽が昇って暗い場所が照らされて明るくなることです。

また、以下のような漢字表記や表現は誤用なので注意しましょう。

  • 陽の目を見る
  • 日の芽を見る
  • 日の目を当てる
  • 日の目を見るより明らか

「日の目を見るより明らか」は、「疑う余地もない」という意味の「火を見るより明らか」と混同した間違いです。

「日の目を浴びる」の類義語

「日の目を浴びる」には以下のような類義語があります。

  • 実を結ぶ
    努力などが叶う
  • 脚光を浴びる
    注目を浴びる
  • 世に知れ渡る
    有名になる
  • 好事門を出でず悪事千里を行く
    よい事は広まらず、悪いことはすぐ広まる
  • 埋もれ木に花咲く
    忘れ去れた人が再活躍すること
  • 雨垂れ石を穿つ
    小さい努力が大きく実ること
  • 石の上にも三年
    辛抱すれば成功するというたとえ
  • 注目される
    多くの興味や関心を引く
  • スポットライトが当たる
    注目を浴びる
  • 耳目を集める
    注目される
  • 功を奏する
    成功する
  • 報われる
    努力や苦労に見合った成果が得られること

「日の目を浴びる」の類義語は、「注目される」という意味合いを持つ表現が該当します。

「日の目を浴びる」の反対表現

「日の目を浴びる」には以下のような反対表現があります。

  • 徒労に帰す
    努力が無駄に終わる
  • 好事門を出でず
    よいことは世の中に広がらない
  • 憂き目を見る
    辛いこと、苦しい体験
  • 骨折り損のくたびれ儲け
    苦労したのに成果が出ないこと

「日の目を浴びる」の反対表現は、「注目されない」という意味合いを持つ表現が該当します。

「日の目を浴びる」の英語訳

「日の目を浴びる」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • see the light of day
    (日の目を見る)
  • be in the spotlight
    (世間から注目される)

「日の目を浴びる」の英語表現としては、もっとも“see the light of day”が適切です。

しかし、「生まれる」という意味もあるので、文脈を判断して勘違いしないようにしましょう。

また、単純に「注目を浴びる」と言いたい時は、“be in the spotlight”も使用可能です。

「日の目を浴びる」のまとめ

以上、この記事では「日の目を浴びる」について解説しました。

読み方日の目を浴びる(ひのめをあびる)
意味(今まで注目されなかった人物などが)注目されるようになる
語源「日の目を見る」の誤用
類義語実を結ぶ
脚光を浴びる
世に知れ渡る など
反対表現徒労に帰す
好事門を出でず
憂き目を見る など
英語訳“see the light of day”(日の目を見る)
“be in the spotlight”(世間から注目される)

「日の目を浴びる」は間違いであり、「日の目を見る」が正しい表現です。

しかし、混同してしまう人も多く、そのまま使われてもいます。

ぜひ、この記事を参考に正しい表現を知って、間違った表現に出会っても冷静に対応できるといいですね。

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アン・ジュオ3世
この道10年のノマドライター。 人の心を動かす言葉を日々研究しています。 カタカナ語を中心とした語彙力に自信があります。